1月30日 共同ニュースより
乾燥したタイプと湿ったタイプの2つがある人の耳あか。どちらのタイプになるかは、遺伝情報を担うDNAの塩基配列の、たった1カ所の違いで決まることを新川詔夫長崎大教授(分子医療)らが明らかにし、29日付の米科学誌ネイチャージェネティクス電子版に発表した。
実は、耳あかは本来湿っているもので、乾燥したタイプは耳あかではなく、単に皮膚がはがれたもの。乾燥タイプの人は耳あかが出ない“突然変異”で、日本人は約8割がこのタイプだという。
新川教授らは、日本人126人の塩基配列を調べた。その結果、ある1カ所の塩基が変異した遺伝子を両親双方から受け継いだ人は「ABCC11」というタンパク質が合成されず、耳あかが出ないことを突き止めた。
さらに、世界の33民族、計約3200人について調べたところ、耳あかの出ない人は日本を含む北東アジアに多く、南方や欧米、アフリカに行くにしたがい徐々に減ることも判明した。
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なるほど、面白い結果になりました。1塩基置換の結果、耳垢が出来たり出来なかったりするのは面白いです。将来高校の教科書に載るんじゃないのかな。ちなみに僕もご多分に漏れず「乾燥耳垢タイプ」です。
このようなSNPは体のもっといろいろなことに関わっている。それを個体差まで調べ、それと薬効との関係を明らかにし、個人向けの薬を作ろうというのが「オーダーメード医療」。なかなか難しいようですが、研究は少しずつ進んでいるようです。またそのSNPの違いから特定の病気へのなりやすさを判定することも可能となります。その場合、その個人情報の管理が問題となります。遺伝子的にある病気になりやすいことがわかって保険に入れないということもアメリカではおきているようです。またその人の性格も決まってしまうとかいう意見も。
個人的には「遺伝子配列で全てが決まる」という考え方には疑問を持っています。家庭環境や食生活などの環境要因をはじめとする複合要因でその人の人生は決まるはずです。そんなACGTの記号に人生を決められてはたまりません。分子生物学的に言えば、遺伝子配列がこうだからといって、それにより発現するタンパク質が決まってもそれ以降の修飾を受けなければ機能を発揮しないのがほとんどです。もっとも最近の研究では「ごみ」といわれていたゲノムの塩基配列から生産されるRNAが発現調節などで大きな役割を果たしていることも知られて、それらのRNAが生命をコントロールしているのではないかという意見もあります。まだまだ細胞の中で何が起こっているのか、わからないことがいっぱいなのです。
乾燥したタイプと湿ったタイプの2つがある人の耳あか。どちらのタイプになるかは、遺伝情報を担うDNAの塩基配列の、たった1カ所の違いで決まることを新川詔夫長崎大教授(分子医療)らが明らかにし、29日付の米科学誌ネイチャージェネティクス電子版に発表した。
実は、耳あかは本来湿っているもので、乾燥したタイプは耳あかではなく、単に皮膚がはがれたもの。乾燥タイプの人は耳あかが出ない“突然変異”で、日本人は約8割がこのタイプだという。
新川教授らは、日本人126人の塩基配列を調べた。その結果、ある1カ所の塩基が変異した遺伝子を両親双方から受け継いだ人は「ABCC11」というタンパク質が合成されず、耳あかが出ないことを突き止めた。
さらに、世界の33民族、計約3200人について調べたところ、耳あかの出ない人は日本を含む北東アジアに多く、南方や欧米、アフリカに行くにしたがい徐々に減ることも判明した。
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なるほど、面白い結果になりました。1塩基置換の結果、耳垢が出来たり出来なかったりするのは面白いです。将来高校の教科書に載るんじゃないのかな。ちなみに僕もご多分に漏れず「乾燥耳垢タイプ」です。
このようなSNPは体のもっといろいろなことに関わっている。それを個体差まで調べ、それと薬効との関係を明らかにし、個人向けの薬を作ろうというのが「オーダーメード医療」。なかなか難しいようですが、研究は少しずつ進んでいるようです。またそのSNPの違いから特定の病気へのなりやすさを判定することも可能となります。その場合、その個人情報の管理が問題となります。遺伝子的にある病気になりやすいことがわかって保険に入れないということもアメリカではおきているようです。またその人の性格も決まってしまうとかいう意見も。
個人的には「遺伝子配列で全てが決まる」という考え方には疑問を持っています。家庭環境や食生活などの環境要因をはじめとする複合要因でその人の人生は決まるはずです。そんなACGTの記号に人生を決められてはたまりません。分子生物学的に言えば、遺伝子配列がこうだからといって、それにより発現するタンパク質が決まってもそれ以降の修飾を受けなければ機能を発揮しないのがほとんどです。もっとも最近の研究では「ごみ」といわれていたゲノムの塩基配列から生産されるRNAが発現調節などで大きな役割を果たしていることも知られて、それらのRNAが生命をコントロールしているのではないかという意見もあります。まだまだ細胞の中で何が起こっているのか、わからないことがいっぱいなのです。