南町の独り言

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財政の崖

2012-10-10 17:15:14 | 経済
48年ぶりに日本で開催されている「IMF(国際通貨基金)総会」で東京はにぎわっている模様です。
各国ともリーマン危機を銀行救済と財政出動で乗り切った反動から、莫大な政府の借金が積みあがっています。
欧州債務危機もそうですし、米国の「財政の崖」問題も同様です。
日本でも消費税引き上げ問題で揺れているように、どの国も財政再建は急務です。
しかし、急ぎすぎると景気を下押しするので非常に難しい局面でもあります。

昨日の講演でも話題に出ました米国の「財政の崖」とはなんでしょうか?
オバマの前の大統領は共和党のブッシュ(小ブッシュ)大統領でしたが、小ブッシュは2001年、2003年の2度にわたって大型減税プログラムを発動しました。
累進課税の最高税率引き下げや、投資所得課税の引き下げ、遺産税の撤廃など、主に富裕層を対象とした減税政策でした。
小ブッシュに代わって大統領に就任した民主党オバマは、2010年末に期限を迎えるブッシュ減税を2年間延長して2012年末までとしました。
年末以降にブッシュ減税の失効や、財政削減による強制的な政府歳出削減が集中すると、米国経済が崖から落ちてしまうかもしれない、という危機感が「財政の崖」問題です。

4年に一度行われる米国大統領選挙が4週間後の11月6日に迫っています。
共和党のロムニー候補は富裕層狙い撃ちの増税に反対の立場であり、徹底した歳出削減を訴えています。
オバマ悲願の医療保険改革(国民皆保険制度)についても共和党は批判的であり、共和党系26州の知事は「個人の選択の自由を侵害する」として訴訟をおこしているほどです。
この保険改革によっても富裕層は増税を余儀なくされておりましたから、米国の共和党と民主党の違いは実に明らかです。

日本では米倉経団連が野党安倍自民党に寄り添う姿を露骨に見せておりますが、民主党は勤労者寄りであることを政策面でももっと明らかにすべきですね。
二兎を追うものは一兎をも得ず、とはよく言ったものです。

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