ペットボトル入りのボジョレー・ヌーボーが発売されました。
なんと1000円を切る価格に驚きましたが、次いで800円台、そして700円台のボジョレーまでもがで売り出されました。
個人的には安く飲めるからありがたいと思う反面、胸の内で苦々しく思う部分がありました。
そのうっ憤をフランスの統制委員会が晴らしてくれました。
「ボジョレーの名にペットボトルは似合わない。伝統やイメージを壊す」という理由で、来年から“ボジョレー”を名乗れなくなりそうです。
ペットボトル入りのワインはこれまでも販売されておりましたが、どちらかといえば料理用ワインですからあまり美味くはありません。
ペットボジョレーはまだ試してはいませんが、やはりワインは瓶詰めでコルク栓だからこそ価値があります。
スクリュー栓も増えてきましたがあれも邪道、なにか日本人が価格破壊のために外国の文化を壊しているような嫌な感じがするものでした。
なんでも安ければいいというものではありません。
ユニクロ系列の900円ジーパンもとんでもない代物で、ジーパンの名前を汚すものとしか思えません。
ひたすら安さを追求していくと、その影には貧困と搾取がつきまといます。
ジーパンの発祥の地はアメリカですが、アメリカには統制委員会など無いでしょうから、ホンモノ(?)をつくっている生産者が可哀想ですね。
もっとも今時のジーパンはアメリカ本土では1本もつくられていないでしょうが・・・。
ずいぶん昔の話です。
高校入学記念に腕時計をプレゼントされました。
セイコー社の自動巻き時計で嬉しくて嬉しくてたまりませんでした。
結納で彼女には指輪を贈りましたが、指輪嫌いの私には結納返しに腕時計が贈られてきました。
ゴールド色のクォーツ式薄型時計でした。
指輪代わりに大切に使いましたが、いつしかふたつの大切な腕時計も見えなくなってしまいました。
大量に出回り始めた格安時計に居場所を奪われてしまったからです。
後悔先に立たず、せめてもの反抗とばかりに今はクラシカルな手巻き時計を愛用しています。
生産者が丹精込めてつくりあげたモノには愛情と誇りが詰め込まれています。
それだけのモノには、それなりの価格があるはずです。
安きに流されず、伝統や文化を大切にする、アナログ的生き方もいいものですよ。