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酒とタバコは最高のパートナー/受動喫煙で乳がん2.6倍に

2004年12月25日 | 禁煙・防煙
最近、厚労省の大規模な研究から喫煙やアルコールとがんに関する2つのデータが発表になっています。特に乳がんは、これまでタバコとの関係が曖昧だったり解釈が間違っていたり(非喫煙者における受動喫煙の影響を除かなかったために差が出なかった)して、例の「ピンクリボンキャンペーン」にもリスクファクターにタバコのことが全く入っていない不備なものでしたが、今回喫煙や受動喫煙の重大な影響が明らかになったことは大きな成果と言えるでしょう。

一方、飲酒に関しては、全く飲まないよりも「時々飲む」人の方が死亡率もがんも少なくなっているのですが、これは飲まない人が少し飲むようにしたら長生きするという意味ではないことに注意が必要です。また、酒にタバコが重なればリスクは一気に増大すること、つまり喫煙者がよく言うように「酒とタバコは最高のパートナー」(最悪の-)だということですね。スタディの概要などは下記のサイトに掲載されていますので参考にしてください。

毎日3合飲酒、がん発症1.6倍 厚労省研究班調査
 お酒も連日飲み過ぎると、たまにしか飲まない人に比べ、1.6倍もがんになりやすくなることが、厚生労働省研究班(主任研究者=津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長)の調査で分かった。
 岩手、秋田、長野、茨城、新潟、高知、長崎、沖縄の8県に住む男女7万3千人を約10年間、調査。3500人が何らかのがんになっていた。飲酒量との因果関係をみると、日本酒換算で1日あたり2合(ビールで大びん2本、ワインでグラス4杯)程度を境に、がん発生率が高まり、飲まない日があり量も少ない「時々飲む」人に比べ、2~3合で1.4倍、3合以上では1.6倍になっていた。
 喫煙が加わると、さらに危険は増す。「時々」の人に比べ、2~3合で1.9倍、3合以上だと2.3倍に。喫煙しない人でも、のどや食道、肝臓がんなどは、酒量が増えると発生率が高くなる傾向が出たという。
 同センター予防研究部の井上真奈美室長は「お酒を控えていたら、13%の人ががんにならなかったと推計された。がんを予防するには、たばこをやめ、お酒もほどほどに」と話している。 (12/25 03:01)

喫煙で乳がんのリスク4倍に 閉経前の女性調査
 閉経前の女性は、喫煙によって乳がんになるリスクが、たばこの煙を吸う機会がない女性の3.9倍に高まり、受動喫煙だけでも2.6倍になることが、厚生労働省研究班(主任研究者=津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長)の調査でわかった。
 岩手、秋田、長野、沖縄の4県で、90年に生活習慣アンケートに答えた40~59歳(当時)の女性約2万2000人を約10年間追跡調査し、180人が乳がんになった。
 90年時点で閉経していたかどうかで分けて分析し、「受動喫煙」は、喫煙者と10年以上一緒に住んだことがあるか、職場などでほぼ毎日1時間以上たばこの煙を吸う機会がある、と規定した。
 津金部長は「受動喫煙の影響も予想以上に大きい」としている。
 一方、閉経後の女性では、喫煙や受動喫煙の影響ははっきりみられなかった。女性ホルモンが乳がんに関係するため、閉経前後で違いがでたらしい。喫煙の乳がんに対する影響調査は、これまで結果が分かれていたが、今回の大規模な追跡調査で影響が確かめられた。 (2004/11/30)


JPHC Study
飲酒とがん全体の発生率との関係について?―概要―
喫煙・受動喫煙と乳がん発生率との関係について?―概要―

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