妖怪大魔王・コバ法王日記

オートバイを分解して磨き、正確に組み立て独自理論でラインを探り、ストップウォッチと頭脳で感性を磨き、日々の想い語ります

ヤマハ主催レッスン、見学記

2019-06-30 21:28:48 | オートバイの練習は楽しい

先日の土曜日(6/29)、ヤマハさん主催の『大人のバイクレッスン』を見学してきた。
   
日焼け止めクリームを顔面に塗って行かなかった事を少し後悔しながら、当日に受けた印象やヒント、確信を、メモ書きを見ながら振り返ってみた。    
 
 
『 大人のバイクレッスン 』  
  
メーカー主催の講習活動して40年程の実績のあるヤマハさん。 今回、見学した『 大人のバイクレッスン 』は、免許取得者を対象に、基本的なライディングテクニックを見つめ直すのに最適なレッスンでした。  
 
二普協などが全国に開催しているレッスンイベントとの一番大きな違いは、基本的な事を参加者に合わせて、とても丁寧にキメ細かく伝える構成になっていて、他イベントで散見される常連参加者の「速くなりたい」的な雰囲気も無く、誰でも安心して参加できる内容だった事だ。     

   
速さレベルをタイム指数で表現すれば、他イベントが 13000 ~ 24000 だとすれば、今回見学したイベントは 18000 ~ 30000 。 しかし、そんな速さなんて関係無い事を 改めて思い知らせた フィールド体験になった。
 
 
 
 
『 フィールドワーク と NPO法人活動 』  

1991年以来、GRAとしてレッスンを始めとして数々のイベント開催を全国各地で行ない、また自分自身の競技者としての経験からも、数多くの情報や知識・体験を NPO法人活動を通じて発信し続けているが、やはり、フィールドワークの大切さを改めて認識させられた。  
   
フィールドワークとは、自ら企画して開催するイベントも含まれるが、現場へ脚を運び、その場の人達の声を聴き、行動を観る事を通じて世の動きを感じる事。  
   
オートバイ販売店へ脚を運び、レッスンイベントへ脚を運んでみると、誌面やWebサイトでは得られない体験や情報があふれている事を実感したからこそ、そこで得た知識や情報を加味して、それらを必要とする全国各地の人々へ届ける事こそ、NPO法人活動として行なうべき事だと確信した。 それを確信させる良い出会いとパワーが得られた半日だった。          
 
 
『 輝く軌跡を、多くの人に 』
   
レッスンで参加者の人達の受講風景を観て、一人ひとりのライディングの変化度、つまり、講師の方の言葉の響き方と、オートバイとの会話の進め方を観察していて、改めてライディングの基本を思い出させてもらえた。

     “ 速さが上手さの証明にならず、上手な人が速い訳ではない ”   
    
僕は、ライディングを観る時は、地上 1m以内、前後のタイヤの動きしか見ない。その範囲だけで、操作のほとんどが見えてくるし、オートバイのコンディションレベルが出ているからだ。
   
そして、簡単なセクションでの簡単な操作の基本練習の中、実際、上手な人の走りは輝いて見えていた。 アスファルトの上、タイヤが描く軌跡が輝き浮かび上がってくるのだ。
そこには、決して速さは無いけど、オートバイとの会話を通じて、スムーズさと美しさが尾を引くように輝いていた。そんな走りこそ、観ていて飽きないし、最も価値がある。 そんな美しさの大切さ、多くの人に伝えたいし、味わって欲しいものだ。       
 
 
『 僕の目標、GRAの使命 』
   
当日のメモの最後に書いた言葉は、「 インストラクターの指示を忠実に守り、回数を重ねて速く走れるようになっても、上手になっているとは言えない 」だ。  
   
実際、数多くの講習イベントで目の当りにしてきた光景だし、過去のGRAイベント参加者であっても同じ事が言える。オートバイが活き活きしていなくて、タイヤの軌跡がまぶしく輝いていないライディングが多過ぎる。
    
から、僕はオートバイと会話するライディングを広めたい。
それは、高い速度域で走る事でも、バンク角が深い領域でもなく、信号待ちで停車する時や狭い路地をゆっくり曲がる時にも感じられる、オートバイとの信頼感であり一体感を高められるライディングをだ。  
   
それを、実際に参加者を集めて行なうイベント以外、Webサイトを通じて、効果的に、全国各地のライダーへ発信を行なっていきたいと、今回の経験で改めて強く思った。
きっと、それは簡単な事でないだろう。
「 こういう時にはこういう操作を 」の様に、マニュアル本的な、頭でっかちで、オートバイの意思や事情、意見を聞かない、日本的教育そのまま、詰め込み型指導が大半を占める中、オートバイの声を聴き、オートバイから教えてもらう方法を広めようとしているのだから。  
   
でも、既に幾つかのアイデアやセクションも頭に浮かんでいる。
とても簡単なセクションだけど、ライディングスキルのレベルに関係なく、オートバイから 「 いいね!」とか 「 もうちょっと 」という声が聞こえてくる カリキュラムだ。 
ちょっとしたスペースがあれば、短時間でも、一人でも、確実に 楽しくオートバイと会話できてスキルアップも出来るカリキュラムを、GRAイベントで採用するし、Webサイトを通じて発信していくので、興味のある人は、是非、期待していて欲しい。
 
 
 
以上が、6/29、半日の見学で得た貴重な体験だ。
 
 


ヤマハ NIKEN 妄走記

2019-06-25 06:33:41 | オートバイのアレコレ

ある休日、街へぷらりと走りに出た。

ホンダ専門店は見学済みだったから、カワサキ専門店へ部品注文を兼ねて行って、ヤマハ専門店へ向かった。 すると、店頭に NIKEN 君 が展示してあった。
記事では色々と知ってたけど、現物を観るのは初めてだったから、勝手にその走りを妄想してみた。


『 こんにちは、NIKEN 君 』

僕がオートバイを見る時は、車体寸法、軸離、車重、トレール量(1G時)から性格を想像する事から始めて、車体の細部の造りから設計者の愛情レベルや触り易さを判定して、感情移入が出来る車両かどうかを見るけど、この NIKEN は別だ。

  「 NIKEN 君、君はどんな目的で誕生したのかな? 」  
  「 NIKEN 君、君は家族からどれだけ愛されてるのかな? 」
  「 君は人生を楽しめているのかい? 」


 
 
 
『 フロントタイヤは、15インチ 』


オートバイに限らず、タイヤで走る乗り物は、どれほどタイヤ性能を発揮させられるのか、そのフレームやサスペンションの作りによって決まる。
NIKEN 君は、120/70 R15 サイズの フロントタイヤ(2本)採用しているので、接地面積は確実に増えている筈だ。しかし、通常の 17インチサイズの 2倍にはならない。
ラフな計算では、左右合わせて 約 50% 増えているので、メーカー曰く、「 制動性能が向上 」の売り文句は、増えてしまった車重のネガを差し引いても、“ 制動感 ” は向上しているだろう。
   
しかし、本当の制動性能は 車体の制動安定性があって発揮できるモノで、残念ながら 15インチタイヤ 自体の方向安定性は低く、トレール量 の 74mmは 普通の 二輪だと失格レベルの数値だ。
きっと、そこに 前二輪システムの 秘密や苦労、苦心の跡があるだろう。
   
  
 
『 苦心の操舵システム 』

操舵システムの基本は、100年以上の歴史の自動車用操舵システムを踏襲して、それを二輪車、いや 三輪車用にアレンジするという、経費や期間、そしてコストの制約を踏まえた設計になっている。


    
15インチタイヤ 1本では確実に不足する方向安定性も、2本になって多少救われるが、バンク時や操舵時のジオメトリー設計次第では “顎” を出してしまう。
2本の前輪で、左右路面状況の違いがあっても安定性を失う訳にはいかないから、その点は間違いを起こさない様にオーソドックスな設計手法が採られているようだ。
   
先ず、キャンバー設定、外観から 2本の前輪には 1度程度の ポジティブキャンバーがつけられ、それに併せて トーイン角度もついているだろう。それで、左右のタイヤそれぞれで サイドスリップ量を 0 にしつつ、方向安定性を高める手法だ。
が、構造を見る限り、前輪のトーイン規制を行なうタイロッドには、四輪車の様なターンバックル形式の調整機構は無く、単純化されている。
   
トレッド幅の狭さからの省略か、販売店に サイドスリップテスターを備えさせるコスト計算などから省かれているのだろう。
特性を触って調整したい者からすれば、ちょっとモノ足りない点だ。
 

     
  
  
『 独特の旋回性 』

  
前輪2輪の回転中心軸の角度、キングピン角度を観て推測する限り、タイヤ接地中心の外側へ外れる ネガティブオフセット になっている様だ。ここが 4輪とは違って、ターン時に内側バンクする NIKEN には有利に働いていると推測できる。
   
タイヤの接地中心点とジオメトリー上の接地点との差・スクラブ半径の大きさが 旋回性 などの特性を左右するが、NIKEN 君の場合、バンク時にはタイヤもバンクして、接地中心点は ターン方向の内側に移動するから スクラブ半径も変化する。
しかし、ここが肝心な点、NIKEN 君の設定だと、バンク時の 左右の前輪の スクラブ 半径には違いが発生して、外側が大きくなり内側が小さくなるから、単純ジオメトリー観点から 外側タイヤの旋回性(力)が大きく作用する設計だ。
 

 
 
 
『 女の子、一人分の代償 』


普通の 二輪には無い キングピン角度をつけた為、フロントタイヤのジャッキアップ現象を防ぐためにも、通常の二輪の限界以下の キャスター角は 20度 とせざるを得ず、重量とコスト面から15インチタイヤの採用と相まって、トレール量が 74㎜ と 大変に小さくなってしまった。
それでも、小トレッドとは云え、安定性を高める ジオメトリー設定で 二輪ライダーの感覚に合わせて作り込んだ作品だと思う。
   
けれど、そのシステムの重量は 約 70㎏ (通常 2輪との差は 50+ ㎏か)、車両重量(整備重量)263 ㎏ というスペックから、NIKEN 君、僕の トラ君の フロントフェンダーの上に、女の子 が一人座っている様なものだ。
どう考えても フロントの軽快感は期待できないし、女の子なら 後に座っていて欲しいモノだ。
   
それに、コストと設計期間、スペース面で努力を重ねたフロント周りと較べると、ステム軸周りとそこから後方に伸びていくフレームの作りが微妙な雰囲気だ。
女の子 一人を前に乗せて、小さい靴(タイヤ)を上手に働かせて、フロント周りで大きな仕事・エネルギーをこなしているにしては、リア周りは不安な作りなのだ。


    
見れば、センタースタンドを標準装着していな車両で、リアタイヤ直前 の 車体下部には “ 補強用 ” フレームが走っている。
きっと、フロント周りを頑張って走らせると、頑張る程にフロント側に抵抗・ブレーキング現象が現れ、それを押す リアタイヤは “ 嫌気 ” が差すのだろうね。


   
『 未来への試金石 』

オートバイの未来は決して明るくない。
エンジン(ICE)は、四輪同様に、ハイブリッドから 電動へと確実に変わるが、変わるのが難しいのが 安全性 だ。
四輪自動車が、1970年代以降、シートベルト装備に始まり、耐衝突安全性の高い車体設計やエアバッグ室内全面装備など、安全性を各段に高めてきたのと較べ、二輪は 一事故当たりの死亡率は高いままだ。
オートバイは転倒する可能性の高い仕組みだからこそ、軽快な操縦性が生まれている、などと社会的な要求を無視し続ける事はできないからだ。
          
将来的には、誰が乗っても転倒せず、自動運転機能で危険回避性能を高めて、その安全性のアピールで各国の二輪免許制度を緩和させ、安全で環境特性にも優れた車両へと進化させる必要がある。
その為の研究結果であり、未来に向けての “ 試金石 ” が NIKEN 君の生い立ちなのだと思う。
他メーカーが、ショーモデルとか、研究車とか言って、市販さえしない事と較べれば、やっぱり、首脳陣の頭の柔らかさと先見性は評価したい。
次の機会は、テストチームの評価をもっと汲み上げた車両を、ヨロシク。



番外 『 MT-10 と MT-09 』
   
店内に MT-10 と MT-09 の両車 が展示してあったので、滅多に無い機会、じっくりと較べてみた。
MT-09 は 初対面ではなかったけど、MT-10 君とは初めてだった。

やっぱりと言うか、MT-10 君は、FZ-1 系の流れを汲んだ フレーム周りや ジオメトリー設計、しっかりとした 作り込みが見て取れて、差があり過ぎる程だ。
戦略的なコーポレイティッドカラー、イメージスタイリングカラーで、MT-07 とも 統一感を演出し てあるけど、並べて展示するのは 酷 に見えた。  


以上、試乗もせずの 妄走記 でした。
      
   


AI・自動運転に望むコト

2019-06-23 23:52:42 | 日記

今日は日曜日、
心肺機能の衰えが心配なので、
明石の友達を、自転車で訪ねた。

その帰り道、
神戸の中心地・三宮を通ると、
自転車専用道に車が停まってた。

子供の迎えか、
数にして 十数台、100m超え、
こうして撮影しても、素知らぬ顔。



AI・自動運転になったら、
交差点内、消火栓、バス停、
停められないように作りなさい。

AI・自動運転になっても、
信号無しの横断歩道では最徐行、
初心者、高齢者マークを煽らない。

そんなAI・自動運転でなくちゃ、
未来は殺伐とした世界になる。



あっ!
未来を考えるより、身体が心配だ。
心肺機能よりも、膝が痛い、心配だ。


 
 
 


『 セッティングの イ・ロ・ハ 』掲載の案内

2019-06-23 07:20:49 | 整備&セッティングの基本・妖怪講座

セッティングの基本的な考え方と進め方を、一つにまとめたページを、GRA公式Webサイトに掲載しました。
すべてのオートバイで共通するセッティング理論の基本を、分かりやすくまとめてますので、是非 ご覧ください。
 


【 セッティング の イ・ロ・ハ 】
http://gra-npo.org/lecture/bike/ABC%20of%20setting/ABC%20of%20setting_1.html


※ 内容は、2015年にブログ掲載した内容をもとに改修したものです
 
 
 


セッティング関連記事、掲載の予定

2019-06-22 23:05:33 | 整備&セッティングの基本・妖怪講座

GRAでは、セッティングに関する正確な知識と情報を、これからも発信し続けますので ご期待下さい。

また、セッティングで困っている事や分からない事がありましたら、掲載する記事の中で取り上げて、解決への知識やヒントを発信する事も可能ですから、困っている人は是非 ご連絡下さい。

なお、主な記事掲載予定は 以下のサイトで発表しています。

【 セッティング関連記事の掲載予定 】
http://gra-kikaku.hatenablog.com/entry/2019/06/22/223314


( 最適、リアサスペンション ユニット の 検討 ) より