踊る小児科医のblog

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プロ野球5球団の喫煙対策はまだまだ発展途上

2005年05月14日 | 禁煙・防煙
ダルビッシュ投手の問題を一つの契機として、禁煙推進医師連盟がプロ野球12球団に喫煙対策についてのアンケートを行い、その結果が一部の報道に掲載されてました。その詳細が愛媛の大橋先生のページに掲載されていますので紹介させていただきます。

プロ野球12球団の喫煙対策のアンケート調査について

それにしても、大橋先生のコメントにもあるように、12球団中5球団しか回答がなく、渦中の日本ハム球団からも回答がないという意識の低さには目を覆わんばかりです。さらに、選手の喫煙に対して中日は「未成年者でなければ自己決定とする」と何の問題意識もないし、「喫煙すべきでない」と応えたのはオリックスのみで、残りの3球団は「選手に限らず好ましくない」というやや腰の引けた回答になっています。今回の調査・発表をきっかけにして、プロ野球界に限らずスポーツ団体、スポーツ指導者がタバコの害についての正しい認識を深め、スポーツ選手がタバコを吸うことがどれほど意味のない、選手の能力を低下させて選手寿命を短くさせる行為かを理解して、「タバコと無煙のスポーツ界」をつくりだしてほしいと思うし、今回の結果を非難するだけでなく、私たちも一緒に歩めていければと思います。

アンケートの質問項目にスポーツ選手の喫煙の悪影響について付記されているので、その部分だけ引用させていただきます。

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付記:スポーツ選手が喫煙することによる身体や精神への悪影響
1.喫煙で一酸化炭素が大量に血液に入る。一酸化炭素は酸素が赤血球に入るのを妨げ,一酸化炭素が代わりに赤血球に入り全身に循環される。その一酸化炭素の血中濃度は2~9%(致死量は20%超)。酸素が十分に運ばれないことから運動能力は低下。持久力は著しく低下し,走る,投げる,跳ぶ等の能力も低下。
2.喫煙で集中力が低下す。思考力・計算力も停滞。ニコチンの血管収縮作用による末梢血流の低下と,一酸化炭素との相乗作用で,脳内の酸素不足を起こすことに起因。ニコチンは血管を収縮させ血圧を上げ,脈拍を高める。強い運動は心臓には大きな負担となります。選手寿命を短くさせる。
3.若いときからの喫煙は容易にニコチン依存症を招く。成長期の,若ければ若いほど,依存症は強くなり,容易にやめられなくなる。ニコチンの奴隷と言われるゆえん。運動能力は低下の一方になる。やがて中高年になってがんをはじめとした様々な病気に襲われる。短命。
 日本のプロ野球選手の喫煙率は約40%とか。タバコはスポーツの敵なのにこれはいったいどうしたことでしょう。タバコ対策を切に望みます。
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