踊る小児科医のblog

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新型コロナ:東京:「増加速度の鈍化」はほぼ間違いない。「ピークかピーク超え」はまだ判断しきれない 

2020年07月26日 | 新型インフルエンザ
いま観察しているのは、自然流行(無策放置=集団免疫戦略への説明なき方針転換)において、どのような要素がピーク超えに関わってくるのか、あるいは「恐怖論者」の言うように「恐怖の結末」が待っているのか。。

判断できない不確定要素が二つあります。
一つは東京都の検査対象者のポリシー(どこまで拡大しているのか)がはっきりと公表されていないこと。
もう一つは、国や都の無策に関わらず良識派・多数派の都民がどのように行動変容(いわゆる自粛)をきたしたのか、その影響が数字に表れてくるのかどうか、という点です。

検査数拡大状況と陽性率の推移については、別に述べたいと思いますが。。

先週末にFBで「今週で鈍化(はっきりしなかった)、次週でピークかピーク超え」と希望的観測も加えて書きました。


曜日毎のグラフでは、先週まではっきりしていたグループがばらけてきているので、全体の傾向が移り変わりつつあるのだろうと想定できます。


7日前との増減の棒グラフでは、はっきりとそうだとは言い切れないにせよ、ピークからなだらかに低下しているように(目を細めて見れば)見えると思います。


ずっと判断の基準にしてきた片対数グラフ(7日平均)では、見た目微妙に思えるかもしれませんが、先々週、先週の傾きから、今週の傾きまで徐々に緩やかになっていると読めます。これは、足かけ3〜4週の傾向を確かめた上での判断なので、ほぼ確実だろうと考えます。
(もし、この傾向から外れる動きが出てくれば、それにはそれなりの要因があるはずです。)


最も情報量が少ないのが、テレビや新聞に載っている線形グラフです。ある専門家が民放ニュース番組で、「多い人少ない日が上下しながら、全体として増加する傾向」と説明したのを唖然として聞いていました。
このグラフを見ているだけでは、その程度のことしか言えないのは仕方ないのでしょう。

新型コロナ:東京:「増加速度の鈍化」はほぼ間違いない。「ピークかピーク超え」はまだ判断しきれない

2020年07月25日 | 新型コロナ
いま観察しているのは、自然流行(無策放置=集団免疫戦略への説明なき方針転換)において、どのような要素がピーク超えに関わってくるのか、あるいは「恐怖論者」の言うように「恐怖の結末」が待っているのか。。

判断できない不確定要素が二つあります。
一つは東京都の検査対象者のポリシー(どこまで拡大しているのか)がはっきりと公表されていないこと。
もう一つは、国や都の無策に関わらず良識派・多数派の都民がどのように行動変容(いわゆる自粛)をきたしたのか、その影響が数字に表れてくるのかどうか、という点です。

検査数拡大状況と陽性率の推移については、別に述べたいと思いますが。。

先週末にFBで「今週で鈍化(はっきりしなかった)、次週でピークかピーク超え」と希望的観測も加えて書きました。


曜日毎のグラフでは、先週まではっきりしていたグループがばらけてきているので、全体の傾向が移り変わりつつあるのだろうと想定できます。


7日前との増減の棒グラフでは、はっきりとそうだとは言い切れないにせよ、ピークからなだらかに低下しているように(目を細めて見れば)見えると思います。


ずっと判断の基準にしてきた片対数グラフ(7日平均)では、見た目微妙に思えるかもしれませんが、先々週、先週の傾きから、今週の傾きまで徐々に緩やかになっていると読めます。これは、足かけ3〜4週の傾向を確かめた上での判断なので、ほぼ確実だろうと考えます。
(もし、この傾向から外れる動きが出てくれば、それにはそれなりの要因があるはずです。)


最も情報量が少ないのが、テレビや新聞に載っている線形グラフです。ある専門家が民放ニュース番組で、「多い人少ない日が上下しながら、全体として増加する傾向」と説明したのを唖然として聞いていました。
このグラフを見ているだけでは、その程度のことしか言えないのは仕方ないのでしょう。

曜日毎のグラフでは、先週まではっきりしていたグループがばらけてきているので、全体の傾向が移り変わりつつあるのだろうと想定できます。


7日前との増減の棒グラフでは、はっきりとそうだとは言い切れないにせよ、ピークからなだらかに低下しているように(目を細めて見れば)見えると思います。


ずっと判断の基準にしてきた片対数グラフ(7日平均)では、見た目微妙に思えるかもしれませんが、先々週、先週の傾きから、今週の傾きまで徐々に緩やかになっていると読めます。これは、足かけ3〜4週の傾向を確かめた上での判断なので、ほぼ確実だろうと考えます。
(もし、この傾向から外れる動きが出てくれば、それにはそれなりの要因があるはずです。)


最も情報量が少ないのが、テレビや新聞に載っている線形グラフです。ある専門家が民放ニュース番組で、「多い人少ない日が上下しながら、全体として増加する傾向」と説明したのを唖然として聞いていました。
このグラフを見ているだけでは、その程度のことしか言えないのは仕方ないのでしょう。

新型コロナ「経済と感染制御」ドイツは実効再生産数(Rt)=0.75を目指し、東京は数値目標を撤廃して感染拡大を放置した

2020年07月16日 | 新型コロナ
It is no use crying over spilt milk 覆水盆に返らず
高校に入ったときに最初に習った英語の格言の一つですが、もしかしたら本当の最初は Cool as a Cucumber だったか。。
いま思うと、どちらも単に英語を教えるだけでなく、何か心の片隅に残って、活かされていくことを期待していたのかもしれない。。(キュウリを食べると思い出します)

6月末にNHKで放映された2本の特集番組で、いずれもドイツの経済学者と感染症学者の共同研究が紹介されていました。
BS1スペシャル「新型コロナウイルス 世界は科学で闘った」2020年6月29日放送
NHKスペシャル「新型コロナウイルス 危機は繰り返されるのか」2020年7月2日放送


GDPの損失は、Rt=0.1(厳しいロックダウン)でもRt=1.0(感染持続)でもなく、Rt=0.75のときに最も少なく抑えられる。
これは、研究で用いられたシミュレーションを詳しく知らなくても、直感的に大体そのくらいだろうと予想できる結果です。

ところが、経済学者は、

「経済にとっては、再開が早いほど良いと考えていたので、Rtを1以上にして経済を回すべきだと考えていました」とおっしゃっている。
日本だけでなく、ドイツでも経済学者というものは、感染が再度拡大しながら経済再開を急ぐべきと考えていたことに、驚くというか呆れますが。。


感染症学者「感染制御と経済活動のどちらかだけを優先する必要はなく」

Rt=1(あるいはそれ以上)では、

経済学者「結果的に経済への打撃はさらに大きくなるのです」
という当然の結論に辿り着いています。
(ただし、実際にはドイツでもRt>1となって苦戦しているようですが)

「二兎を追う者は一兎をも得ず」ではなく、感染制御と経済活動は両立し得る。ただし、それはRt=0.75(感染は制御して緩やかな減少傾向にあること)が条件となります。

一方で、東京都では5月末から一貫して感染拡大が続いていたのに、東京アラートの50人を越えた途端に、自ら制定したルールそのものを変更して、目標数値を撤廃してしまいました。
試合の途中で負けそうになったからルールを変更するなどという、小さな子でもわかる愚策をとったわけであり、この過程には専門家も関与していたので、厳しく検証されるべきでしょう。

「news23」小川彩佳キャスター、東京都が新たな指標で数値目標撤廃に「ますます罹患するにしても、経済的損失も、自己責任に…」7/1(水) 7:10配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/2d79fdb2a3088a35d6813ebcce5ecb40f5db51e3

なお、実効再生産数(Rt)の速報値は、東洋経済ONLINEの「新型コロナウイルス国内感染の状況」に掲載されています。7/14現在、全国で1.42、東京で1.41ですが、7/15、7/16の新規陽性者数により、更に上昇しているはずです。
https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/

一方、小池都知事は「夜の街、若者、軽症」を繰り返し強調し続けましたが、別の番組で専門家は、

「東京なんですけど、夜の街に目がくらんでしまっていますが」


「実は夜の街から市中へのスピルオーバー(漏れ出すこと)を心配してた」
と懸念しています。
(この spill over で冒頭の格言を思い出したわけです)

これも当然のことで、専門家でなくても、多くの医療関係者は懸念を共有していました。
そして、それが今起きている「中高年」「一般の職場・学校」「地方都市」への拡散であり、この段階まで来ると抑え込みは不可能だと考えられます。
昨日(7/15)になって「感染拡大警報」などとパフォーマンスしてみても、遅すぎます。
It' Too Late
https://denihilo.com/carole-king/its-too-late


「新型コロナウイルスに世界は科学で戦った ドイツが見出した最適バランス、日本が選ぶべき指標は?」
「活用には、政策決定者のリテラシーが大切」
「世界は科学で戦った」の最後に、政策決定者のリテラシーが大切と強調されましたが、まさにそれが現実となっているのです。
すでに流行状況の把握が難しくなっています。
自衛しかありません。

6/19の移動全解除から2週後である7/3に124人、2日連続100人突破という時点で、都民の良識的多数派が再び行動自粛に戻り、自然にピークアウトしてくれることを期待したいのですが、すでに5月末から8週目に入っており、明日からの2日のデータで明暗は分かれると考えています。

なお、今後の流行状況については、「都内の最新感染動向」の中でPCR検査数と陽性率を見ていくことが一番の指標になります。また、再増加が明らかになっている入院患者数だけでなく、重症者数も底を打って反転傾向にあり、注意が必要です。
https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/

東京は指数関数的増加へ、7日平均55.1人。「検査数増加・重症者減少だから安心」説の問題を検証する

2020年07月01日 | 新型コロナ
東京は本日(6/30)の54人<前日比マイナス4人ではなく、前週同曜日比+23人>により、7日平均では6/22の31.6人から55.1人まで8日間で23.5人増加しています。
昨日掲載した2つのグラフに本日(6/30)のデータを入れて再掲してみます。

対数グラフ②

緑の点線(5/23-6/20)よりも保守的な水色の点線(5/23-6/25)に沿って直線的(=指数関数的)に増加しているように見えます。

線形グラフ①

緑の点線(5/23-6/20)から、この5日で上方に解離しつつあるように見えます。
今週の後半でこの傾向がどちらに傾くのか、決まってくるはずだと思います。

地方の迷惑<子どもたちの無意味な難行苦行や、各種スポーツ大会などの中止>を考えれば、頭打ちになって悪い予想が外れてくれることを願いたいのですが、今のところ良い材料はありません。
(本旨と外れますが細胞性免疫に関する重要なニュースがあり注目していますが)

本来は東京の人がきちんと検証していただけたらと思うのですが、「検査を拡大していて軽症・無症状者をピックアップしているだけで、重症者は減っているので何も問題ない」という説がはびこっているようです。

上記のグラフだけでもそれは否定できるのですが、東京都発表のデータで検証してみます。

検査実施件数


たぶん、私の目が悪いせいだと思いますが、5月上旬以降、飛躍的に検査件数が増加しているようには見受けられません。5月下旬に減少して再び増加しているのは、感染者数の増加に応じて検査件数が増えていることの反映だと考えられます。

PCR陽性率


ここでの陽性率は累積ではなく毎日毎日の値ですから(これも7日平均だったはず)、3%という値がどれほど異常か東京の人は認識しないといけません。5月下旬には、やっと1%を切るまで減少したのですが、このグラフをみてその差は感じられないかもしれません。
一番の問題は、検査数を増やしているから陽性者が増えているだけだというのなら、陽性率は不変か低下しているはずですが、きちんと上昇していることです。

重症者数


この指標だけが今のところ良い指標と言えるでしょう。新たな感染者の多くが若者で無症状や軽症者なら、今後も入院患者や重症者は増えないかもしれない。

ただし、それは希望的観測です。水面下での母集団が規制のないままに増えれば、再び制御不能な形で入院患者や重症者が増加してくることがないのかどうか、懸念されます。

入院患者数


このグラフではほとんどわかりませんが、6月下旬に増加傾向に転じたように見受けられます。毎日50人超の状況が続けば、

流行のレベル(試案)


(以下、作業中)