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「選挙序盤の情勢報道は信頼性が高い 参院選全選挙区をチェック」

2019年07月24日 | 政治・行政
 2019年7月の参院選について、試しに調べてみたところ、予想通りの精度の高さでした。調査結果の解析に加えて、記者の判断も加味されているはず。
 というのも、こういった世論調査の結果を見ると、あたかも「陰謀論」のように、数字が操作されているとか、世論誘導だとか言い出す人がいて辟易とさせられるから(…皆さんの周りにはいないかもしれませんが)。。

「調査結果はそのまま受け止めて、自らの判断で投票すればいいだけ」(無論、無条件で信じたり、それに従って投票すれば間違いがないという意味ではありません。)



 今回の参院選の序盤(7/5)と終盤(7/17)の情勢報道(共同通信)を選挙結果と比較してみました。
 外れた選挙区はいずれも序盤で接戦と伝えており、選挙戦の中で追い上げ、逆転が起きたものと考えられます。
(ここで浮かんでくるのは、序盤=選挙戦が始まる前=に接戦になっていなければ、大きなことがない限り、覆すことは難しいという仮説です。青森の「善戦」も、結果的にはその範囲内に含まれました。)

 方法としては、序盤の情勢報道で「名前が出てくる順」に順位をつけ、結果と照らし合わせてみました。結果として、外れたのは下記の9選挙区のみで、他は全て一致していました(複数区での順位の違いは別として、当選者だけでみれば)。

 ☆印は終盤情勢で接戦とされた8選挙区で、野党優勢の2選挙区★と合わせた10選挙区全てを野党が制しています。

 複数区では、静岡は国民現職が立民新人を抜き返し、大阪は立民新人が落として維新が2議席目を獲得(結果はトップ)、広島は国民現職が当選して自民現職が落選(自民新人と入れ替わり)。

 無所属で当選した9人のうち8人は1人区の野党統一候補、広島は立国社推薦(国民)で、いずれも野党系です。

 結果的に、序盤情勢では自民65+公明14+維新9=88(改選数は自民66+公明11+維新7=84)だったものが、最終結果は自民57+公明14+維新10=81となり、
 自民 序盤情勢から-8 改選数から-9
 公明 序盤情勢から±0 改選数から+3
 維新 序盤情勢から+1 改選数から+3
自民の−9を公明維新の+6でカバーした形になりましたが、「改憲勢力」2/3のための85議席には4議席届かないことになりました。
(公明維新の+6の意味を考えることも必要でしょう)

 なお、「れいわ」は序盤情勢で1議席獲得の可能性ありと報じられていましたが、2議席目とN国の1議席を合わせた「+2」は序盤では誰も予想していなかったと思います。
(序盤情勢と比較して、比例で自民−2、立民−1が「れいわ・N国」の影響を被ったものと判断できます)

<外れた選挙区>
☆岩手「平野[自]やや先行、横沢[無]が猛迫」
☆秋田「中泉[自]、寺田[無]大接戦」(中泉が先)
☆山形「大沼[自]わずかに先行、芳賀[無]巻き返しを図る」
☆新潟「塚田[自]と打越[無]横一線」(塚田が先)
・静岡「2議席目を巡り、徳川[立]と榛葉[国]がデッドヒート」(徳川が先)
☆滋賀「二之湯[自]がわずかに先行、嘉田[無]が激しく追う」
・大阪「亀石が当選圏、梅村[維]、辰巳[共]が追い掛けている」(梅村当選、亀石落選)
・広島「議席独占狙う自民」(森本[無]が当選)
☆大分「磯崎[自]が優勢で、安達[無]が懸命に追う」

<情勢報道通り>
☆宮城「石垣[立]、愛知[自]横一線」(石垣が先)
☆愛媛「永江[無]ややリード」

<最初から野党優勢>
★長野「知名度で羽田[国]先行」
★沖縄「高良[無]ややリード」

「女性天皇・女系天皇問題」各党の政策比較・候補者アンケートを読む

2019年07月03日 | 平和・人権
新聞に参院選候補者アンケートが載っていたので一緒にまとめてみますが、そもそも女系天皇を前提としない女性天皇の是非を問うのは意味がありません。
(下記の「国民」の政策に合致しますが、現実的には悠仁天皇(あるいはその男子)の前に「つなぎ」である愛子天皇の時代を長く続けさせるという意味しかない。さらなる現実問題としては、継承権第一位になる愛子内親王に婿入りする一般男性が出現することは想定しにくい。。)



また、この問題で「男女平等」を持ち出してくるのも的外れと言わざるを得ません。
良い意味で勝ち取るべき「権利」ではなく、人生の全てを費やさざるを得ない「義務」を強いることになるのだから。。
必要なのは、原則論・一般論だけでなく、いまを生きている上皇の孫である4人の皇族に、どういう役割を国民(主権者)がお願いするのかという具体的な議論のはず。。

個人的な判断としては、12年前ならともかく、すでに女性皇族が大人になった今となっては、時期を逸して解決不能問題になったと考えています。
その最大の責任者は安倍晋三首相であることは間違いない。
最終的には、運を天に任せるしかないでしょう。。

●各党政策比較
▽国民民主党:男系の女性天皇を容認、女系天皇は認めず、男子を優先。
▽立憲民主党:女性天皇・女系天皇を認める。皇位継承順は男女の別にかかわらず天皇直系の長子を優先。女性宮家の創設も必要。
▽共産党:女性・女系天皇を認める。優先順位には言及していないが、男女平等という趣旨から立憲と同じと考えられる。
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-06-04/2019060401_01_0.html
▽安倍政権:女性・女系天皇ともに慎重姿勢

●皇位継承順位
▽国民 ①愛子内親王、②秋篠宮文仁親王、③悠仁親王(以上記事による)、④眞子内親王、⑤佳子内親王(④⑤は記事には言及なし)
▽立憲・共産 ①愛子内親王、②秋篠宮文仁親王、③眞子内親王、④佳子内親王、⑤悠仁親王
(愛子内親王の子が生まれれば男女に関わらず2位に)
▽自民 ①秋篠宮文仁親王、②悠仁親王、③(悠仁親王の男子)
(3人の内親王は制度変更の前に結婚して皇籍離脱すれば候補から外れる。その前に女性宮家制度が確立していれば上記の順位に残る。)

●評価
▽国民案は意味不明で、その目的も理解不能。次世代を愛子内親王と悠仁親王のどちらにするかの違いで、次次世代は悠仁親王の男子だけになるのは安倍自民と同じ。
▽立憲・共産案では唯一の男系男子である悠仁親王が天皇になる可能性は限りなく小さくなるが、国民の大多数がそれで良いのなら候補者は増えるでしょう。将来、女性宮家が増えたときの範囲限定と廃止が問題になるかも。いずれにせよ、実現可能性は低い。
▽安倍政権の長年の放置政策は皇室廃絶を促しているに等しい。
この問題で日本人(政治家・国民)が合理的な議論と判断ができるようになるとは想像しにくい。
(旧宮家の皇籍復帰など事実上不可能だし、旧宮家男子を女性皇族に「あてがって」婿養子縁組するなど人権侵害でしかない。)
結論は、繰り返しますが、運を天に任せるしかない。。
(その際には、悠仁親王やその妃に対する人権問題が生じてくるのは不可避です。)

もし、その結果として将来天皇家が断絶の危機に陥ったとしても、共和制(大統領制)なんてこの国の国民には何百年経っても想定することはできないでしょう。(もし実現したとしたら、今の時代でたとえれば「安倍晋三大統領」になるということを想定すればわかるでしょう。)