katsura's note

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埋まらない溝

2005年05月18日 | Weblog
今日の会社帰りのこと。
久々に10時過ぎまで残業した帰宅途中。

友達にメールを打ちながらふと気が着いた。
そうだ、夕飯食べてない。。。

とはいえ、ちょっとお疲れモード&帰宅してもやることがあるので、できればぱぱっと手早く済ませたい。
さて、どうしよう?!

最寄駅まで着く寸前で思いついた。
そうだ、とんこつラーメン食べたい!と。

思い立ったら、むしょうに食べたくなってちょっと遠回りしながら帰宅することに。
途中、ふと目に留まった店が。

そのお店は一度行ったことがある、おうどんの美味しいお店。
もう閉店しているだろう。。。とたかをくくっていたのに開いている。

これは入らねば!とふと足を止めた私。

店内に入るとカウンターが空いていたのでカウンターに行こうとしたら店員のおばちゃんに止められた。
「もうすぐ閉店だから」と。
私としては、閉店だからこそテーブル席よりもカウンターを選んだつもりがあだとなってしまった。
まぁ、しゃーない。

テーブル席につくなり、おばちゃんは早くオーダー取りたくて仕方ない様子。
なんだかそわそわしていた。

なんだか落ち着かないなぁ。。。と思いつつも、以前食べた品がお品書きに見つからない。。。
迷う私に、しびれを切らしたおばちゃんが、「どれにしたいの?」と。
うーん、事情を話したけれど、「そんなのあったっけ?」とそ知らぬ顔。
仕方ないので「どれが人気ですか?」と聞くと、なんとなく答えてくれた。

そのなんとなくっていうのは、どう見てもあまり関心なさそうな態度がそう思わせるに十分だった。
疲れていた私は他の選択肢を選ぶ気力はあまりなかったし、まぁ、他にとりたててこれが良さそうということもなかったので、おばちゃんがすすめてくれたやつを頼んでみることに。

しばらくして、おうどんが出来てきた。

と、ここまでは良かったのだが。。。

お店に30代か40代かの落ち着いた感じの二人連れが入ってきた。
その時点でテーブルは埋まっていた、さておばちゃんどうする?と思いきや、「相席どうぞ」と言い放った。

しかも、私が座っているテーブルはまだ席に余裕があったのだが、よりによって隣にかけていた二人連れのところに誘導していた。
因みにその席は私のテーブルよりも手狭だった。

心の中で「お、おばちゃん、、、それはないんじゃない?」と叫んでいた私。

すると隣のお客さんも呆れ顔。
しかも、入ってきた二人連れも「人をどかしてまでねぇ、、、」と言い放ったのに、このデリカシーのかけらもないおばちゃんは引き下がるどころか、「いや、大丈夫ですよ。ほら、どうぞ!」と。

そのおばちゃんを除いたみんなは無言で「えっ?」って思っていたはず。

結局、後から入ってきた二人は怪訝そうな面持ちで店を後にした。
これで一見落着のはずだったが。。。

しばらくして隣の席のカップルがなんだか怪しい雰囲気に。
声も大きくなるし、しかも、口調がだんだんきつくなっていた。。。

これは、まっ、まずいのでは???と実しやかに恐れていた私の予感は的中。
けんかしていた。

どうやら、おばちゃんの態度に気分を悪くした彼女(後に奥さんと判明)があれこれ文句を言い出したのだ。

「私達がすぐに帰るとでも思ったのかしらね?」と。
「私達がお酒をもういっぱい頼んだら、どうなったのかしら?」等など。。。

それに対し、彼(後に旦那さんと判明)が「いーじゃん、もう終わったことだし、、、そういうこともあるよ。。。」と。

すると、奥さん「あなたってほんっと分かってない!この前だって、、、」と続ける。

対し、旦那さん「ねぇ、もういいじゃん、そんなこと。どうしてそんなにいつも“むかつく”“むかつく”って言う訳?○○ちゃんのこと好きだけど、だいたい100回位○○ちゃんが“むかつく”って言ううちの数回しか同感できないからね。だいたいさぁ~、世の中ってのは。。。」と続けた。

私だってこんな会話聞きたくないんだけど、どういう訳か私のテーブルの方に身体を向けて話す二人。しかも、声が興奮と共に大きくなるし、身の危険を感じなくもない為か、耳に入って仕方ない。当然私は彼らの会話をシャットダウンしたいし、耳にも入れたくないのに。。。

それと同時に旦那さんがうんちくを語りだし二言三言聞いた時点で、事態は益々悪化しそうな気配が漂っていたし、私の席までその気配は十分すぎるくらいに充満していた。

隣の隣のテーブルは私の周りをとりまく、そして隣のテーブルの雰囲気をよそに、平和に気持ちよく飲んでいた。。。羨ましい。

まさかラーメンを食べに行くつもりがおうどん屋さんに化けたことで、こんな思いをすることになるとは夢にも思わなかった。

まぁ、こんなこともあるかぁ。。。なんて思いつつ、早くおうどんを平らげることに集中した私。せっかくの美味しいはずのおうどんも気が利かないどころか、客の気分を害する気が付かないおばちゃんのせいで、こんなことになろうとはねぇ。

で、旦那さんの話は続いていた。

旦那さんのうんちくが聞こえ始めた頃には油は注がれ始めたどころか、着火準備よし!と言わんばかりに、奥さんの顔はもの言いたげで紅潮していた。
私は心の中で旦那さんにこんなメッセージを送っていた。
「うん、あなたの言うことはもっともだし、わかる、わかるんだよ!だけど、今奥さんの顔を見てご覧よ!今あなたはうんちくを言うんじゃなくて、ここはぐっとこらえて、話を聞いてあげるべきだよ。相手が聞く耳を持つときにうんちくや理屈を話せばいいし、その方が双方の為だから。ねぇ。。。」と。

しばらくして私のシナリオどおりに事は運んだ様子。
そのシナリオとはもちろん私が恐れていた悪い方。

奥さん曰く、「あなたってほんっと分かってない!あのねぇ。。。」と始まった。
これは収集つかなくなってきたぞ。。。と思った私。

対し旦那さん「もう、分かった。分かったよ。もういい。どう考えたって理解できないものは理解できない。○○ちゃんのこと、き、きっ。。。」
(嫌いじゃないけどと言いたげだった。。。)

奥さん「今、嫌いって言おうとしたでしょ。良いのよ、別に好きでいて欲しいなんて思ってないから。。。」

対し旦那さん「そう、そうじゃなくって。だいたいさぁ~、○○ちゃんの家庭環境のせいもあるのかもしれないけど、世の中そんなに良いことばかりじゃないし、物事悲観的に見たってねぇ。しかもいつもいつも悲観的じゃん!それって良くないよ!」と。

あれあれ、家庭環境にまで話が及んでいる。。。これはやばいでしょ。。。と思わず旦那さんにテレパシーを送りたくなった。
が、そんなことできる訳もなく、そろそろおうどんが食べ終わりそうになり、ほっとした私。

その後、しばらく言い合いは続いていた様子だったが、私が席を立とうとした寸前。
こんな言葉が奥さんから言い放たれた。

「別れましょ、私達。」

えっ、え~~~???

なんで離婚にまで話が及ぶの?

奥さん「今までいろいろあったけど、価値観の違いの溝は埋められないわよね。私だって、家族のことまで引き合いに出されたんじゃ、たまらないわよ。うちの父の目の黒い間はねぇ、、、」と続く。

旦那さん「そうか、そうくるか。そう言われても分からないものは分からないしね。だいたい、飲食店ってのは。。。」と、理屈をやめない。

そんな中、何も知らないおばちゃんが「じゃ、お疲れ~」と何の気なく帰って行った。

おっ、おばちゃん!!!
あなたのせいで何人の人が気分を害したと思ってるの!
しかも、隣はあろうことか、元々あった埋まらない溝を埋めれないだけでなく、溝が広がっちゃってるよ!と心の中で叫んだ私。

おうどんを食し終わった私はレジに行き、お勘定。
前回このお店に来た時もいた感じのよい男の子が「ありがとうございました!」と笑顔で言い放つ。
その後の二人のことは知らない。
けど、気の良さそうな店員さんにはこのお店のことも考え、一言言い残してきた。

「あのー、さっき帰ったおばさんのせいで隣の席の人もめてます。
 確かに接客が良くなかったし、 私自身も気分があまり良くなかったんですよ。
 ただ、せっかく美味しいおうどん出してあっても、もったいないと思うんです。
 それまで気分良く食事してらした隣の方がとても気の毒で。。。」と。

私も接客業に長いこと働いた経験があるし、気が利かないタイプの店員がいることも、業務上仕方ないこともあるのは重々分かっている。
だけど、せっかくお客さんとして訪れたからには、多くを望まないけど、少なくとも失礼のない程度には接客して欲しいし、気分を害されるのなんて持っての外。

いくら美味しいお店でも、店員の態度が悪いとやはり足を止めてしまうことすらある。

帰り道、福岡にあるお肉料理の美味しいお店を思い出した。
そこの出す料理はどれも美味しく、たまに「××のお肉が食べたい!」とか、「××のサラダが食べたい!」って思ったりすることもある。
しかし、今日行ったお店のように接客がなってないおばさんがいるのが難点。
何度か行って、私の家族全員が揃って気分を害したことのあるそのおばさんには、いくら料理が美味しくても出会いたくないと心に強く誓っている我が家。

それ故、そのお店に行く時には電話で予約して、そのおばさんがいないことを確認しなくては、安心して行けない。

そんなお店もある。

今日行ったお店はそこまでこだわりがある訳じゃないので、それこそそこ一軒しかお店が開いてないと言うような究極な選択でもない限り、足を運ばないであろう。

おばちゃん、そしておばちゃんの接客・態度を除く全てにおいて、そのお店はなかなかなのに。
店主であろうお兄さんも、そのお弟子さんも、店の大きさ・雰囲気も。。。
それ故、おうどん屋さんにしてはこじゃれた居酒屋風で、いつも温かい雰囲気を醸しだす良い具合に酔ったお客さんが楽しそうにしているのに。

残念でならない。

追伸:

今日はついつい、特にとりたてて私にそんなに関係もないことについてうだうだと書いてしまいました。

まぁ、おばちゃんの気が利かない接客→隣の口喧嘩→隣の離婚問題にまで発展しようとは思っても見ない展開にびっくりしつつも、些細なことがきっかけで、物事っていろんな方向に進んでしまうのね。。。と痛感したり。

今日はすっごく疲れている+もしかすると風邪気味?+いわば他人のモメゴトに巻き込まれ、なんなの?って感じがしてもおかしくないのだけど、なんだか世の中の縮図を垣間見ているようで、昼メロみたいな大袈裟な展開ありで、なんだかふむふむと感心してしまった。

また、渦中にふと思ったのが、旦那さんがうんちくを語り出す前にできることなら私がここで一発笑いをとることができれば!なんて思ったりもしました(笑。
それか、以下の本を差し出したいとさえ思った。

「話を聞かない男、地図が読めない女―男脳・女脳が「謎」を解く」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4072352179/qid=1116432307/sr=1-1/ref=sr_1_10_1/249-7502081-4765963

何が不幸って、原因を作ったおばちゃんはその場にいたお客さん数人の気分を害しながら、本人はその事実に対して責任を持つことも、省みることも、気付くことも、謝罪することもなしに帰って行き、残された人はおばちゃんの接客によって事件勃発→事件解決することなく、事件は益々被害を増すばかり。。。

いわばdisaster。