南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

「消えた年金」問題?

2007-05-31 21:11:38 | Weblog

5000万件もの年金記録が消えてしまった・・などと聞くと穏やかではない。
いったい何が起こったのか?

日本の年金制度は社会保険方式、給付を受けるためには保険料の納付が必要である。
当然ながら、保険料を払わなければもらえないのである。
年金額の計算は、個人個人の保険料納付記録に基づいて行われる。
問題は、この納付記録の不備にある。
原因は大きく分けてふたつある。

ひとつは「オンラインシステム導入」時の不備。
昔はサラリーマンが加入している厚生年金は事業主が徴収し社会保険業務センターが管理、国民年金は市町村が徴収し社会保険事務所が管理した。
コンピュータが普及していない時代のことだから大変な事務作業であったろう。
昭和54年度から電算化を進め、全国の社会保険事務所と社会保険業務センターを結ぶオンラインシステムを順次導入し、平成元年にシステム全体が完成した。
この移管作業の不備がまずひとつ。

つぎは「基礎年金番号導入」時の不備。
従来はサラリーマンの厚生年金、公務員の共済組合、自営業者の国民年金制度に分かれていた。
昭和60年の年金制度改革により、全ての人を対象とした基礎年金を支給する制度に改正される。
これにより全国共通の基礎年金(1階部分)が誕生する。
厚生年金や共済年金は、その上乗せとして報酬比例(2階部分)の年金を支給する制度に再編成される。
しかし、職業の変更などによる複数の年金記録をもつ人の記録確認に手間取るという問題が発生する。
このような問題解消を図るために平成9年1月から、各年金制度共通の基礎年金番号を導入した。
基礎年金番号導入に当たって、平成8年12月以前に加入していた複数の年金手帳を持つ人についてはその記録の統合処理を進めていった。
この統合処理の不備がふたつめの原因である。

「消えた年金」問題に関わるかもしれないのはどんな人たちか。
平成8年12月以前に転職を繰り返していた人、改姓をされた人、心配な人は社会保険事務所に年金手帳を持っていけば親切丁寧に教えてくれるはず。
ほとんどの現役サラリーマンは大丈夫だと思うが、心配な方はぜひチェックを。
払ったはずなのに認められない・・・認めてもらうためには領収書などの証拠を・・・責任回避の対応が事態を複雑にさせたきらいがある。


死ぬことは生きるということ

2007-05-30 12:45:02 | 政治

人の死だから厳粛に受け止めねばならない。
誰しもが一度だけは必ず経験する死。
二度はないから真剣に考える時期が誰にもある。
葉隠」に、あまりに有名な言葉がある。
“武士道と云ふは死ぬことと見つけたり”
決して死を美化した言葉ではない。
むしろどんな生き方をするかが大切なのであり、その結果として死ぬことの意味がある・・・ということだと私なりに解釈している。
いい死に方かどうかは、いい生き方をしたかどうかによって決まる。

松岡農水相の死は痛ましいが、政治を冒涜している。
謎は謎を呼び国民から、また政治を遠ざけてしまった。

日経新聞コラムに前世界銀行副総裁の西水美恵子さんがこんな記事を書いていた。

・・今年、日本との国交樹立20周年を祝うブータンは、2008年の国民投票で憲法を成立させようとしている。
その1条に「国王は65歳にて退位とする」との国王直筆の1文があり、国民は「永遠に玉座にとさえ祈るのに」と猛反対だったという。
議論伯仲の中、昨年12月、国王は突然「2008年に皇太子が国王として即位する」と発表。
65歳どころか52歳で退位する決心をあきらかにした。

ブータンは「国民総幸福量」と呼ばれる公共哲学を国造りに実践して、長い。
ブータンの国家指導者たちは言う。

『政治とは、国民の幸福追求を可能にすること。
全ての政策は、幸せへの公共的障害を取り除くためにある。
幸福は全体論だから、行政は民の視点から横割りに。
不幸せな民は国家を不安定にする。
だから、国民の幸せは国家安全保障の基礎だ』・・・

なんと世界にはすばらしいリーダーたちがいることか。
涙が出るほど羨ましい。


ガリレオの望遠鏡

2007-05-29 21:38:37 | 読書

1610年、ガリレオは自作の望遠鏡を24人の大学教授を招いて披露した。
まず彼らに望遠鏡で地上の様子を見てもらった。
すると彼らは、山や森や建築物などはるか遠くにあるものがドーンと目の前に映し出されてビックリ仰天した。
ガリレオはみんなから大称賛を浴びた。

次にガリレオは望遠鏡で天体を見せた。
すると、ボンヤリとした光る点にすぎなかった夜空の星々が拡大され、月のクレーターまでもが見えた。
これを見た教授たちは口々にこう言った。
「こんなのはデタラメだ!」とブーイングの嵐。

なぜ、こんな反応が返ってきたのか。
当時、天上界は完全な法則に支配された完璧な世界だと信じられていた。
だから月に凸凹(クレーター)など、あるはずがないのである。
望遠鏡の客観的な性能よりも、自分の頭の中にある主観的な思い込みのほうが強い証拠である。

常に常識は仮説にすぎない・・・この本のテーマである。
竹内薫 著「99.9%は仮説」。
読み終わった私の固い頭も少し柔らかくなった・・・ような気がした。


春闘の結末

2007-05-28 15:31:49 | ユニオン

思い出せるだろうか、今年の春季生活闘争方針を。
連合静岡では本部や産別方針を参考にして1月、こんな取組方針を提案した。

【賃上げ目安額 7,300円以上(定昇相当額4,800円+賃金改善分2,500円)】

結果はどうであったか。
この検証は難しい。
どこの何をもって検証するかで悩む。

JC大手35組合の賃金改善額は984円。
JC中堅・中小134組合の賃金改善額は882円。
連合本部が集計した3月30日時点の賃金改善額は369円。
同じく連合本部の4月26日時点の賃金改善額は230円。

連合静岡中小委員会調査3月31日時点の賃金改善額は59円。
静岡県労働政策室調査5月21日時点の賃金改善額は81円。
一見すると静岡の賃金改善額の低さにびっくりするが、ベースとなる定昇額を見なくてはならない。
連合本部の230円割り出しの根拠は、前年妥結額4,259円に対し本年妥結額4,489円。
連合静岡の59円割り出しの根拠は、前年妥結額5,250円に対し本年妥結額5,309円。

賃金論を戦わせるときは、平均や前年比較だけでは空理空論、意味がない。
いつも述べるように個別賃金をしっかりとつかみ、相対的に、現実的に納得性のある賃金論が必要である。
そのためには一人でも多くの労働者賃金を集計し、個別賃金の分布地図を作らねばならない。
そのうえで賃金論を戦わせたい。


逃げられない現実

2007-05-27 21:03:01 | Weblog

撮りだめしてあったTV番組を見る。
24日放送のクローズアップ現代「環境革命をめざせ」に目を引かれる。
国連の中にある政府間パネル(IPCC)から出されたレポートや報告書には、『人間活動によって今、地球全体の温暖化が起きていることは、どうも疑う余地がないのでは』と書かれている。

昨日から黄砂がひどい。
今日は北九州市の小学校で運動会が中止になったほどである。
家でも午前中から真夏のような暑さにガラス戸を開け放っておいたら、部屋中が砂でザラザラになってしまった。
中国にはいろんな問題があるが、だからといって日本が引越しするわけにもいかない。
空にも海にも国境がない。
ただ1国だけ環境汚染や環境破壊から逃げることはできない。
「みんなで破滅の道を歩むのか、みんなで生き残るのかの、どちらかひとつである」とクローズアップ現代のゲスト「レスター・ブラウン博士」は述べていた。

言うは易し、行なうは難し・・・環境問題とエネルギー問題はコインの裏表である。
せめて自分の出来ることをやろう!と3時からの民主党参議院選選対会議に愛車MTB“秀吉号”で行こうかと考えた。
(・・・が、黄砂で病気にでもなったら・・・果たして行き着けるか・・・)
とりあえず今日は車で行った。

しかし真面目な話し、地球の限界点に確実に近づいている。
果たしてあと何年の猶予期間が残されているのだろうか。


初物はいつもワクワク

2007-05-26 19:31:19 | Weblog

これからの環境を考えると「エコライフだ」と、酔った拍子に「折畳み自転車」のインターネットオークションで遊ぶ。
1円から始まるオークション、なかなかに面白い。
入札しては飲み、再入札しては飲み、合間に本を読み、テレビを見、最高入札額にならぬよう遊んでいた。
1件目は時間終了し、当然ながら落札はしなかった。
要領がわかってふたつめのオークションに参加する。
同じような「折畳みMTB」だ。
入札しては飲み、再入札しては飲み、これまた最高入札額にならぬよう遊んでいた。
制限時間3時間前になり眠気が指してきたのでとりあえず(これなら大丈夫)という中途半端な金額で再入札をして眠りについた。
朝、起きてチェックすると落札していた・・・・。

昨夜帰宅したら玄関に大きなダンボール箱、落札したMTBである。
5時起床し早速組み立てた。
派手なMTB!、誰もいない早朝にさっそうとメタボおじさんは走った。
初めての体験はいつもワクワクする。

用宗のKさんから「シラス漁船が出港したよ」との連絡入る。
とれたての生シラスが安く買えるとの情報。
船が戻ってくる10時ごろを見計らって買いに行く。
たくさんのお客さんで直売所は大賑わいだった。
船から卸したての生シラス、初めての直売所にワクワク。

昼食は、旨いと評判の小さなレストラン「コックさん」に女房と行ってみる。
店内は女性のお客さんが多い、これは期待できそうだぞ。
「煮込みハンバーグ」を注文、期待通りであった。
初めてのお店はいつもワクワクする。

夜、MTBで痛むお尻を慰めてくれたのは、用宗の生シラスと自家栽培の初ジャガ塩茹で。
今日のワクワクが3乗にも4乗にもなりハッピーな1日。

ありがとう。


参議院残酷区比例選挙

2007-05-25 23:23:07 | 政治

政党名を書いてもいいし、候補者名でもいい。
昔の全国区のようでもあり、それ以上に複雑で厳しい選挙制度。
6年前の参議院選挙では、投票結果をみて腰を抜かした。
在住組合員の20%程度しか推薦候補者名の投票がなかった。
獲得票高位者から当選が決定、結局落選してしまった。

3年前の参議院選挙では、立場が単組委員長から産別・県委員長に変わっての選挙。
何が出来るかと悩んだ挙句、前回の雪辱戦とばかりに県下全域に散らばる構成単組委員長宅とOB会幹部宅のオルグ。
土日をつぶし3ヶ月かけてなんとか終了。
選挙区候補者とセットで県内横断の決起集会にもトライ。
へとへとになるまで頑張ったつもりだが、ようやく組合員の50%。

今日は連合静岡「第2回参議院比例区選挙対策会議」、行うにあたり前回選資料を取り出してみた。
終了後の反省項目メモに、『往復の伝言ゲームに工夫せよ』とあった。
『なぜ100%を達成できないのか?
①呼びかけがなかった
②呼びかけが弱かった
③呼びかけ方が悪かった
④線が切れていた
その、いずれかである。』
こう書かれてあった。

会議では100%以上の得票を得た産別の経験談などを聞いて勉強させていただいた。
各選対の県内獲得目標数も発表しあった。
いずれにしても過酷な選挙である。
結果は市町村ごとに1票も漏らさず表れる。
候補者にとっても支援組織にとっても「残酷区比例選挙」だ。

さあ、今年の結果はどうであろうか。


「規制改革会議」斬るべし

2007-05-24 18:27:41 | ユニオン

5月21日に公表された規制改革会議報告を見てびっくりした。
ここまで喧嘩を売られて買わない手はない。
ぜひ全文を読んで欲しい。
かいつまんで腹立たしいところだけでも紹介してみよう。

「労働者保護の色彩が強い現在の労働法制は、逆に、企業の正規雇用を敬遠させ、派遣・請負等非正規雇用の増大、さらには、より保護の弱い非正規社員、なかでもパート労働者等の雇用の増大につながっている」
・・・正社員は解雇できないから正規雇用できない?なんといおうか、どうしようもない勝手な理屈・・・

「労働者の権利を強めれば、その労働者の保護が図られるという考え方は誤っている。不用意に最低賃金を引き上げることは、その賃金に見合う生産性を発揮できない労働者の失業をもたらし、そのような人々の生活をかえって困窮させることにつながる」
・・・生活保護以下の最低賃金、そのままにしておけばどんどん社会保障費の増大を招く、企業は生き残っても国が亡びる・・・

「過度に女性労働者の権利を強化すると、かえって最初から雇用を手控える結果となる」
・・・本音が出始めた・・・

「一定期間派遣労働を継続したら雇用の申し込みを使用者に義務付けることは、正規雇用を増やすどころか、派遣労働者の期限前の派遣取り止めを誘発し、派遣労働者の地位を危うくする」
・・・こうして派遣社員の雇止めが増えることで脅しをかけて、派遣期間の制限撤廃を狙う・・・

「司法判断の集積たる判例が立法に当たって尊重されなければならないとする考え方は、日本国憲法の想定する三権分立の趣旨に反するものである」
・・・解説を必要とするが、言わんとするところは労使紛争に関する判例への否定であり、経団連の意にそぐわない法は法で無し・・・

さらに具体的な課題として、①解雇権の強化②派遣労働の全面解禁③労働政策立案への労働者団体の排除、なども挙げている。

これに対して連合本部古賀事務局長は反対談話を発表しているが、まだまだ生ぬるい。
民主党とも連携して、断固斬るべし!
政治嫌いの労働組合も、御用組合と呼ばれる労働組合も、今度こそは立ち上がって欲しい!


「愛すべき孤高の人々」

2007-05-23 22:42:26 | ユニオン

昨夜は単組の委員長でもある地協役員らと楽しく語らった。
今夜は労金や労福協の役員と白熱した議論を交わした。
いずこのトップも孤独であり、悩みも深い。

私も単組委員長時代が長かったこともあり、何度も孤独感にさいなまれた。
女房にも、心許した友人にも、悩みを打ち明けることはできなかった。
なぜトップは孤独なのか。

私自身のことを言えば、ひとつにはトップとしての自信がなかったからかも知れない。
マキャベリは「君主論」の中でリーダーシップのスタイルを、ハンニバルとスキピオという対照的な二人の将軍を例にあげて、こう説いた。
人に寛大なスキピオは兵士の勝手気ままを許し、軍隊を弱くして敗れた。
非人道的で残酷なハンニバルの軍は兵の乱れもなく指揮官への反抗もなく常勝の軍隊であった。
トップとして一番優れているのは「自分に厳格に、部下にも厳格に」であろう。
しかしトップも人間、失敗もあれば過ちもある。
だから大抵は「自分に寛大、部下にも寛大」になってしまう。
それではスキピオになってしまうとの思いから多くのリーダーは「自分に厳格」をモットーとする。
しかしマキャベリに言わせればトップ失格である。
マキャベリは「自分に寛大、部下には厳格に」である。

ハンニバルになりきれないトップは私と同様、孤独感にさいなまれる。
せめてそんな「孤高の人々」が集う梁山泊をつくりたいね、と話したら、その昔、労金の各支店はその役割を担うためにつくられたんだ、との話になった。
政治的圧力に負けたことや、運動の継承が弱かったツケが現在に回っている。 
今からでも遅くない、トップの端くれとして少々頼りないが、口だけではなく大いに汗をかこう、と・・・思った。


きな臭さを増すロシア

2007-05-22 14:30:55 | 政治

06年8月のブログ「うやむやに?」では、北海道の漁船銃撃事件について書いた。
06年9月には「資源争奪戦」で、天然ガス開発プロジェクトについて触れた。
以降もロシアの動きが自由世界に波紋を呼んでいる。

1941年、日本とソ連(現・ロシア)は「日ソ中立条約」を結んだ。
いわゆる相互不可侵条約である。
しかし日本の敗戦色が強まってきた1945年8月8日深夜、ソ連は日本に対して突如宣戦を布告する。
一気に南樺太・千島列島、そして満州国へ侵攻し攻め取る。
ソ連軍はポツダム宣言を無視して、70万とも100万人ともいわれる日本人をシベリアに移送し捕虜収容所に閉じ込め過酷な労働を強いた。
この記憶は日本人にとってソ連(ロシア)に対する根強い不信感を植え付けた。

現在、ロシアになにかが起こっている。
ソ連崩壊後の低迷期を脱却したロシアは、原油高の追い風を受け経済建設の進展と共に「大国の地位復活」を狙っている。
軍事的にも欧米が「テロ支援国家」として経済制裁を科す国々に対して、核開発や武器輸出などで協力体制を結び始めた。
北朝鮮、イラン、ミャンマーなどがそれであり、隠されていた事実が表面化しつつある。

今朝の日経新聞コラム「地球回覧」では、ロシアについてこう書かれてあった。
『ただ、知識や法秩序もないまま入り込んだ西側の資本主義が拝金主義や汚職、貧富の差を招いている。
産業の国家管理強化、反政府デモ粉砕、政権によるマスコミ支配・・・。
ロシアはどこに向かうのか。
「独裁者は一度手に入れた権力を手放すことを受け入れないことは歴史が示している。」・・・』

中日新聞の社説大見出しは『「新冷戦」を憂慮する』であった。
気になる大国ロシア、またまた目が離せない。

いよいよアメリカ1国のみでは自由主義体制を守れないところまで来てしまった。
世界でただ1カ国の被爆国「日本」、軍事によらない平和の道を描けないものだろうか。