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沖縄女性殺害事件で、改めて日米地位協定を見直すべきだ。

2016年05月20日 21時35分38秒 | 日記
 伊勢志摩サミットが開催される直前、その上にオバマ大統領の広島訪問が日本国民に対する原爆投下の謝罪はなしという事前報道がされている、まさにこの時期に、沖縄での女性殺害事件の犯人として、米軍属という肩書の容疑者が逮捕された。

 犯行内容は今後明らかになるのであろうが、単なる自動車によるひき逃げ事件というような内容ではなく、若い女性の暴行未遂による殺害であるようだ。

 沖縄では、過去に米軍人などの暴行事件が頻発していたが、日米地位協定により日本側での捜査ができないという不平等が現実であったが、数度にわたる改定により、殺害事件などに関しては、日本側で捜査できるようになってきた。

 しかし、独立して70年にもなるのに、いまだに米軍に多くの基地の使用を認め、実際は日本が多くの負担金を払っているにもかかわらず、トランプ大統領候補が演説で述べているように、多くの米国人は米軍の日本駐留は、米国がすべての費用を負担していると思っているようだ。

 沖縄などの米軍基地は、多くの日本人でさえも日本の安全を守るために米軍が駐留していると刷り込まれている。事実はどうなのか? 米軍は米国の世界戦略に基づいて派遣、駐留しているのではないか?

 沖縄に米軍基地の多くが存在しているために、沖縄県民に犠牲が強いられていることは事実であり、日本の安全保障をいつまでも、米国の核の傘頼みで良いものなのか、根本的な議論を行うべきだ。 日米地位協定には、まだまだ不平等な項目が多いと指摘されている。 単に表面的な憲法改正議論で終わるべきではない。

 
(天木直人のブログより貼り付け)

米軍属による沖縄女性殺害事件の衝撃
2016.05.20

 沖縄で行方不明になっていた女性が在日米軍の「軍属」によって殺害されていたというニュースがかけめぐった。

 このニュースを聞いた私はこれは見えざる神の手のしわざではないかと思った。

 辺野古移設を強行し、オバマの広島訪問で日米同盟強化の喧伝を目論む日米両政府にとって、このタイミングで、このような事件が起きた衝撃は、はかりしれないに違いない。

 それを見事に証明するかのように、いまや政府広報メディアのようになってしまったNHKは、今朝6時のトップニュースでこの事件を取り上げ、この事件が辺野古移設問題やオバマの広島訪問に悪影響を及ぼすことが懸念されると政府の気持ちを代弁した。

 思えば、在日米軍撤退の気運が盛り上がるのは、きまってこのような不幸が起きた時だ。

 そして、最後は何も変わらないまま、その抗議は抑え込まれてしまう。

 なぜか。

 それは、日本が講和条約を結んだ後でも日米安保条約によって主権を放棄して来たからだ。

 主権を放棄して来ただけではなく、米軍による軍事占領を認めて来たからだ。

 今度の報道で、「軍属」という、およそ日本語になじまない言葉が存在する事を我々は知った。

 これは、日米安保条約の事実上の主役である日米地位協定に出てくる言葉だ。

 すなわち、米軍基地内で働く軍人以外の米国職員と言う意味だ。

 米国人は軍人だけでなくすべての者が、軍用機で自由に日本の米軍基地を往復できる。

 入国審査を一切受けることなく、誰もが米国軍用機に乗れば米国本土と在日米軍基地を往復できる。

 そしていったん在日米軍基地に降り立てば、そこから日本のどこにでも自由に行き来することができる。

 日本で不祥事を起こしても、在日米軍基地に逃げ込めば、日本の主権は及ばない。

 犯罪でもスパイでも何でもできるのだ。

 なぜ、このような、世界でも異例の二国間関係がいまでも対等であるべき日米間で厳然と存在するのか。

 それは、日本政府が、国民に知らせることなく、日米安保条約の交渉の過程で米国に譲歩して合意したからだ。

 それがこの国の戦後70年の日米関係なのだ。

 だから、今度の事件も、日米安保条約、すなわち日米地位協定に指一本触れさせることなく、封印されてしまうだろう。

 この不条理を見事に解説してくれる本が、5月27日に発行される「日本はなぜ、『戦争ができる国』になったのか」(矢部宏冶著 集英社インターナル)という本だ。

 そのタイトルは、むしろ「日本はなぜ、『対米従属から抜け出せない国』になったのか」、というタイトルこそふさわしい内容の本だ。

 この本を読めばすべてに合点が行く。

 なぜ小泉元首相が米国にまで行って、日本の被爆者よりも先に、トモダチ作戦に派遣された元米兵に涙を流して謝罪したか。

 なぜオバマの広島訪問が謝罪ではなく日米同盟の強化のための訪問になるのか。

 なぜ今度の選挙で、共産党を含めた野党共闘は、安倍打倒を叫んでも、日米安保問題を棚上げするのか。

 なぜ少女暴行事件で盛り上がった普天間基地返還が、いつのまにか辺野古新基地建設にすり替えられて、強行される事になったのか。

 なぜ今度の沖縄女性の米軍属による殺害事件が起きても、それがケネディ大使に対する大衆抗議や、オバマの広島訪問ボイコットに発展しないのか。

 なぜメディアの報道ぶりがここまで抑制的なのか。

 すべてが理解できる。

 我々はそろそろ米国から自立すべき事に気づかなければいけない。

 真実を知れば、そのあまりの従属ぶりに怒りが彷彿する。

 大衆の怒りこそが政治を動かす。

 日本国民は真実を知って怒らなければいけない。

 その怒りで、政治を自分たちのものにしなければいけない。

 そういう天の声が、この本を世に送り出したと思えるほどタイミングのいい出版である。

 政府は黙殺しようとするだろう。

 この本を読んだ一人一人が思いを語り、議論をして、我々の手でベストセラーにしなければいけない(了)