たんなるエスノグラファーの日記

エスノグラフィーをつうじて、ふたたび、人間探究の森へと分け入るために

鳥、獲物、人間の三者関係

2016年03月07日 09時42分31秒 | フィールドワーク

鳥は人間にとってのたんなる他者ではない。ここにきてようやくおぼろげながら分かってきたのは、「(野生の)鳥」「生業対象」「人間」が、極めて実用的なレベルで三者関係を構成するということである。なかでも、狩猟民で際立っているのは、「鳥」「獲物」「人間」の間でダイアグラムが築かれていることである。

それは、鳥と人間の二元論的な世界ではない、鳥、獲物、人間の「三」に他ならない。

森の「空中の階層」(レヴィ=ストロース)。その最上部で、鳥は「点」的にそれに関わる。猿類は空中の階層の上部を「水平」的に、上部から下部に「垂直」的に移動する。人間は、林床で「点」的にそれに関わる。数日のうちに、キャンプにリーフモンキー2匹、テナガザル1匹が持ち帰られた。

リーフモンキー

テナガザル

ハンターは、リーフモンキーやテナガザルに人間が近づいていることを知らせるリーフモンキー鳥やテナガザル鳥は見かけなかったと語った。リーフモンキー鳥は、リーフモンキーと人の間を飛び回り、そのことで、リーフモンキーに危険が近づいていることを知らせる。その時、リーフモンキーは、木の茂みに身を隠すと言う。テナガザル鳥に助けられたテナガザルは、長い手を使って、枝から枝を渡って、遠くに逃げ去ってしまうと言う。

リーフモンキー鳥はリーフモンキー神、テナガザル鳥はテナガザル神の使いだとも聞いた。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿