川天使空間

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大林くんへの手紙 せいのあつこ著 PHP研究所

2017年03月29日 05時45分31秒 | 創作・本の紹介
せいのあつこさまの2冊目のご本が出版された。
「季節風」で読んでいた作品だけれど、ずずんと深くなっていて。

六年生の五十嵐文香は、読書感想文が苦手だ。
思ったままの感想文では評価されない。
ウソの文章、ポジティブな文章を書かなければならないから。

大林仁志くんはしばらく前から学校に来ていない。
立ち入り禁止の屋上に勝手に入った何人かが担任に怒られ、反省文を書かされた。
でも大林くんだけは反省文を書かず、以来不登校している。

担任の笑子先生の誘導で、クラス全員が大林くんに手紙を書くことになった。
文香は大林くんをよく知らないので、手紙なんか書けない。
感想文のようにウソの手紙を書いたけれど、大林くんの家に届けたとき、
ふと見たみんなの手紙は、ちゃんと大林くんに話しかける手紙だった。

…ウソの手紙がこんなにはずかしいなんて思わなかった。
 みんな、ちゃんと書いているのに、わたしだけ、こんな。

…手紙を書き直そうと思った。書き直したかった。

友だちの卯沙、凜とした宮子、大林くんの友だちの中谷くん。
それぞれの体温まで伝わってくるような、透きとおった文章。
読む人の心を、すうっと吸いよせる。

読み終えて、もっと読みたいと思った。
気持ちがいいのだもの。
もっともっと、もっと読みたいと思った。

せいのさま、もっともっと、読ませてくださいね!

なんだろう、これが文学なんだよなと、うれしくなってしまった。
さあ、書き直しだ。
今夜は夜間診療所当番。
今日もびよよよ〜〜ん (*^ __ ^*)
コメント (3)
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