壊れるもの」を読みました。
大手百貨店に勤める西川英雄は、四十歳をすぎて手に入れた郊外の一軒家で家族三人暮らし。
裕福ではないが、大きな不満もない。
しかし、そんなありふれた日常に生じた一点の染みが、突如、絶望の底なし沼となって男を呑み込んでいく。
「やばいとこ住んでるね。“イミチ”って、聞いたことある?」。
精神の迷路に踏みこむ、狂気のサイコホラー。
この作家の初めて読んだ作品「すじぼり」がかなり面白かったので、本作も期待して読み始めました。
「すじぼり」では大学生がひょんな事からヤクザの世界へと引き込まれてゆく様子が描かれていましたが
本作では普通の中年サラリーマンが崩壊してゆく様子がリアルに描かれてゆきます。
百貨店業界や広告代理店、大手家電販売業界の実態もリアルに再現されていて、
ホラー小説と云うよりも社会派小説と云ってもいいくらいです。
それにしても、会社からも身内からもジワジワと裏切られ、陥れられていく主人公の姿がかなり息苦して、マジで怖い・・・。
一気に読了でした。
この小説の満足度:☆☆☆☆
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