3大テノールと言えばルチアーノ・パヴァロッティ、プラシド・ドミンゴとホセ・カレーラスですね。誰であったかは認識しておりませんが、3大カウンターテナーというCDアルバムがあったことは覚えています。ソプラノに関しては対象が何人も居過ぎて3人に絞り切れないのでしょうね。アルトやバリトン、バスもまた3大〇〇という言い方は殆ど聞かないと思います。
パヴァロッティが亡くなって、ドミンゴはバリトンのキャストを歌うようになり、カレーラスは奇跡の復活を遂げたとはいえ白血病の前の声は蘇ってはいないのでしょうか。まだ声楽レッスンを受けるようになる以前、それでも3大テノールの共演のCDを購入して聞いてみました。当初は3人の声を全く聞き分けられませんでしたが、繰り返し聞いているうちに今ではブラインドで聞かされても、パヴァロッティとドミンゴとカレーラスの声は聞き分けられますね。歌い方の癖もありますが声質のみで聞き分けられると思っています。
パヴァロッティは天才というか天性のものというか、神が与えたもうた喉というべきか、発声法がどうのこうのという次元ではありませんね。パヴァロッティの前にパヴァロッティなくパヴァロッティの後にパヴァロッティなしというところでしょうか。とはいえヴィジュアル的にはやや損をしているようで、オペラが大好きという小母様の中にはパヴァロッティのDVDやBlu-Rayは一枚も持っていないという人もいるとか。
ドミンゴはバリトンからテノールに転向したというキャリアから、発声技術的には最も完成度がたかく、また努力の人という気もします。最近になってバリトンのキャストも歌うようになりましたが、ドミンゴのバリトンには違和感を感じてしまいます。長らくテノールの発声を続けてきて頭声というか、胸郭共鳴が少ないというか、ヌッチとかラプラント等のバリトンらしいバリトンの声とはやはり違うような気はします。それでも理知的というか音楽性については勉強になります。
カレーラスのCDも何枚も購入して聞いていますが、結構勢いやノリ、雰囲気で歌っている様に感じることが多いです。実は3人の中で最も情熱的なのがカレーラスなのかと思う今日この頃です。パブロ・カザルスがチェロで独走したカタルーニャ民謡?の「鳥の歌」を歌っているCDもあって、自分で歌いたい曲のリストの上位に位置付けているのですが、楽譜が手に入りません。カレーラスが白血病に罹患する前の歌唱のCDを聞いてみたいと思っています。何だかんだで10枚近くカレーラスが歌っているCDを持っているはずなので、1枚か2枚は白血病以前の歌唱もあるだろうと思うのですが、CDで聞く限りでは録音後の調整で白血病後の歌唱も整えてしまっているのか、今のところ聞き分けられていません。もしかして今持っているカレーラスのCDを集中して聞き続ければ、その差が判ってくるかもしれないとは思っています。CDアルバム毎に録音年月日を確認すれば済む話ですが、何となく聞こうかと思う時には一々年月日を確認するのも面倒なので、ここ数年来のカレーラスの病前・病後の声の聞き分けは宿題となったままです。