水の中の犬」を読みました。
探偵の元にやってきた一人の女性の望みは恋人の弟が「死ぬこと」。
誰かが死ななければ解決しない問題は確かにある。
だがそれは願えば叶うものではなかった。
追いつめられた女性を救うため、解決しようのない依頼を引き受けた探偵を襲う連鎖する悪意と暴力。
それらはやがて自身の封印された記憶を解き放つ。
木内作品は「藁の楯」に続き2作目です。
元刑事の中年私立探偵が主人公の3つの短編がつながる連作となっています。
物語そのものは「藁の楯」と同様に全体的に暗めのバイオレンス小説です。
依頼人も依頼内容も一筋縄ではいかない事情を抱えており、探偵はただの探偵らしからぬ挙動によりどんどん傷を負い、裏の世界の住人に目をつけられてますます深みにはまる・・・。
主人公がボロボロになりながらも信念を曲げずに突き進む姿がスピーディに描かれていて一気に読み進めることができました。
この小説の満足度:☆☆☆☆
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