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遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

夢枕獏

2018-02-11 08:23:37 | 本と雑誌
沙門空海唐の国にて鬼と宴す
映画館で予告をやってたので見るかどうかはさておいて見る前に読む主義者は読まずんばあるべからず、とソニーでダウンして一気呵成に読了、いや面白かった、ページ数はドストエフスキーの「悪霊」(これについてはまたいずれ)とほぼ同じなんだが2倍速いや4倍速ぐらいで読んじゃったのじゃあるまいか、いやあっちが面白くないというわけじゃない、というか最初は何が起きてるのかよくわからない、いささか冗長な進行にちょっとイラつかされる、でも読み進むうちにどんどん引き込まれ4冊め(ソニーでは1-4合巻)に至ってストーリーが一気に急展開・・・って構成はわりと似てるのである、だが文章が全く違う、ドスさんの文章というか登場人物のセリフはメッチャ乱れてるらしいのだ、翻訳読んでる人間には全然わからんけど亀山の解説によればそういうこと、読者は「こいつらいったい何言ってんだよ?」と戸惑うばかり、夢枕さんの文章はとにかく読みやすいうえに下半分空白のページが多い(ドスさんはしばしば下まで真っ黒)、同じページ数と言っても文字数はかなり違うのである

空海が唐にいたのは2年だけ、その間に皇帝が2回変わってる、別に前の皇帝は高齢だったし次の皇帝は脳卒中の後遺症で動作も言葉も不自由だった、さして不思議でもないことだがこれが夢枕さんにかかるととんだ陰謀の結果になっちゃうのである、だが
ご本人も書き始めた時はまさかこれが約50年前に起きた安史の乱に端を発してたなんて思いもよらなかったとのこと、へえさういうものなんだ

ところでこれ榎木津の兄ちゃん演じる阿倍仲麻呂がカバーになってるね、いったいどんな映像化したんだ、何となく悪い予感なくもないな

2/12追記-というのも仲麻呂は書簡の形で空海その他9世紀初頭の登場人物(ほとんど実在)に情報を提供してくれる重要なヒトではあるがとっくに亡くなってて現在の主人公たちと直接のかかわりは持たない、それに彼は安史の乱のウラ事情(さういうものがあるのだ)を全く知らない、それを(これまた書簡で)教えてくれるもう一人のキャラは楊貴妃を殺した高力士で、空海が9世紀の主人公ならこのヒトは8世紀の主人公とも言うべき重要人物なのだ、安部ちゃんがやるとしたらこっちだろう・・・ってそらムリよな、宦官だもん、はて宦官をやれる役者さんって今の世の中にいるのかね、さう言えば「カストラート」って映画あったよな

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