今野 敏 著 「義珍の拳」を読みました。
時は明治。
琉球の下級士族の家に生まれた富名腰義珍は、生来の病弱を克服するために門外不出の秘伝であった唐手を学びはじめる。
ひたすら同じ型を練り続ける日々の中で義珍の心身は強靱になり、修行にのめり込んでいく。
そして時は移り、教育者となった義珍は、唐手を青少年の育成に役立て、古伝の精神を本土に普及させることを決意する。
琉球秘伝の「唐手」を極め、本土に「空手」を伝えた男の生涯とは。
日本の本土に「空手」を普及させた船越義珍の一生を描くストーリー。
沖縄武士の秘技「唐手(トウーデイー)」が、時代の大きな流れの中で「体育(スポーツ)空手」として大衆に普及しながらその姿と質を変えていく様子が、切々と胸に響きます。
武道家のあるべき姿とは何なのか?
同じく沖縄から「手」を伝えに来た、『武士猿』本部朝基との対比も面白い。
空手をやる方のみならず伝統武道に興味がある方に勧め出来る良書です。
『武士猿』とセットで読む事をお勧めします。
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