ミーハーのクラシック音楽鑑賞

ライブ感を交えながら独断と偏見で綴るブログ

下野竜也と読響の真骨頂

2014-03-13 23:31:55 | 読響
昨日(12日)サントリーホールで開かれた読売日本交響楽団第535回定期演奏会に行ってきた。指揮は下野竜也。

【演目】
ドヴォルザーク/レクイエム
  ソプラノ:中嶋彰子
  メゾ・ソプラノ:藤村実穂子
  テナー:吉田浩之
  バス:久保田真澄(妻屋秀和の代役)
  合唱:国立音楽大学合唱団
《19時00分開演、20時50分終演》

バスの妻屋秀和が体調不良によりドクターストップがかかり出演不可能に。新国立劇場オペラで馴染みがあるだけに残念~。

東日本大震災から3年の翌日公演ということで、指揮者の下野竜也および読響はこの演目を選んだのであろう。下野も普段の燕尾服ではなく黒のスーツに黒ネクタイという喪服スタイルで登場。

レクイエムとは死者への哀悼もしくは追悼の意を表した鎮魂歌もしくは鎮魂曲だと思う。それゆえに、モーツァルトやヴェルディのレクイエムは厳粛にして格調高い曲というイメージがある。しかし、このドヴォルザークのレクイエムは、鎮魂歌であると同時に賛美歌かオラトリオのような面も大きく持ち合わせている気がする。それは復興への応援歌という思いを込めているのかもしれない。

歌手陣では海外でキャリアを積んだ2人の女性(中嶋彰子、藤村実穂子)の声には艶とハリがあり聴いていて気持ちが良かった。テノールの吉田浩之は声量がいまひとつ。急な代役の久保田真澄は無難にこなすものの、もう少し個性を出してほしかった。約100人の国立音楽大学合唱団は清々しい。今回のような曲の合唱にはキャリアのある合唱団より、若さと勢いのある合唱団の方がマッチしていると思う。その意味において、音大の合唱団を選択したのは正解だろう。

下野竜也と読響はドヴォルザークの全曲演奏会を確か行っていたが、まさにその真骨頂というか集大成を今回披露したのではではないだろうか。たった1回だけの公演のためにしっかり譜面を読み込んで、全身全霊の力を注いだ下野には大いなる敬意を評したい。ブラボー!

なお、この日の演奏会は録画されていたので、後日日テレおよびBS日テレの「読響シンフォニックライブ」で演奏されるのではないだろうか。


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