白石一文 著 「この胸に深々と突き刺さる矢を抜け」を読みました。
スクープを次々と放つ「週刊時代」編集長、カワバタ・タケヒコ、43歳。
政権党の実力者であるNのスキャンダル記事を巡って運命の歯車が大きく廻りだすが…。 (上巻)
カワバタは癌に侵されていた。
大物政治家Nの追及も、行く手が幾重も阻まれ、恐ろしい罠にはめられてしまう。
そんななかカワバタはある運命的な出会いをする。 (下巻)
なかなか凄いタイトルと太宰治の「人間失格」の21世紀版という触れ込みに惹かれて読み始めました。
主人公カワバタは大手週刊誌「週刊時代」の編集長で仕事もできて、妻は東大で発展途上国経済を研究する助教。
2年ほど前に胃ガンの手術を受けており、現在は抗がん剤を服用しつつ勤務している。
子供はいるが、妻とのセックスは8年間もなく、外で様々な女性と恋愛を重ね、享楽的な人生を送っている。
この時点で主人公にまったく共感できるところがない・・・。
しかも、ストーリーの途中には政治問題から経済問題、哲学的な話が唐突に挿入されています。
なんじゃこりゃ~!! つまらんな~!!
唯一の興味はこの主人公の最後がどうなるのかでした。
そのラストは・・・
ん~、Hさんの胸に矢は当たりませんでした・・・。
第22回(2009年) 山本周五郎賞受賞作品。
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