ログアウトは両替前で ーある巫女の記録ー 

信長の野望オンラインでの体験を小説風に綴っていきます。
無印からの体験です。

初心者と私設

2017-09-29 14:58:52 | 冥神真琴
良い首飾りが作れたなら…。
私は貴石屋でぼんやりと石を打つ。

知人にいくつか首飾りを作って差し上げたけれど
なんて事の無い首飾りだ。
上級者さんに差し上げるなら
楽市でそれなりの価格で販売されている位の代物でないと
喜ばれないのではないか…。


亮さんのご兄弟の話を聞いているうちに
生産の大変さが伝わってくる。
潜在能力を含め職人装備の価値や宝玉
器用と魅力のバランス。

それに加えて職人さんの運。

現在の生産はまさにお金持ちの娯楽といっても
言い過ぎでは無いのかもしれない。


職人装備を揃えるだけでも資金はかかる。
生産潜在などほとんど無いに等しい状態だった私は
その道のりに肩を落とした。


売り子でしか売買が成り立たなかったあの頃とは違うのだ。
ちょっと市司に話しかけるだけで
ずらっと並ぶ装備品の数々。
なんでもいいからと知人に装備をねだる時代では無い。


職人装備…作ろうかな。


いつも仲良くして下さってる知人さん達に
何かしてあげたくて仕方なかった。




「こんにちは^^」

鍛錬余りを預けに両替へ戻った私に
声をかけてくる陰陽師様がいた。

「こんにちは^^」

誰だろう。
まだ里を出たばかりの感じのlv。
少し小柄の陰陽師様。


「弟です^^勝占の^^」

「あらっ、養子迎えられたんですね^^」

勝占さんは斎藤の方だったが
弟さんは浅井の家紋だった。


「実は上に武士の兄もいますw後で紹介しますねw」

「あはは^^そうだったんだね~^^」


いつの間にか勝占さんは3人兄弟になっていた。
ある程度のクエをこなすとその後は募集が出るまで暇になってしまうと
彼は苦笑いしていた。

特化クエが終わった所で何をしたらいいかわからなくなると言うのだ。


クエに誘導されクエに助けられクエに縛られてしまう。
彼を見ながら私はそう思うのだった。



「今は私設でお世話になっていて。浅井の方なんですけどね^^」

「そっか~^^」

「まこさんはどこか私設に入ってるんですか?」

「ううん^^私はどこにも^^」

陰陽師様は少し驚いた顔をする。

「まこさんならもうすでにどこか入られてるのかと思ってましたよw」

「あはは^^」

「まぁでもまこさん友達多いし必要無いですかねw」

「全然!こんなダメ巫女誰が必要としてくれますか!?」

「またまたw何をおっしゃってるんだかw」

私達は笑う。



特化クエの敵も緩和された現在
試練という程の苦労は無い。
ちょっとした徒党を組んでも知人を作りにくくなってきている今
私設は救世主になっているのかもしれない。

私が今の仕様だったら成長出来ているのかな…。
売り子にも話しかけられなかった私が私設への扉を叩くのは
きっと無理だったろうと思う。



「特化クエまでが気楽でいいですねw」



なんとなく胸が痛んだ。

私は陰陽師様をイイコイイコすると
小谷を後にするのだった。

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
コメ連発ご容赦ください (真宮寺八雲)
2017-09-29 19:11:08
自由な世界で、各々を縛るものですか。
両替前でログアウトして、入る時も同じ場所。
そういえば、そうだったなーって思いました。
最も町の中で賑わいを見せていて、
会話も所作も飛び交う場所。
粘土いかがですかー
習得です、残り3、あ、2になりましたー
僧与力試験、お手伝いお願いします!
そんな感じでしたね。
今と昔、それぞれの良さがある。
と、真琴さまより言っていただきました。
とても勇気が出ました。
それを楽しめるのかどうかは、システムの状況よりも、私のやり方次第なのかもしれない、と。
だから、御伽草子を始めました。
この世界の魅力を自分なりに発信できるように。
この方法を教えてくださったのは、
他でもない、真琴さまです。
この世界で不要なものは何も無いのでしょう。
ない方がいいものは何もないのでしょう。
足りないもの、欲しいものは、
私たちの想像と希望と行動によって具現化できないだろうか、と思うのです。
もっと、こういう想いは、多くの人と共用したいと考えています。
できるかわからないけれど、やってみたいこともあります。
いや、帰参したばかりの者が、長々と。
本当に、真琴さまに対し、
的を射た内容かもわからないのに、
失礼いたしました。
性分なん…それは、前にも言いましたか。
もし、そういうのもあるかもしれないなー、と
思いをお持ちならば、一度ゆっくりとお話ししてみたいな、なんて思います。
この世界を好きな人以外、
だーれもいないと、
それだけは自信を持って言えます。
それを支えてきたのは、真琴さま達のような
古参の皆さまあってのことだと
私は思います。
だから、私は皆様に心からありがとうございますと言いたいです。
長文、本当に失礼しました。
返信する
Unknown (冥神真琴)
2017-09-30 16:29:34
八雲様のお考えに共感するばかりです。
どうしたら楽しめるのか
何をしたら充実出来るのか
それは私達次第であると思っています。
ですが時代の流れというものは
人の心を変化させていきます。
みんなが手を差し伸べる世であれば
それが当たり前の風潮になりますし
背を向ければそのようにもなります。
たくさんの方が居るこの世では
その暗黙のルールをされる方の多い方に
みんな流れていくのだと思うのです。
そうでなければういてしまうから。
そんな都会的な雰囲気に変わっても
温かい優しいこの世を
望んでいる方がまだまだたくさん居ると
私は信じています^^
返信する

コメントを投稿