踊る小児科医のblog

青森県八戸市 くば小児科クリニック 感染症 予防接種 禁煙 核燃・原発

「たばこダメ 妊婦守れ!! 同居家族にも禁煙呼びかけ」県・小児科医会・産婦人科医会事業

2018年01月20日 | 禁煙・防煙
地元紙に掲載された事業。見出しでは「妊婦守れ」となっていますが、守るのは「胎児、生まれてくる赤ちゃん、乳児」です。
この内容には県小児科医会の担当として私も掲載項目の要望を出しました。
12月の無煙のまちづくりの日シンポジウム(青森市)でも県の担当者に発表していただきました。

ただし、強く要請したにも関わらず、今回掲載が見送られてしまった項目が「加熱式タバコ」です。
「タバコ」にカッコ書きで(加熱式を含む)と数文字入れてもらうようお願いしたのですが、「国の方針が出ていないから」とのことで見送られてしまいました。

なお、この記事に「県と県医師会」の事業となっていますが、県医師会が関わっていることは初めて知りました。県小児科医会と県産婦人科医会がそれぞれの担当となって進めるものと県から説明されたし、そう理解していました。



妊婦の禁煙支援 青森県など見守りカード(2018/01/19 09:00)

青森県内で今月から配布が始まった妊婦やその家族の禁煙見守りカード「ままさぽ」

 妊婦やその家族の禁煙をサポートしようと、青森県と県医師会は禁煙見守りカード「ままさぽ」を作成、今月から妊婦が市町村などに妊娠を届け出た際、母子手帳と共に配布している。妊産婦に関わる医療機関などがカードに母親や家族の喫煙状況を記入してもらい、情報を共有して妊娠期から産後にかけて一貫した指導につなげる狙い。安全な出産や赤ちゃんの健やかな発育の環境づくりを推進する。
(以下、画像参照)

http://www.daily-tohoku.co.jp/kiji/201801180P196280.html
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

新元号西暦換算、女性宮家の空疎な議論、その次、次の次、皇族の基本的人権…

2018年01月01日 | 平和・人権
年が明けて、平成30年(2018年)になりました。今年は、昭和93年にあたります。(昭和37年生まれ 93-37=56歳)

天皇・皇室問題は主要な興味の対象ではないのですが、数年に1回書いているような気がします。以下の所見は特定のイデオロギーや政治的立場とは関係ありませんが、基本にあるのは皇室の子ども達の人権と、「国民統合の象徴としての天皇」を国民一人一人がどう捉え直すかという観点にあります。

(1) 大正15年/昭和元年=1926年
「西暦-25=昭和」 1970年-25=昭和45年 万博
「昭和+25=西暦」 昭和39年+25=1964年 東京五輪
…これが一番簡単だった

(2) 昭和64年/平成元年=1989年
「西暦-88=平成」 1995年-88=平成7年 阪神大震災
「西暦+12=平成」 2001年+12=平成13年 「9.11」
「平成+88=西暦」 平成8年+88=1996年 アトランタ五輪
「平成-12=西暦」 平成23年-12=2011年 「3.11」
…88と12のどちらかに統一することも可能ですが、2000年をまたいだのでわかりにくくなった

(3) 平成31年/□□元年=2019年 …□□は新元号
「西暦-18=□□」 2020年=□□2年 東京五輪
「□□+18=西暦」 □□4年=2022年
…数字としては区切りが悪いのですが、更に2年待っていただくわけにはいかないので、致し方ありません

▽私たち昭和世代は、次の改元で「昭和の時代における明治世代」に相当することになる。それはそれで構わない(明治の頑固ジジイになれるのはある意味で歓迎できるかもしれない)のだが。。問題はその次…

◎「女性宮家」創設に61%賛成 共同通信世論調査
https://mainichi.jp/articles/20171204/k00/00m/010/061000c
この調査結果の数字だけ見て、国民とは何と身勝手なものかと呆れて、憤る気にもなれません。。

▽「皇位安定継承の議論を/女性宮家検討を要請」という記事もありましたが、女性/女系天皇を前提としない女性宮家は、皇室の公務を分担する担い手としての意味だけで、安定継承とは関係がない。議論のポイントを曖昧にしているだけ。(皇籍離脱後に公務を分担してもらうことはあり得るとは思うが)

「女性天皇」問題は、皇孫である3人の女性皇族が成年に達する前に終えていなければいかなかった。もう手遅れ。上記の世論調査結果には、3人の女性皇族に対する国民(左右両派)の人権意識を感じることができない。

▽次の「治世」は現在の皇太子(次期天皇)と秋篠宮(次期皇嗣)の兄弟が並び立つ時代で、その次も今回と同じように譲位が行われるはず。5歳半という年齢差を考えれば、20年という数字が一つの目安になるだろう。

<今上天皇の退位:2019年4月30日、次期天皇の即位:5月1日>
昭和天皇 1901年(明治34年)4月29日 - 1989年(昭和64年)1月7日 87歳+
天皇明仁(今上天皇) 1933年(昭和8年)12月23日 - 現在84歳 即位時55歳 退位時85歳

皇太子徳仁親王 1960年(昭和35年)2月23日 - 現在57歳 即位時59歳 20年後(2039年)79歳
秋篠宮文仁親王 1965年(昭和40年)11月30日 - 現在52歳 兄即位時53歳 20年後(2039年)73歳
悠仁親王 2006年(平成18年)9月6日 - 現在11歳 叔父即位時12歳 20年後(2039年)32歳

▽2039年には次期天皇は79歳、皇嗣は73歳、悠仁親王は32歳。健康問題(誰にもわからない)を考慮しつつ、兄→弟→甥という明治以降で初めての形式の継承を安定的に行い、皇太子としての経験も積ませるためには、この頃(20年後)が一つの目安になると思われる。

「兄→弟」への譲位が無事進んだとしても、年齢的に考えれば秋篠宮天皇の時代が長く続くことは想定しにくく、悠仁皇太子への譲位が次の課題になってくる。おそらくは10年くらいが目安だろう。(2049年、秋篠宮天皇83歳、悠仁皇太子42歳)

とすると、新天皇[新元号]、秋篠宮皇嗣[その次]、悠仁親王[次の次]まで3つの新しい元号を見届けられるかもしれない。同世代である皇太子・秋篠宮兄弟と同じくらい長生きできるかどうかにかかってくるが。(2049年まであと31年)

そうなると、悠仁親王の時代には、「昭和生まれ世代」は、[昭和の時代]からみて大正→明治→慶応→元治(4つ前)に相当することになる。あの元治元年(1864年)、池田屋事件、禁門の変…

▽2039年(想定:秋篠宮天皇即位時)に悠仁親王は32歳。その後の秋篠宮天皇時代の約10年間で悠仁皇太子が皇妃を迎えて、男子を授かることができるかどうかが国民の「最大の関心事」になっていくだろう。(…個人的には興味の対象外だが)

そもそも、唯一の「お世継ぎ」に対して、「男子出産」という国民の期待を一身に背負って自ら嫁入りするような女性が一人でも現れるとは想像しにくい。。よほど強い愛情で結ばれた女性とプライベートで巡り会えればいいのだろうが。。

▽私は天皇制を廃止論者ではないが、皇室の子どもの人権という観点で考えれば、象徴天皇と皇室の機能や存在を自然に縮小させていくしかない(…そうならざるを得ない)と考えている。が、現実には、それを超えたスピードで「国民の意識と皇室の現実との乖離」が進んでいくことになるだろう。

私たち国民が主権者の立場から、「国民統合の象徴」としての天皇や皇室に対する「我儘な要求(皇族の人権とは相反する)」を控えていき、天皇や皇室に過度に依存しない成熟した国民になっていくしかない。二人の兄弟天皇の時代に、そのような議論が進むかどうか。見通しは暗いと言わざるを得ない。

▽女性天皇/女系天皇/女性宮家問題を男女平等の観点から論じること(*)には意味がない。もし、男女平等で長子相続を原則とするなら、1.愛子内親王 2.秋篠宮親王 3.佳子内親王 4.悠仁親王の順となる。(眞子内親王は来年皇籍離脱予定、高齢の常陸宮親王は対象から省かせていただいた)

*フェミニズムの観点から女性が天皇になれないのは男女差別だという主張のこと

一つの考え方として「男女平等(女性・女系天皇)・長子相続」はあり得るとは思うが、この国の国民だけでなく、メディア、識者、政財官の面々が、その程度の議論に立ち戻ることができる時代が来るとは到底思えない。(前述のように悠仁親王は従姉妹や姉よりも順位が下になる)

▽「男女平等・長子相続」などという「新たな(平等意識に基づいた)原則」を、既に生まれて育っている皇族に対して「後出しジャンケン」のように強制することはできない。これは一般の法規制の原則と同じ。

既に成人となった女性皇族が、法で定められた「結婚による皇籍離脱」を前提として人生設計をしていたのに、「主権者である国民」の代表たる国会議員が勝手に「女性宮家や女性天皇」になれと命じるのは、本人の意志や基本的人権(の回復)を無視した人権侵害に他ならない。

「皇室の子どもの人権」を考慮して、女性皇族に認められた皇籍離脱という「権利」を保護していけば、皇室が永続する可能性はゼロに近い。

▽これも数多ある「解決不能問題」の一つで、安倍首相や周辺の保守派の連中が、わざわざ皇室滅亡の可能性を高めているというのが誰にも否定できない現実。問題を直視せずに先送りし続けた結果として、根本的な解決の可能性が皆無に近い「負の遺産」を子孫に押し付けることになる。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

「水素発電商用化=2030年に原発1基分(だけ)」 トップが阿呆だと国が滅ぶ<戦艦大和>

2018年01月01日 | 東日本大震災・原発事故
 未だに水素発電が「夢のエネルギー(※1)」などと思っているナイーブなお歴々も、この小さな記事で現実を直視せざるを得なくなるでしょう。。
(※1 2000年頃には私もそう思っていました)


 今から12年も経った2030年に、目標として「燃料電池車80万台、バス1200台、フォークリフト1万台」しか普及することができず、「発電と合わせた水素使用量の年間30万トン=原発1基分の100万キロワット相当」でしかないエネルギー源に、大きなビジネスチャンスだと飛びつく企業が1社でもいるとは到底思えません。

 私は自動車を全てEV化すべきとは思わないし、水素は海をまたいだ遠隔地からの運搬可能なエネルギー源という位置付けであればある程度の意味をなすかとは考えていますが、少なくとも燃料電池車(FCV)用の水素ステーションが地球の陸地上くまなく配置されるなどということが起こり得ないのは、最低限の知識と想像力があればどなたでもわかっていただけるはず。

ついでに言えば、夢のエネルギー源である「核燃料サイクル」と「水素社会」は両立するとは思えないのに、国や県、財界などはどちらも無批判に推進しようとしている。。

NHKの番組で涙を浮かべていた日本の企業戦士が哀れでならない。

水素発電商用化へ戦略決定 利用拡大で安価に
2017.12.26
 政府は26日、水素基本戦略を関係閣僚会議で決定した。平成42年までに水素発電を商用化するほか、自動車やバスなどモビリティー分野での水素利用を拡大する目標を掲げる。水素を大量に消費する社会基盤を整備し、調達価格を安く抑える方針だ。
 安倍晋三首相は会議で「水素はエネルギー安全保障と温暖化問題を解決する切り札になる」と述べ、日本が世界に先駆けて水素社会を実現することの重要性を強調した。42年段階では水素で走る燃料電池車を80万台、バスを1200台、フォークリフトを1万台普及させるとし、発電と合わせた水素使用量は年間30万トンを想定している。仮に30万トンすべてを発電で使うと原発1基分の100万キロワットに相当する量という。
http://www.sankei.com/politics/news/171226/plt1712260026-n1.html -->
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

福島県の甲状腺がん推定発症率と地域差のグラフ(2017.10)

2017年10月27日 | 東日本大震災・原発事故
10万人あたり
先行検査① 38.3 → 3.8
本格検査② 26.2 → 12.7
本格検査③ 5.1 → 2.5

①はスクリーニング効果10倍として 1/10
②は受診間隔2.1年として 1/2.1
③以降は受診間隔2年として 1/2

前回(2017.06)と同様にグラフ化してみました。


③の推定発症率は2.5で、進捗状況を考えると①の3.8は上回るものと思われますが、②の12.7には遠くおよばないでしょう。
この増減の傾向が明らかなものどうかは、4巡目(2018-19)の結果を見てみないとわかりません。(2020年頃)
当初の予想どおり、判断には10年を要する見込みで、その間、継続的な受診と精査・治療は必要です。


何度も繰り返してきたように、累積患者数が前回の190人から3人増えて193人になった、「やっぱり増え続けているんだ」と考えることに意味はありません。
累積患者数ではなく、発症率の増減が判断の基準になります。

4地域の発見率の地域差をグラフ化してみました。


13市町村では、2巡目の2年間で、スクリーニング効果とされている1巡目を大きく上回っており、13市町村>中通り>浜通り>会津という傾向も明らかです。
もし3巡目でこれと同じ傾向のまま減少するようであれば、2巡目での地域差が意味のあるものとほぼ確定できます。残りの地域の数字に注目していきたいと思います。

---------------------------------------------------------------------
    13市町村 中通り 浜通り 会津 県平均
2011-13 33.5   38.4  43.0 35.6 38.3
2014-15 49.2   25.5  19.6 15.5 26.2
2016-17 13.0   3.8    0   0 5.1
----------------------------------------------------------------------
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

福島県の小児甲状腺がん:2巡目での増加と地域差、3巡目の減少傾向は明らか(201710)

2017年10月26日 | 東日本大震災・原発事故
「安全宣言」を出した学術会議の御歴々は、公表されているこの数字をご覧になっているのだろうか。1巡目はあくまでベースラインであり、2巡目以降の変化を見極めるのが目的ではなかったのか。

第28回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成29年10月23日)資料
http://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/kenkocyosa-kentoiinkai-28.html

6月から変わった点だけ最初に指摘しておきます。
2巡目:「疑い+確定」は71人で変わりませんが、手術して確定例が1人増えました。
(確定49+疑い22=71→確定50+疑い21=71)
3巡目:検査の進行に従って、前回の「確定2+疑い2=4」から「確定3+疑い5=7」に増加しました。

結果として「疑い+確定」例は、1巡目115人、2巡目71人、3巡目7人、合計193人(+3)に増加しています。

3巡目から市町村毎ではなく、地域別の数字しか公表されないことになったので、やむを得ず、過去のデータも同じ地域別に集計し直して比較してみました。

----------------------------------------------------------------------
    13市町村 中通り 浜通り 会津 県平均
2011-13 33.5   38.4  43.0 35.6 38.3
2014-15 49.2   25.5  19.6 15.5 26.2
2016-17 13.0   3.8    0   0 5.1
----------------------------------------------------------------------
(浜通り、会津は今年度の検査の途中経過ですのでご留意ください)

実際の数字は以下の通りです。


なお、地域別の市町村は次の通りで、注1が「避難区域等13市町村」、注2が中通り、注3が浜通り、注4が会津地方で、浜通りは避難区域を除くいわき、相馬、新地という北と南に分かれた地域になります。


この表から言えることは3つ。
1)2巡目の増加は明らか:2巡目>3巡目≧1巡目の見込み
2)2巡目での地域差も明らか:検証していないがこれだと有意差が出ると考えられる
3)3巡目での減少傾向は、4巡目の数字を見てみないと判断できないが、おそらく2巡目の半数以下になる見込み

結論としては、1巡目での不毛な議論や「安全宣言」は一切無視して、今後も検診と診断・治療態勢を維持し、対象者は定期的な受診を継続すること。

(原発事故の被曝による一過性の増加が既にピークを過ぎたという仮説を考えていますが、今後の推移を見てみないと何とも言えません。)

なお、この議論での扱っているのは、10万人あたり数人〜十数人というレベルで、10万人のうち99,990人は確率的に言えば大丈夫という話になります。

発表された資料では「パーセント(%)」で表記されていますが、「10万人あたり10人」は0.01%という日常生活ではほとんど感知できないような印象になってしまいます。このような小さい数字を扱う場合には「パーセント(%)」で表記することは、安倍首相の言う所の「印象操作」にあたるものであり、標準的に用いられている「10万人あたりの人数」で表記すべきです。

もちろん、その10人の方にとっては確率論は無意味で、ゼロか100%かという世界になるので、軽視したり楽観することは禁物ですが、これまでのところ、A2判定が2巡目で59.0%、3巡目では64.4%と最も多い判定となっており、そのほとんどが嚢胞であることから、A2嚢胞の方については、過剰な心配は不要でA1の方と同じように考えてもらい、検査間隔も2年間で十分だと言うことはできます。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

クローズアップ現代「北朝鮮水爆」:「戻れない一線」は安倍首相が核先制不攻撃を潰した時点か

2017年09月06日 | 平和・人権
一昨日のクローズアップ現代(9月4日)
「北朝鮮“水爆実験”の衝撃 危機の行方は」
http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4026/

▽鈴木達治郎先生は最後に「戻れない、解体・非核化ができないようなところを越えてしまう可能性がある。できるだけ早く、これを止める。凍結でもいいから止める方向で、対話の糸口を見つけていただきたい」と提起した。

(追記:7月のBS1スペシャルにおける鈴木教授の発言を最後に掲載しておきました)

 これが最大のポイントで、多くの人は既に一線を越えてしまったのではないかと危惧している。鈴木先生もそれを意識しつつ、ここが(もしかしたら戻れるかもしれない)最後の瀬戸際だと警告されたのではないか。

▽渡部恒雄氏は「対話・軍事力行使・制裁強化、どれを取るということではなく、3つがバランスを取って、最終的なゴールに落とすためのものであって、「対話を図るために軍事力はすべきじゃない」ということを言う人がいるが、そういうふうに考えるものではない」と指摘。

 これは確かにそうで、金正恩が「核武装により国や自分の命を守れる」のではなく、「国も滅びるし自分も殺される」のだという具体的な圧力(強力な制裁+軍事的オプション)を感じないと、対話のテーブルに着く(あるいはそのためのコンタクトをとる)ことすらできない。

 ただし、現在の「制裁→軍事オプションの脅し→対話」という方策では何も解決できないことも明白。「最終的なゴール」を誰も描けていないのではないか。。

▽平岩氏は「国際社会は非核化のための対話だが、北朝鮮は核保有国として認めることを求めるわけで、接点を見いだして対話に入っていくのは難しい」とも指摘。

 これが問題で、、話を思いっきり端折ると、「核抑止論で核拡散を防ぐことはできない」という「仮説」が実証されたと言えるのかもしれない。(最初の鈴木氏の指摘については、すでに一線を越えていると考えざるを得ない)

 北朝鮮が既に核保有国であることを認めれば(※)、核抑止論に従うと、米朝が核でにらみ合った状態は「今後ずっと平和が保たれる状態」であると言うことができる。メデタシメデタシ

※実戦配備できる兵器としての精度などは落ちるとしても

▽つらつらと考えるに、過去の選択肢で少なくとも2つの過ちがあったのではないか。。

1)朝鮮戦争を過去のどこかの時点で終結させることができなかったのか
(具体的には指摘できないが、クリントン時代ではないか)

2)オバマ大統領の核先制不攻撃宣言が、「核の傘」同盟国、とりわけ日本の安倍首相の強硬な反対により阻止されたこと

 もし「核抑止力」が存在すると仮定しても、それを何ら損なうことなく、北朝鮮の核開発のエスカレートを止めて緊張緩和の第一歩にすることができたはず。

 これを安倍晋三が阻止したということは、金正恩の言っていること(米国の核から国を守るためには核武装が必要)が正しいと認めたに等しい。米国は核先制攻撃を否定していないのだから、抑止力としては核武装しかない。

▽現在の危機は、米朝両国だけでなく、中露首脳などの責任が大きいことは確かだが、我が国の安倍晋三が、「解決不能問題」に押しやった最大のキーマンであったと考えられる。ここにおいて、アベ・シンゾーは歴史に名を残した。

------------------------------------------------------------
(追記)BS1スペシャル「東アジア核拡散の脅威〜世界が恐れる最悪のシナリオ」(7/30)より
https://www.dailymotion.com/video/x5x1cv4
鈴木教授の核拡散防止に関する取り組みについて教えて下さい。それはどこまで有効なのか、お話いただけますか。

私たちの取り組みの一つに、地域包括的安全保障の枠組みがあります。
日本と韓国、北朝鮮が核兵器を保有しないことを約束、核兵器のない地域をつくるのです。
一方で、中国、ロシア、アメリカなどの核兵器保有国から核攻撃をしないという取り決めを結び、消極的安全保障を得ます。
まず最初に、民間による対話を通じ、北朝鮮を巻き込んでいきたいのです。
最終的には、こうしたプロセスを通じ、地域内に信頼を構築していきたいと考えています。

<鈴木さんは最後に、核拡散を食い止めるためには、長期的には、核廃絶を目指す取り組みを進めることが不可欠だと主張しました。核兵器はいったん使用されると、長期にわたり、人体や環境に重大な影響を与え、非人道的な兵器であるという認識からでした>

長期的には、核兵器は廃絶されなければならないという原則を作り上げていくべきです。短期的には難しいでしょうが、いわゆる人道的な取り組みは、長い目で見れば広げていけます。誰もが最悪のシナリオを回避したいですからね。これは強調しておかなければなりません。オバマ大統領の広島訪問は、長いスパンで考えれば、かなりの影響を与えたと思います。今度は、他の核兵器保有国の指導者たちにも、広島や長崎に来るように勧めたいですね。そうすれば、全ての指導者に、核兵器の人道的な影響を感じてもらうことができるでしょう。これが、今日の議論を通じて、私が考えたことです。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

「ほとんどの自民党支持者は集団的自衛権が憲法違反ではないと考えている」の論理構造とは

2017年08月30日 | 東日本大震災・原発事故
「AならばBである」という場合(左上)、
「Aならば」というのは、「すべてのAは」という意味であり、反例が1例でもあれば反証できます。

「ほとんどのAはBである」という場合(右上)は、かなり曖昧になるけど、語感としては90%くらいが目安になるかもしれません。



例えば「ほとんどの自民党支持者は集団的自衛権の行使が憲法違反には当たらないと考えている」という場合、さすがに自民党支持者であっても1割くらいは憲法違反だと考えている人がいるということ。。(この数字はあくまでも仮定です)

ここで、「Aならば」とか、「Bである」とか、それ自体が自明のことのように書いていますが、これが例えば人の身体に関する情報(検査結果など)であったり、人の考え方や主義主張に関する調査結果などの場合、「AかAでないか」、「BかBでないか」という境界線は明確には引けず、連続的に存在する場合の方がほとんどで、その場合は「AならばBである」などという命題自体が成立し得えません。(左右の下図)

臨床検査データなどの場合は、どこかに<多数データから導かれた>線引きをしているわけですが、その線引きの仕方によって、「感度・特異度」「偽陽性・偽陰性」などを勘案して総合的に判断しています(今回は説明省略)。

また、「AかAでないか」、「BかBでないか」といった方向性(ベクトル)の向きも、同じ平面上で平行していたり直交していたりするとは限りません。

むしろ、三次元上で交わらないベクトルである可能性の方が高く、「AかAでないか」と「BかBでないか」という事象について、関連付けて考えられるかどうかは、それをある一つの平面(二次元)に落とし込んで、相関関係の有無(強さ)で判定することになります。

もちろん、(震災・原発事故以来このブログで)何度も繰り返して書いてきましたが、相関関係と因果関係とは同じではありません。

こんなことは、私のような者が偉そうに書くようなことではないのですが、「エビデンスがない言説」を批判している人が自ら陥りがちなポケットであることを、自省を込めてあえて書かせていただきました。。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

「科学的特性マップ」は原発推進の隠れ蓑か

2017年08月24日 | 東日本大震災・原発事故
 7月に公表された最終処分場の特性マップについて、世耕経産相は「重要な一歩であり長い道のりの一歩だ」と述べたが、むしろ問題解決の道程から遠ざかったのではないか。

 日本の沿岸部の大半は「輸送面でも好ましい」という緑色に塗られた。「日本で最終処分場のメドをつけられると思うほうが楽観的で無責任すぎる」という小泉元首相の批判に対し、安倍政権は「科学的有望地はある」と反論してきたが、半年以上遅れて出てきた緑色だらけのマップには失笑を禁じ得なかった。



 ここで、東通村から階上町までの沿岸部が緑色になったことに注目したい。核のゴミに関して、六ヶ所村と日本原燃・再処理機構との間の「再処理中止なら施設外搬出」という『覚書』と、県知事・政府間の「最終処分場にしない」という『確約』が原子力政策を縛り続けているが、地元側が自発的に受け入れることまで制約していない。経産相も「約束を前提に」とだけ述べて断定はしていない。

 報道によると、マップ公表後、全国からの手挙げを待つとともに、複数の自治体に調査への協力を求めていくという。しかし、青森県以外のあらゆる自治体において、受け入れを考慮すべき理由は見当たらず、「最後は金目」という従来の手法も今後は通用しない。

 全くの想像だが、複数自治体への調査依頼というのが、隠されたシナリオの元で出される牽制球のようなもので、ボールは最後に青森県に戻ってくるのではないかと考えている。

 最終処分場への埋設が科学的に可能だと仮定しても、学術会議の「総量規制、乾式貯蔵・暫定保管と国民的議論」という提言を無視したままでは、マップ公表は批判を封じて原発再稼働を進めるための弥縫策と判断せざるを得ない。

 責任は原発を推進した国にあるが、問題の本質を先送りする政府に解決は期待できない。北欧型市民社会を例外とすれば、最もあり得る解決策は、強権的監視社会の実現ではないか。

(青森県保険医新聞掲載)
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

福島県の甲状腺がん検診を青森から憂慮する(全国保険医新聞掲載)

2017年08月04日 | 東日本大震災・原発事故

(全国保険医新聞2017年7月25日号掲載)

 原子力施設が集中立地する青森県では、核燃料サイクル推進、全量再処理の維持を行政や業界は守り抜こうとしている。しかし、使用済みMOX燃料の処分方法は決まっておらず、核拡散防止の観点から再処理によるプルトニウム増加にも厳しい目が注がれており、青森県民は自ら原子力政策の行方を選択していくべき立場に立たされていると言える。

 東日本大震災では六ヶ所再処理工場でも外部電源を喪失し、非常用発電により冷却が維持された。もし大量の使用済み燃料や高レベル廃液が冷却不能となったり、ミサイルや航空機により破壊されたら、放射性物質の拡散は福島を上回るものになると危惧される。

 昨年来、福島県の医療界から甲状腺がん検査の縮小論が唱えられていることを憂慮している。1巡目で確定または疑いと診断された115人(10万人あたり38人)がスクリーニング効果だと仮定しても、2巡目の71人(同26人)は説明がつかず、検査間隔を考慮すると2巡目で増加したと判断できる。

 2巡目の検出率を3地域の市部・郡部に分けて比較してみると、浜通り郡部(同37人)、中通り市部(同31人)、浜通り市部(同24人)の順になっている。地域差が認められないという1巡目での論拠も否定的であり、3巡目以降の傾向を見守る必要がある。

 3巡目でも4人(同3人)が診断されたが、最終的に2巡目より低くなる可能性が高い。それが一過性の増減なのか、診断に関する要因の影響なのかにも注意が必要である。

 現時点で求められているのは、検査の縮小ではなく、信頼回復と客観的評価のはずだ。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

鈴木達治郎氏講演資料(7/15)と追加質問への回答を掲載

2017年08月03日 | 東日本大震災・原発事故
7月15日に開催された鈴木達治郎先生の講演資料と追加質問への回答を、当日出席できなかった多くの青森県民にも伝えたいという願いを聞き入れていただき、特別のご厚意により掲載させていただきます。

---------------------------------------
八戸市医師会市民公開講座(青森県医師会生涯教育講座)
「3.11以降の原子力政策 青森県民と核燃料サイクルを考える」
講師 長崎大学核兵器廃絶研究センター長 鈴木達治郎 教授
(前・内閣府原子力委員会委員長代理/日本パグウォッシュ会議代表)
2017年7月15日 八戸グランドホテル
主催 八戸市医師会
---------------------------------------
(講演の報告は医師会報に掲載された後にブログにもアップする予定です)

【講演資料】

→講演発表・配布資料(86p)
(当日配布した資料に4ページ追加されています)

【参考資料】 …発表の中で言及・引用された資料です

1)『崩れた原発「経済神話」 柏崎刈羽原発から再稼働を問う』新潟日報社原発問題特別取材班/著
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20170530334512.html
…在庫がなく入手困難(2017.8.4)でしたが、重版されて購入することができるようになりました(2017.8.29)

2)日本経済研究センター「2050年、05年比でCO2、6割削減は可能」(※特任研究員として鈴木先生も参画)
http://www.jcer.or.jp/policy/pdf/150227_policy.pdf

3)日本経済研究センター「事故処理費用は50兆〜70兆円になる恐れ」(※同上)
https://www.jcer.or.jp/policy/concept2050.html

4)「論点:核のごみ、最終処分への提言(鈴木達治郎・今田高俊・杤山修氏)」(毎日新聞 2014年5月23日)
http://no-nukes.blog.jp/archives/7693672.html
…鈴木先生の提言も掲載されていますが、講演では杤山氏の再処理に関する部分が黄色く強調されて引用されました。
◇杤山修・経済産業省地層処分技術ワーキンググループ委員長
「再処理は使用済み核燃料の中に残ったウランやプルトニウムに取り出す価値があるから行うのであり、処分のためではない。使う価値がないなら再処理せずにそのまま埋める直接処分の方がいい。核燃料を溶かして一度危険な状態にする上、捨てにくく技術的課題が多い超ウラン元素(TRU)廃棄物が出るなど、再処理は不利なものだ」

5)「もんじゅ」廃炉へ(下)「核燃料の再処理は中止を プルトニウム削減を急げ」鈴木達治郎・長崎大学教授(日本経済新聞 2016年11月8日
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO09230870X01C16A1KE8000/
…登録すれば全文読めます

【追加質問と鈴木先生のご回答】

1)直接処分と最終処分場について

今後、部分再処理とワンススルーのいずれを選ぶにせよ、ガラス固化体と使用済み燃料の2種類の高レベル廃棄物が残るはずです。

この2種類は、同じ最終処分場で埋設することが可能で、発表予定のマップの条件も同じと考えて良いのでしょうか。

また、もし可能だったとしても、これまでの説明会では触れられていないので、議論は振り出しに戻ると思います。

だとしたら、最終処分場を決める前に、直接処分の選択肢について議論をする方が先だと思うのですが。。

<回答>
ご指摘の通り、現在の処分場計画はガラス固化体と超ウラン元素を対象にしか計画されていません。

ただ、原子力委員会の決定があったため、JAEAで使用済み燃料の直接処分もわが国で技術的に可能かの確認するための調査が行われ、2016年にその報告書が出て、技術的には問題ないことが明らかになりました。

これまで「日本では直接処分はできない」「そのような研究もない」と言っていたことはこれでなくなりました。場所の選定についても、ガラス固化体であっても、直接処分でも基本的に差異なく選定できると思います。

それでも、政策変更や最終処分法の改定がない限り、処分場の設計への変更は難しいでしょう。単に研究をやっているだけではだめなので、ご指摘の通り、早く直接処分も可能とするように政策変更すべきだと思います。

規制基準もこれから議論に入りますので、今のうちに直接処分も対象とするよう法改正が必要だと思います。


2)最終処分場は1か所なのかどうか

学術会議の暫定保管では、各電力会社に1か所という案が示されていましたが、最終処分場については、政府案でも学術会議案でも、1か所を想定しているように思われます。

公開されている「学術の動向」(2016.6)では、吉岡氏が、むしろ最終処分場を複数にすべきと提起されています。
私も、国民的議論を引き起こし、消費地(大都市)の責任を明らかにするためにも、最低でも2か所以上(東・西日本)の設置を前提にすべきではないかと考えています(…いずれにせよ、1か所でも出来る可能性は低いと思いますが)。

費用や工事・作業の面でも、1か所の方が有利なのかもしれませんが、どのような姿が望ましいのか、教えていただけませんでしょうか。

(暫定保管についても、学術会議の「原発立地地域以外」よりも、原発敷地内や隣接地の方が適しているはずだと思います。。信頼性や透明性が欠けている現状では難しいとは思いますが。)

<回答>
技術的、経済的に考えれば、1つで十分ですし、コストも安いです。もっと極端に言えば、世界に1か所あれば十分処分可能です。

問題はあくまでも、政治・社会的な要素で「各国が責任をもって処分することを原則とする」と放射性廃棄物条約に明記されています。ただ「関係国間で合意できれば国際処分を除外するものではない」とされています。

一方,各電力会社ごとに処分場を置くことは、社会公平性という考え方で出されたアイデアで、立地が可能であれば、そういうことも検討してもよいかと思います。

米国でも数か所を選ぶ、という案がありましたし、今もその可能性はありえます。これは公平性の観点というより、一つだとリスクが高く、バックアップの意味も含めて複数用意したほうが良い、という考えでした。

ただ、コスト面や立地の選択の難しさが現実問題としてありますので、私は貯蔵を各電力会社ごと、処分は1か所がいいのではないかと思います。

低レベル廃棄物処分場は量も多く、輸送も簡単なので、米国では地域ごとに処分場を決定することとなっています(ただ、地域ごとで交渉して、他地域の廃棄物を引き受けることもできるようになっています)。


3)プルトニウムの処理・埋設について

英国はプルトニウム引き受けたとして、どのように処分するのでしょうか。

米国の「スターダスト」というプルトニウムを直接処分する研究について報道があり、講演資料のプルトニウム問題解決の中にも「代替処分方法の検討」という項目がありました。

現在あるプルトニウムについては、MOXにするより燃やさず処分する方が理にかなっているように思われます。

ただし、最終処分場にせよ、プルトニウムの処分にせよ、それが「原発・核燃料サイクル推進」目的のためでは国民的合意は難しいし、私も賛成できないと思いますが…。

<回答>
英国は2005年ころから検討を始め、国の原子力廃止機構(NDA)が責任をもって処分することになっています(費用は税金です)。その分、透明性確保が重要とされています。

処分法も政府案を提示して、国民からコメントを募集して、最終案として、現在は日本と同様MOX燃料にして専用原子炉で燃やすことにしています。

現在公募しているところですが、2015年決定の予定が遅れています。MOX燃料として燃焼させる(使用済みMOX燃料は再処理はしないで処分)ほうが、技術的な見通しが立つ、というのが主な理由でした。

ただ、MOX燃料が順調に進まない場合や、MOX燃料に加工できないプルトニウムも存在することから、安定化させて「直接処分」する技術開発も並行して進めています。

いずれにせよ、産業界は燃料として利用する意図がないので、政府が責任をもって処分することになっています。これは原発推進とは関係なく「廃棄物処分」としてNDAが扱うことになっています。


4)トリチウム汚染水について

講演会で質問した方が、トリチウムの総量は六ヶ所の廃液の方が福島より多いと指摘されていました。これは年間の排出量なのか、全稼働期間の総量なのでしょうか。

<回答>
福島第一の汚染水に含まれるトリチウムの総量は 3.4x10の15乗(34,000兆)ベクレル(東電2014年現在)、貯留されている汚染水内の総量は7,600兆ベクレルと言われています(2016年3月現在)。今後も増える可能性はあります。

これに対し、六ヶ所再処理工場の年間排出量基準は1.8x10の15乗(18,000兆)ベクレルとされており、福島の約半分を1年で放出することになります。

なお英国のセラフィールドは25,000兆ベクレル/年、ラハーグは18,500兆ベクレル/年です。

しかし、再処理工場では濃度の基準も設定されておらず、推定では1億ベクレル/リットルを超えるとも指摘されており、漁業者から問題視されています。

規制当局の説明は、人体へのリスク評価(被ばく量評価)で規制しているので、この濃度と総量であっても、被ばく量は0.2mSV/年と評価しているので問題ないとの説明です。

なお、福島汚染水のトリチウム濃度は30万〜420万ベクレル/リットルで、これを希釈して、告示濃度(下記※)以下にして海水に放出する案が最も有力とされていますが、他にも地中処分や分離して水蒸気放出等の案も検討されています(政府の「トリチウムタスクフォース」が検討しています)。大体7年程度で排出を終えることができると推定されています。

※通常の原発では排出濃度基準が60,000Bq/l(リットル)、年間放出総量は22兆ベクレル/年程度です。

六ヶ所再処理工場の桁違いの排出量に驚きますが、人体に与える影響がなくとも、環境に与える影響は無視できない可能性があります。


※このご回答における各種数値については、引用された元資料にあたって、可能であればその在り処についても追加で記載したいと考えておりますが、まだ作業できていない段階での仮公開となることをお断りしておきます。(2017.8.4)
コメント (1)
この記事をはてなブックマークに追加

子どもの熱中症は予防できる(7/15デーリー東北記事より)

2017年07月15日 | こども・小児科
本日(7/15)のデーリー東北に、子どもの熱中症に関する記事が掲載されました。その中で、私のコメントも一部採用されていますが、実際には、取材に来た記者に以下のようなメモ(少し手を加えてあります)をあらかじめ送った上で追加の説明し、それを基に記事にしていただきました(画像を後で追加します)。

ポイントは、乳幼児が殊更に熱中症になりやすいわけではなく、育児やケアの過誤が主であり、普通に気をつけて貰えばほとんどは予防可能なこと。年長児では学校行事、部活やクラブスポーツでの教師・指導者の問題。子どもが熱中症になるとすれば、その原因の大半は親や教師、指導者にあると言えると思います。
その他、一般的に言われている点と少し違った角度から見た説明も含まれています。

----------------------------------------------------------------------
まず、熱中症について一般向けに公開されているのHPや資料を参照してください。
その上で、実際にはどうなのかという考え(私見も含めて)をお伝えできればと思います。

熱中症について学ぼう
https://www.netsuzero.jp/learning
熱中症、こんな人は特に注意!「子ども」
https://www.netsuzero.jp/learning/le04
熱中症環境保健マニュアル
http://www.wbgt.env.go.jp/heatillness_manual.php

①子どもの方が熱中症にかかりやすい? その原因は?

一般論としては
・体重あたりの水分量が多く、必要な摂取水分量の割合が多い(脱水になりやすい)
・体温調節中枢が未熟
・体表面積(体重あたり)が大きく、環境温の影響を受けやすい
・汗をかき出す温度が高く、反応がゆっくり
・身長が低いので地面の温度の影響を受けやすい
その他に、
・自らの意志で水分をとったり環境を調節しにくい
などがありますが、
「子どもの方が熱中症にかかりやすい」という「定型文(決まり文句)」のようなものについて、
・確かに統計的には「十代の子ども」と高齢者が多いという傾向はあり、上記の資料にもそのような表現がありますが、必ずしも「子どもの方が熱中症にかかりやすい」とは言えません。
・むしろ、子どもの熱中症のほとんどは予防可能であり(最重要)、適切なケアや運動の選択などをしていれば、そんなに熱中症になるわけではない、と考えていただきたい。(後述)

②熱中症の症状で子ども特有のものは?

・熱中症に特有の症状というのはありません。子どもも同じです。
・具合が悪い。ぐったりするなどは既に進んだ症状。
・症状で何かを見分けるようとするのではなく、環境や状況などが重要。
・頭痛、嘔吐、発熱、倦怠感などは、風邪(この時期だとウイルス性の夏風邪)と「文面だけでは」区別することはできません。(診察すれば大体わかりますが)
・だから、「風邪ではなく熱中症ではないかと疑うべき」という流れになりがちですが、むしろ最近では、明らかに風邪の経過や所見なのに熱中症ではないかと聞いてくる親も多く、過度の心配を助長するような記載は避けるべきかと考えます。
・熱中症は、「その時にその場で」症状が出て悪くなるものです。運動をして帰ってから夜に熱が出てきたというのは、熱中症の経過ではありません。
・上記のような症状は、要するに「具合が悪い」ということです。子どもの具合、年長児であれば自分の具合を、ちゃんとみて把握することが大事。ごく普通のことで、熱中症に限った特別なことではありません。
・繰り返しますが、症状で見分けたりする以前に、適切な環境、水分摂取、運動の選択などを行うことが肝要。

③どんな状況で熱中症は起こりやすいのか?

・乳幼児の場合は不適切な養育・虐待(ネグレクト;車内に放置などは論外ですが)、車内でクーラーをつけていても、片側だけ直射日光があたるなど
・不必要なレジャー(夏休みに上の子と一緒に乳幼児をテーマパークや海水浴に連れまわすなど)
・ベビーカー(アスファルトの照り返し)
・年長児の場合は、運動(部活・クラブスポーツなど)
・熱を発散しにくい服装・ユニフォーム(野球、剣道など)
・いずれの種目でも、トレーニングとしてのランニング中
・校内マラソン大会など

④親が子どものためにできる対策などがあれば。

・まず「熱中症の予防に水分摂取は必要(=必要条件)」であっても、「水分を取っていれば熱中症にはならない(=十分条件)」ではない、ということをメディアが逆の間違ったメッセージとして伝えていないか。。今年になって「水分・水分」の大合唱ではなく、クーラーや高熱環境を防ぐなどの一番大事なことが優先的に言われるようになってきていると感じられますが。
・情報の把握 暑さ指数(WBGT) 環境省サイト スマホのアラート
・上記のような不必要な外出や活動をしない
・服装(風通しや速乾性素材)や帽子、日傘、日陰、水分など一般的なこと
・具合が悪そうであれば(上述)、涼しい室内や木陰などに移動し、水分摂取や冷却などを行う
・水分の選択 「イオン飲料(ポカリ)神話」 乳幼児は麦茶 運動時はイオン飲料(スポーツドリンクという名称が普及してしまっている)ではなく、市販の経口補水液を適度に希釈する。1時間以上の継続的運動なら経口補水液(塩分が多い)そのままでも構わないが、むしろそのような運動は避けるべき。
・親もそうですが、特にスポーツ指導者に求められること
 ・時間帯(朝や夕方)の選択や継続時間、休憩時間
 ・トレーニングの選択 長距離走ではなく短いトレーニングの組み合わせなど
 ・一律のトレーニングの強制ではなく、個人個人でのメニュー
 (トレーニング状況、体力、判断力などにより新人と高学年は変えるなど)
 ・馴化(1日涼しいクーラーの室内にいないで、少しずつ暑い環境に出す)
 ・効率重視、スポーツ医学、体育会系体質(気力・根性)からの脱却
 ・休む(運動しない) これが最も重要
----------------------------------------------------------------------

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

八戸市医師会公開講座・鈴木達治郎氏『3・11以降の原子力政策』(7/15)再案内と最近の論評

2017年07月09日 | 東日本大震災・原発事故
1週間前になりましたので再度ご案内させていただきます。すでに鈴木先生から詳細な資料を送っていただいております。非常に貴重な機会ですので、お時間の許す方は是非ご出席いただき、一緒に学んで考える機会にしていただければと希望します。

八戸市医師会市民公開講座『3・11以降の原子力政策 青森県民と核燃料サイクルを考える』
長崎大学核兵器廃絶研究センター長 鈴木達治郎 教授
(前・内閣府原子力委員会委員長代理/日本パグウォッシュ会議代表)
日時 2017年 7月15日 (土) 15時〜17時
会場 八戸グランドホテル
主催 八戸市医師会
参加無料

お申し込みは、
市医師会員およびご家族は、医師会事務局まで
それ以外の方は、こちらのページから(↓)
http://www.kokuchpro.com/event/post311aomori/

鈴木先生の略歴や講演会の趣旨は上記のページに載せてありますが、今回は、最近の業績、著作、ネットで読める論評、メディア出演などを紹介してみたいと思います。

1)日本経済研究センター「エネルギー・環境選択の未来・番外編 福島第一原発事故の国民負担 事故処理費用は50兆〜70兆円になる恐れ」(2017年3月7日)
http://www.jcer.or.jp/policy/concept2050.html
これについての記事は、少し遅れて4月2日にデーリー東北にも掲載されました。鈴木教授は特任研究員として研究をとりまとめています。
主な増大要因は、県外の除染廃棄物最終処分費用と、汚染水のトリチウム除去費用です。

2)岩波「科学」2017年4月号
特集「検証なき原子力政策」
高速炉・核燃料サイクルの再検証 「もんじゅ」廃炉を契機に包括的評価を……鈴木達治郎
https://www.iwanami.co.jp/kagaku/KaMo201704.html

3)岩波ブックレット『アメリカは日本の原子力政策をどうみているか』(2016/10/19)
著者 鈴木 達治郎 編 , 猿田 佐世 編
https://www.iwanami.co.jp/book/b266366.html

4)Japan PuPo 2017 日米原子力協力協定と日本のプルトニウム政策国際会議2017
【1日目】2017年2月23日
Session 1 日米原子力協力協定と日本のプルトニウム政策 接点と課題
 鈴木達治郎(長崎大学核兵器廃絶研究センター)
 Robert Gallucci(元米国国務省)
http://www.cnic.jp/7299

「PuPo 2017 声明」
http://www.cnic.jp/7348
中韓日政府に対し再処理モラトリアム
六ヶ所再処理工場の稼働無期限延期を…

5)BS日テレ「深層NEWS」2017年03月02日
#872 福島原発の内部を見た 黒い塊と廃炉の厳しさ 担当記者が緊急生報告
【ゲスト】鈴木達治郎(長崎大学核兵器廃絶研究センター長)、開沼博(社会学者)
http://www.bs4.jp/shinsou/

6)毎日新聞:論点 もんじゅ「廃炉」どう考える
2016年9月23日
決断、欧米より20年遅れ 吉岡斉・九州大教授
核燃サイクルこそ見直しを 鈴木達治郎・長崎大核兵器廃絶研究センター長
自主技術を無駄にするな 菊池三郎・公益財団法人原子力バックエンド推進センター理事長
https://mainichi.jp/articles/20160923/ddm/004/070/023000c
(月限定ですが全文読めます)

7)NHK「視点・論点」2016年10月28日
『もんじゅ』を考える②廃炉と核燃料サイクルの見直し
長崎大学核兵器廃絶研究センター センター長・教授 鈴木 達治郎
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/255577.html

8)NHK:戦後史証言プロジェクト 日本人は何をめざしてきたのか
2013年度「地方から見た戦後」第7回 下北半島 浜は核燃に揺れた
「福島原発事故後、 原子力政策の見直しに着手」
氏名 鈴木 達治郎さん
収録年月日 2013年12月13日
http://cgi2.nhk.or.jp/postwar/shogen/movie.cgi?das_id=D0012100174_00000
カーター政権時に再処理撤退のベースになった報告書を学生時代に読み、現在でも問題となっている項目が全て網羅され、合理的に政策分析がなされていることに感銘を受けたという話から始まるインタビュー

9)WEBRONZA(朝日の有料サイトですが、8割方は無料で読めます。全文読むためには、科学分野だけの購読だと月二百数十円です)
http://webronza.asahi.com/authors/2014101400007.html
2017年05月24日 原発も核兵器も、核の脅威は変わらない NPT準備委に見る「全用途での核物質生産禁止」という新潮流
2017年03月10日 廃炉措置機関の創設で国が責任を持つ体制に変えよ 福島事故6年目、ガバナンスの根本改革にとりかかるときだ
2016年12月26日 「もんじゅ廃炉」にみる原子力政策の矛盾 原型炉に失敗したのに、なぜ実証炉ができるのか
2016年01月14日 国策と研究開発組織:相互依存の落とし穴 「もんじゅ」と「六ケ所再処理事業」の今後を問う
2015年12月14日 原子力研究体制の矛盾が噴き出た「もんじゅ」 厳しい勧告を生かすため、独立した第三者機関の設置を

10)その他、書ききれない(把握しきれない)ので省略
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

【良くも悪くも現在まで30年近く決定的な影響力を及ぼし続けた80年代の傑作3枚】

2017年06月10日 | ART / CULTURE
Prince "Sign o' the Times" (1987)
U2 "The Joshua Tree" (1987)
Madonna "Like a Prayer" (1989)
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

「核兵器・原発・核燃料サイクルの歴史」年表 青森県との関わりが一目でわかる

2017年06月09日 | 東日本大震災・原発事故
Facebookで一度公表した「核兵器・原発・核燃料サイクルの歴史」年表を一部修正し、いくつかの項目を追加してみました。画像はスクリーンショットで画質が良くないので、PDFをダウンロードしてご覧下さい。
→PDF



個人的なメモとして作成したものですが、主な目的は、1ページの中に、核兵器、原発と重大事故、核燃サイクル、青森県の原子力施設、日本と世界の原子力政策が概観できるように収めることです。
なので、一部詰め込みになって、違う年のものが押し込まれているところもあります。
これ以上の情報を入れると見にくくなるので、ここまでで作業終了とします。

 ★が重大事故、被曝
 ◎は青森県関連
 *は日米原子力協定関連

あらためて眺めてみると、スリーマイル、チェルノブイリ以降の原子力産業が停滞して行き詰まっていく時期に、青森県が原発・核燃施設の誘致・建設にのめり込み、2011年の福島原発事故へと流れ込んで行った経緯が一目瞭然であることに加えて、この国の戦後史は核(原子力)の歴史であり、今後もあり続けるであろうということも痛感させられます。


「確約」は最終処分場にしないという確約
「覚書」は再処理が行われない時には「施設外に」搬出するという三者間の覚書
(この点については別に記事にしたいと思います)
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

福島県の甲状腺がん:3巡目で4名、全体で6名増加:3巡目は2巡目より低くなる可能性(2017.6.5)

2017年06月07日 | 東日本大震災・原発事故
第27回「県民健康調査」検討委員会及び第7回「甲状腺検査評価部会」の資料について(平成29年6月5日開催)
http://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/21045b/kenkocyosa-kentoiinkai-b7-kaisai.html

今回、初めて3巡目でも甲状腺がん患者が検出されたことで、それに対する2巡目の評価が相対的に定まってくるものと考えられ、注目していく必要があります。
(2巡目、3巡目の患者さんの原因が何かという、現時点では=個々の患者さんについては永遠に=特定できない問題については、ここでは論じていません)

単純に数だけを列記してみます(2017.2発表との比較)
1巡目(先行調査)2011-2013
 確定101+疑い14=115名(2016.6と同じ)
2巡目(本格調査)2014-2015
 確定49(+5)+疑い22(-3)=71名(+2)
3巡目(本格調査)2016-2017
 確定2(+2)+疑い2(+2)=4名(+4)
累積
 確定152(+7)+疑い38(-1)=190名(+6)

この「累積数」は、それぞれの時点での推定発症率の差を計ることができないため、特別の意味を持たないことは何度も書きました。一番下にそのグラフも入れておきます。

推定発症率の推移



これまで、1巡目と2巡目の間隔を全体の平均より長めの「2.5年」として保守的に計算してきましたが、3巡目との比較でもう少し正確に考えるために、先行検査(1巡目)の受診者数の割合で平均化して、「2.07年」を用いることにしました。(グラフでは2.1と表記)

その結果として、2巡目の発症率の高さが際立つことになりました。(それは織り込み済み)

焦点は、今回の4例(確定2例+疑い2例)から、今後増えて行くであろう3巡目の発症率がどの程度になるか。
もちろん、現時点では何とも言えませんが、2巡目の高さまでは達しないのではないかと思われます。

もしそうだとしたら、
1巡目が全てスクリーニング効果による数字だったとしても、
2巡目で「何らかの要因」により推定発症率が高くなり、
3巡目では1巡目に近い数字に収まっていく、
というモデルが想定できるかもしれません。

無論、これはあくまで一つの仮説です。
もし今後そのモデルに近づいていったとしたら、「何らかの要因」が、さほど長期に渡る影響を及ぼすほど強くはないが、短期間・限定的に影響を及ぼしたという仮説を考えておかなければならない。

もし、それを超えて2巡目に近い推定発症率に達するとしたら、「何らかの要因」が、より長期にわたる強い影響を及ぼしたという仮説の妥当性が高くなる。

「何らかの要因」が福島原発事故による放射性物質の大量放出になのかどうかは、個々の患者さんはもちろん、この全県横断・縦断的な調査でも疫学的に明らかにすることはできそうにない。

もし定量的な比較をするのであれば、他県で同様の調査を行い、甲状腺がんの検出率に差がないことを証明しなくてはいけませんが、そのような“再調査”が実施される可能性は、ほぼゼロに近い。

累積数



前述の通り、累積数で増えた増えたと騒ぐのはほとんど意味がありません。
それは、ここに書いたような「推定発症率」を考慮していないからです。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加