木のように生きよう!!

「世界の巨樹を見に行く会」で巨樹を訪ねるとともに、日本の写真が海外のアート市場で認められるように頑張っています……。

センダンは芳し

2008-05-31 18:59:26 | 木の花


木の花で好きなもののひとつがセンダンだ。


Img_7437 長崎から佐賀、福岡と、クルマで移動中にこの花をたくさん見ることができて幸せだった。

センダンは四国や九州など暖かい地方に多い。そういえば、昨年も同じころに長崎は島原でこの花をよく見たことを思い出した。
もっとも、初めて花を見たのは去年の3月、台湾に行ったときのこと。巨樹ツアーのとき、高速道路の両側に薄く紫がかった白い花が見えて、パーキングエリアで停まったときに、花の名前を聞いて写真を撮った。


Img_7438 木に出合ったのはそれより以前で、鎌倉駅近くのお寺の境内だった。

春のころで、「栴檀は双葉より芳しといいます。花の咲くころは本当にいい香りがしますから、またお越し下さい」と書かれた絵馬の形の札が下がっていて、それ以来、いつかはこの花を見たいと思うようになったのである。

しかし、調べてみると、双葉より芳しと例えられたのはセンダンではなく、白檀。また、台湾のものは似ているがセンダンではなく、センダン科の似た花だとS野さんに教えられた。

双葉のころから香しいと思っていた木ではなかったのだが、センダンの花はとてもいい香りがする。楚々とした花の形や色も初めて見たときから好きになった。木の近くを通っただけで香りが漂ってくる。もし、庭があったら、ぜひ植えたい木の1本だ。暖かい場所でないとよく育たないらしいから、日当りのいい場所を与えてやらなくては……。

さて、気になったので、ビャクダンの花を調べてみた。

花はセンダンのように繊細ではなく、鐘形で柿の花の形にも似ている。色も赤紫のような色でこちらは私好みとは言いがたい。香りもないという。

では、幹が香るのかというと辺材は香りがない。
いい香りのオイルが採れ、粉末が線香になる、彫刻や高級棺材に使われるのは心材のほうらしい。香りの高い心材のほうは黄褐色で、辺材は白いと植物図鑑に書かれていた。

鎌倉のお寺のご住職は諺に例えられた木がビャクダンだと知らないのだと思っていたが、じつはすべてを承知のうえで、あのように書いたのかもしれない。

いまごろはきっと、センダンがさわやかな香りを境内に放っていることだろう。








佐賀県のクスノキ

2008-05-30 17:03:34 | 巨樹の旅


先日の長崎へは福岡空港からクルマで行ったので、空港までの帰路の途中、佐賀県武雄市の巨樹を訪ねました。


Img_7394 「武雄の大楠」 幹周り20m、樹高30m、推定3,000年。
全国でも6位の巨木で、佐賀県では2番目の大きさ。幹のなかは12畳ほどの空洞になっていますが、威厳と迫力のある巨木です。


Img_7410 すぐ近くにある「塚崎の大楠」 幹周り13.6m、樹高18m、樹齢300年以上。
武雄の大楠に次ぐ佐賀県第3位の巨木。

この木もなかが空洞になっていますが、主幹の上部も欠けています。それでもなんとも力強いのが不思議。九州、とくに佐賀県は本当にクスノキの巨木の多いところです。


Img_7427 「川古の大楠」 幹周り21m、樹高25m、推定樹齢3,000年。
日本で5番目に大きな木、佐賀県では1位の巨木です。

講談社から『巨樹を見に行く』という本を出す際に、梅原猛さんにインタビューに行ったところ、この川古の大楠が印象的だったと語られたことを思い出しました。

Img_7416_2川古の大楠の内部はほとんど空洞になっている。ああいう大木を見ると、生の本質は死をつつみこむものだと思う。生は死を含んでいる。死をつつみこんで生のほうがかろうじて勝っている。

クスノキの巨木が外側の一枚がわで生きているのを見ると、死、再生を続けているのが生命だということを教えられる。

そう語っていらっしゃいましたっけ……。


Img_7436 じつはこれらの巨木は15年以上も前に訪ねたことがありました。今回、とてもなつかしく訪ねたのですが、武雄の大楠のようにあいかわらず威厳があるものもありましたが、川古の大楠のように大きく変わっているものもありました。

以前は民家の裏の小さな公園で、訪れる人もほとんどいませんでした。でも、今回訪ねてみると、りっぱな公園に整備されていて、近くには大きな駐車場もでき、観光バスも来ていました。多くの人に愛でられ、地域が活性化しているとよかったなぁと思いますねぇ。でも、そうなると大抵の木から、神々しさのようなものが失われてしまうのはとても残念なこと。

そういう環境の変化もありつつも、やはり、巨木巡りは1回で終わりではなく、何回も行くものだと感じました。
それは、以前に見たときとこちらの感じ方が明らかに違うから。


Img_7434 今回はクスノキの小さな黄色い花も咲いていました。

具体的に感じ方の何が変わっているのかを説明するのはむずかしいのですが、例えば、以前は幹にばかり気がとられている感がありました。葉や花を見入ることなどあまりなかったように思います。

にぎわい過ぎている木があっても、木を訪ねる旅は知らぬ間に心を解きほぐしてくれます。旅の目的地として巨木はなによりのものですね。





ブログ撮影にぴったりの本

2008-05-29 12:23:01 | 本の紹介


デジカメ撮影術の本を書いたりしているせいか、いつもいろんな方からきれいな写真を撮るにはどうしたらいいかお問合せをいただくことが多いです。このブログでも、つむじさんやfujiさんから撮影法のご質問などいただいていますが……、

そんな方々にぴったりの本が明日、発売になります。


Img_5652 『おうちで楽しく! リビングフォト 』(インプレスジャパン/ ¥1,500)です。

著者である今道しげみさんはフラワーアレンジメント教室を主宰するかたわら、「リビングフォト」サロンをされている方で、写真セミナーは毎回満員という、いま話題のカリスマ写真家。


Img_5628 ふわっとやさしく撮られた素敵な写真集でありながら、ちゃんと撮影法や撮影に必要なグッズも載っています。

ブログやホームページ用の写真を一段レベルアップさせたい方にはぴったりの本です。


Img_5635 お花をきれいに撮るときの光の方向や手作りできる撮影グッズ、カメラの設定がていねいに書かれていますから、そのまま真似をすれば、みなさんにも同じ写真が簡単に撮れること間違いなし!!


Img_5629 100円ショップで購入した小物で素敵に仕上げるコツも載っています。


Img_5636 小物だってこのとおり、きれいに撮れてしまうんですよぉ。


Img_5633 おうちのワンちゃんをかわいく撮る方法もバッチリ載っていました。


Img_5618 おうちのなか、リビングで撮るテーブルフォトが基本ですから、この本があれば、お料理やかわいいお弁当、スイーツなんかもとっても素敵に撮れちゃいますね。


Img_5630 私もこんなふうに撮りた~いと、とってもお勉強になりました。もう、この本は手放せませ~ん?

で、発売前の本をどうして持っているかというと、この本のことがいま発売中の『デジタルカメラマガジン6月号』に載っていたので、どうしても欲しくって、昨日、編集部に行ったときに、編集の方にお願いして発売前にいただいてきたからなんです。これさえあれば、写真家さんのブログなどで「こんなふうに撮れたらいいなぁ」と思っていた写真が撮れるようになりますね。うれしいな。



明日からは書店にも並ぶそうですが、ネットからなら今日から注文できるそうです。注文先のサイトをお聞きしてきましたので、こちらからどうぞ!!

みんなで素敵な写真を撮りましょう~。私もガンバリま~す。






虫の目で撮る写真家

2008-05-28 13:10:58 | 取材日記


長崎県平戸に行ってきました。
昆虫写真の第一人者で、NHK『地球ふしぎ大自然』などTVでもお馴染みの栗林慧(くりばやし・さとし)さんの取材です。


Img_0488 このカマキリのポスターのように、栗林さんは虫の視線で写真やムービーを撮影しています。すごい写真でしょう。


Img_73552000年、自作のビデオカメラで撮影したオリジナル動画作品『草間の宇宙』で内閣総理大臣賞を受賞。06年には科学写真のノーベル賞といわれるレナート・ニルソン賞を日本人で初めて受賞。紫綬褒章も受賞されたすごい写真家さんです。


Img_7310 昆虫のおもしろい生態を撮るために、ご自分でこのようにいまもデジタルカメラを改造中。


Img_7374 科学写真のノーベル賞を受賞されたのもこのように、虫の目でとらえたカマキリの写真だったそうです。

ちなみに撮影現場はご自宅の前。身近な自然の生きる生命が栗林さんの撮影のテーマです。


Img_7375 光センサーで虫が飛ぶ瞬間を2万分の1秒というハイスピードでとらえる機材も栗林さんは自作されています。

飛んでいるときの昆虫はまるで楽しそうに手足を広げて「バンザーイ」をしているみたい。とってもかわいいのですが、栗林さんの写真によって初めて、昆虫が足が広げて飛んでいることがわかったそうです。


Img_7296 こちらが栗林さんが内視鏡などをつけて改造したデジタルカメラ。
詳しいことはデジタルカメラマガジン8月号か9月号に掲載されますので、お楽しみに!!


Img_7314 小さい頃から機械の分解と改造が好きだったという栗林さんはハーレーもご自分で三輪車に改造してしまったそうです。これに乗った栗林さんはとってもカッコイイんですよぉ。


Img_7343 こちらは私が撮ったバッタ。栗林さんが撮りやすいように置いてくださいました。上のポスターと比べれば、栗林さんの改造カメラと撮影術の違いがわりますよねぇ。

ご一緒させていただいた2日間は本当に楽しく、とても勉強になりました。

というのも、ものすごい写真家であるのに、栗林さんは本当に謙虚でやさしい方なのです。これまでの取材で、いい写真を撮る方ほどいい方だということは実感してきましたが、栗林さんはそういう意味ではピカイチでした。

そして、撮りたい写真を撮るためにはどんなことがあっても機材を工夫することをあきらめない。だからこそ、すばらしい写真の数々が撮れるのですが、「どうだ、すごいでしょう」などという片鱗は微塵もなく、逆に申し訳ないほど腰が低く、丁寧に接してくださるのです。

実るほどに頭は垂れるのですよねぇ……。





スミレ模様のカバー

2008-05-25 15:32:26 | お気に入り


雨降りだった昨日から今日にかけて、久しぶりにゆっくりして、DVDで映画を見ました。
のんびりしたいときに見るのは、最新作や話題作を避けたもの。ただ単純に楽しい、あるいは悲しいミニシアター系に限ります。

最新作や話題作だと、ストーリー展開に興味が湧くだけでなく、タイトルバックから始まってカメラワークとかカメラスイッチ、効果音楽にエンドロールまでついつい仕事モードで食い入るように見てしまうからなんですよねぇ。

で、今回見たのでよかったのは、フィンランド制作の2006年ミニシアター系72分の公開作品「ヘイフラワーとキルトシュー」。でも、ただただ単純に楽しめたと思ったら、これはチャイルド向けの映画でした。あぁ、そうなんだぁ、子ども向けが私には気が休まるんだぁと思いましたね。


Img_7231 映画のなかでいちばん気に入ったのがこのスミレ模様のお布団カバーとピローカバー。本当にかわいくってステキでした。こういうのって、なかなか日本にはないんですよね。

そう、この映画はかわいいインテリアとちょっとポップだけど乙女チックなお洋服が気に入りました。子ども向けだから、そんなふうにかわいいものに囲まれていたのかもしれませんが、さすがムーミンの国。太陽のない季節がある北欧では、それでも明るく過ごすためにインテリアを工夫しているのだなぁと感心しました。


Img_7237 映画の舞台はフィンランドのこんなかわいらしい田舎町。


Img_7235 ヘイフラワーとキルトシューという姉妹とその両親が主人公です。このお家やファッションがとってもかわいかったぁ……。


Img_7249 その隣の住人、謎のおばちゃま姉妹のお宅はベタな感じに近いほど、かわいすぎます。


Img_7243 花柄の壁紙に花柄のイス、これでもかというほどベタかわいい感じでした。


Img_7274 よく見ていると、主人公姉妹が一緒に寝ているベッドの布団カバーやピローカバーは毎日替わっていました。ときにはポップで、ときにはモダン、ときにはラブリーという柄が出てきて、やっぱり北欧はインテリア、あるいはリネン類の先進国だと思いましたねぇ。レースのカーテンひとつにしても窓によって全部違っていました。

ちょっとロシア語のような、ドイツ語の響きもあるフィランド語も新鮮でしたね。英語だと、ちゃん聞こうとしてしまいますから、じつはこれも疲れてしまうんですよね。

じっくり頭を休めて、明日からは取材で長崎へ。
今回は昆虫界のドン、ハーレーに乗ったカッコイイ方の取材です。

ではでは、行ってまいりま~すね?