稽古なる人生

人生は稽古、そのひとり言的な空間

道場での座る順番について

2019年12月29日 | 剣道・剣術
この文中の用語説明:
上座(道場の位置としての上座)
上(かみ)は、同じ列の上座、下(しも)は同じ列の下座

1例:長正館
長い間、高段者が固定化していて決まりは無かった。(と思う)
私が五段の頃、若手のN村さんが先に六段に受かった。
いつもの通りN村さんの上に座っていたら「そっちに座られるんですか?」と言われ下に下りた。
しばらくして同じ六段になっても順番はそのままで私が下に座っていた。
私のほうが先に七段となり「すみませんが上に座らせてもらいますよ」と断り上に座った。

2例:宝剣会
七段以上は先生だということで上座に座るのが決まりだった。
私が七段に受かった時に「まだ教士では無いから」という理由で下座のまま。
教士に受かったら「まだ若いから」という理由で下座のまま。
全員いっしょに年を取る。きっとこのまま変わらないと思う。

3例:なんば養正会
私より若い七段が入会してきた。
20年以上も在籍している会なので、道場では私が先輩だし年上だし、いつも通りに上に座る。
師範から「八段を受けている七段が上だ」と言われ下に座り直す。

4例:往馬玄武会
上座(先生の席)は無い。同じ一列での上・下(かみ・しも)のみ。
段位や在籍に関係なく年上が上に座る。出稽古の人も同じ扱い。

5例:木曜会
私は古参だが七段を取ったばかり。そこに私より若いベテラン七段が入会する。
師範は迷わず、即座に若いベテラン七段を上に決めた。

----------------------------------------

考察

道場の席順は実に悩ましいもので、
段位、称号、年齢、その道場での在籍年数、段位に関係なく実際の強さ、
道場への貢献度、師範との関係、剣道界での地位などが微妙に複雑に絡み合い、
お互いがあれこれ忖度しながら自分の位置を決める場合が多い。

特に段位や称号は、その合格した年までは把握出来ない場合が多く、
だからと言って、お互いが確認しあって位置関係を決めるものでも無い。
お互いに気を使い過ぎるのもおかしいし、変に気まずくなってもつまらない。

1例のように、段位が抜きつ抜かれつする場合が一番難しいと思う。
同じ段になったら、若手のほうが「どうぞどうぞ」と譲り、
年上のほうが「いえいえこのままで構わない」と遠慮するのが良いと思うが、
気まずい気持ちもあるので年上のほうが上に座ったほうが道場としては落ち着く。

まあそれにしても決まらない場合や、妙に気まずい雰囲気になった場合は、
第5例のように、師範が順番を決めてしまうのが、全員一番すっきり納得すると思う。
新しい人が来たら、その時その場で即決するのが望ましい。

個人的には、細かい順番など、どうでも良いのだと思う。
稽古の中では下に座っていた人を上に立ってもらって稽古をお願いしたりもする。
順番がどうであれ誰にも劣らない気位のある立派な剣道をすれば良いだけだ。


(2017年7月、長正館での集合写真、記事とは関係ありません)

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« なんば養正稽古納め・チャン... | トップ | 件名「アカウントとオファー... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

剣道・剣術」カテゴリの最新記事