ログアウトは両替前で ーある巫女の記録ー 

信長の野望オンラインでの体験を小説風に綴っていきます。
無印からの体験です。

薄れゆく夢

2017-08-03 16:53:08 | 大渓眞子
突然現れた藤岡屋伝助によって
なんとなく雑魚狩りへ行く日々が始まった。

いわゆるポイント制の始まりだ。


初心者は中級者クエを終えた後今までの装備を脱ぎ
藤岡屋伝助から報酬としてもらえる錬輝装備へと変わる。


錬輝装備は優秀。
昔なら…ね。


この装備で九州へはちょっと厳しいかもしれない。


私はこの雑魚狩りが結構好きだった。
救援を出して入っていくスタイルだけれど
時にちょっと強い敵を叩いたりして
ハラハラする時間を楽しめる事もある。


みんなが一斉にダンジョンへ集まる為
敵が枯れ気味なのが難点だけど…。

運国さんからだと姉様から額当てを受け取った私は
鹿角の立物を付けよく雑魚狩りへ行っていた。





詩皇さんはこの頃あまり姿を見かけなかった。
馬流ちゃんはとても寂しがっていた。

私は岳さんと馬流ちゃんと3人で居る事が増え
弟が2人出来た気分だった。



「じゃそろそろ寝るね^^岳さん、眞子タンの事頼むね^^」

「了解!」


私は弟だと思っているけれど
どうやら彼らにとって私はそう見られていないらしい。

絶対この呼び名の責だと思う…。



凛とした侍になるのが夢だったけど
この2人と一緒にいると
違う自分が顔をのぞかせる。

少し甘えてもいいのかな と。



初心者に優しく
冷静でかつ強い武芸。

そんな侍が夢だった。
だから一匹狼でもいいかなと思っていたくらい。


私が長女ならそうなれたのかしら。
姉様に装備を作ってもらい目的も無い状態の中
交流の橋渡しをしつつ両替には私が装備できないもので溢れている。
こんな生温い環境の中でろくに厳しさも知らない私が
そんな夢を持ったって…。





「眞子さん?」

うつむく私に岳さんは声をかけた。



「ん?^^」

気力なく笑顔を作る。



数秒私を見つめた岳さんは


「…よしっ!!雑魚狩りいきましょうか!!」

私の返事を待たず岳さんは私の手を引いた。





私の周りは優しすぎる。

特に岳さんは。

彼のお兄さんに初めて声をかけた時を思い出す。
こんな風に手を引かれる日が来るなんて。
私の中で岳さんは支えてあげたいと思う方だ。
けれどその反面私も彼にどこかで支えられているのだと感じていた。

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