野中氏-毎月5千万円使った 機密費、評論家らに配る
小渕内閣で官房長官を務めた自民党の野中広務元幹事長(84)は30日、長官在任中に内閣官房機密費を「1カ月当たり、多い時で7千万円、少なくとも5千万円くらい使っていた」と明らかにした。共同通信の取材に答えた。
内訳については月々、首相に1千万円、国会で野党工作などに当たる自民党国対委員長や参院幹事長に各500万円程度のほか、政治評論家や野党議員らにも配っていたと説明した。官房機密費は毎年十数億円計上されているが、官房長官経験者が使途を明らかにしたのは極めて異例だ。
野中氏によると、評論家に転身した元政治家が小渕恵三首相に電話し「自宅を新築したから3千万円ほどお祝いをほしい」と要求したことや、野党議員から「北朝鮮に行くから官邸にあいさつにうかがいたい」と暗に機密費を要求されたこともあったという。
野中氏は「前任の官房長官からの引き継ぎ簿に評論家らの名前が記載され『ここにはこれだけ持っていけ』と書いてあった。持っていって返してきたのはジャーナリストの田原総一朗氏だけだった」と証言。「政権交代が起きた今、悪癖を直してもらいたいと思い、告白した」と強調した。2010/05/01 00:34【共同通信】
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機密費、評論家にも 野中元長官、講演で証言
琉球新報2010年4月28日
野中広務元官房長官は、23日に那覇市内で開かれたフォーラムの基調講演の中で、自身が長官在任中(1998年7月~99年10月)、先例に従い、複数の評論家に内閣官房報償費(機密費)から数百万円を届けていたことを明らかにした。
野中氏は講演で「言論活動で立派な評論をしている人たちのところに盆暮れ500万円ずつ届けることのむなしさ。秘書に持って行かせるが『ああ、ご苦労』と言って受け取られる」と述べ、機密費からの提供が定期的にあったことを明かした。
野中氏は自民党政権時代に、歴代の官房長官に慣例として引き継がれる帳簿があったことにも触れ「引き継いでいただいた帳簿によって配った」と明言。その上で「テレビで立派なことをおっしゃりながら盆と暮れに官邸からのあいさつを受けている評論家には亡くなった方もいる」と指摘した。一方で機密費の提供を拒否した評論家として田原総一朗氏を挙げた。
官房長官の政治的判断で国庫から支出される機密費は、鳩山内閣が昨年11月に内閣として初めて2004年4月以降の小泉内閣から現在までの月別支出額を公表したが、使途については明かしていない。
<用語>内閣官房報償費(機密費)
「国の事業を円滑に遂行するために状況に応じて機動的に使う経費」とされる。国庫からの支出は年間約12億円で、使途の不透明さが問題視されており、民主党は2001年に一定期間後の使途公表を義務付ける法案を国会に提出した。
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東奥日報「天地人」2010年5月4日(火)
首相官邸奥の院の金庫はまるで打ち出の小づちだ。欲しいときに欲しいだけカネが出てくるらしい。「1カ月当たり多い時で7千万円、少なくとも5千万円くらい使っていた」と野中広務元官房長官が官房機密費の実態を明らかにした。
証言はリアルだ。「首相に1千万円、国会で野党工作などに当たる自民党国対委員長、参院幹事長に各500万円程度のほか、政治評論家や野党議員にも配った」。おねだりもあった。自宅の新築祝いに3千万円ほしい、と当時の小渕首相に厚かましい要求をしたのは評論家に転身した元政治家だった。
会計検査院のチェックも及ばない聖域で、野党の切り崩し資金に、外遊する国会議員への餞別(せんべつ)に、評論家のご機嫌取りにと気前よく札びらを切っていたのか。本来は、国益に結びつく情報の収集や危機管理に使うはずの国民の税金が、なれ合い政治の潤滑油に化けていた。
自民党のかつての実力者があえて身内の恥をさらしたのだから、これが事実なのだろう。「政権交代が起きた今、悪癖を直してもらいたいと思い告白した」という。残念ながら悪癖を正す動きは鈍い。だが、野中証言で政府も国会も口をつぐむわけにはいかなくなった。
少なくとも歴代の官房長官と国対委員長には、事実関係を国会で語ってもらわなければなるまい。何のために、誰にいくら渡したのか、納税者が使途の公表を迫るのは当然だ。重宝な打ち出の小づちを振り続けてきた政治家に、納税者が怒りの拳を振り上げる番だ。
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◆『差別と日本人』善良で被害者の自分たちと他者とを峻別。その生贄としての民・朝鮮人
小渕内閣で官房長官を務めた自民党の野中広務元幹事長(84)は30日、長官在任中に内閣官房機密費を「1カ月当たり、多い時で7千万円、少なくとも5千万円くらい使っていた」と明らかにした。共同通信の取材に答えた。
内訳については月々、首相に1千万円、国会で野党工作などに当たる自民党国対委員長や参院幹事長に各500万円程度のほか、政治評論家や野党議員らにも配っていたと説明した。官房機密費は毎年十数億円計上されているが、官房長官経験者が使途を明らかにしたのは極めて異例だ。
野中氏によると、評論家に転身した元政治家が小渕恵三首相に電話し「自宅を新築したから3千万円ほどお祝いをほしい」と要求したことや、野党議員から「北朝鮮に行くから官邸にあいさつにうかがいたい」と暗に機密費を要求されたこともあったという。
野中氏は「前任の官房長官からの引き継ぎ簿に評論家らの名前が記載され『ここにはこれだけ持っていけ』と書いてあった。持っていって返してきたのはジャーナリストの田原総一朗氏だけだった」と証言。「政権交代が起きた今、悪癖を直してもらいたいと思い、告白した」と強調した。2010/05/01 00:34【共同通信】
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機密費、評論家にも 野中元長官、講演で証言
琉球新報2010年4月28日
野中広務元官房長官は、23日に那覇市内で開かれたフォーラムの基調講演の中で、自身が長官在任中(1998年7月~99年10月)、先例に従い、複数の評論家に内閣官房報償費(機密費)から数百万円を届けていたことを明らかにした。
野中氏は講演で「言論活動で立派な評論をしている人たちのところに盆暮れ500万円ずつ届けることのむなしさ。秘書に持って行かせるが『ああ、ご苦労』と言って受け取られる」と述べ、機密費からの提供が定期的にあったことを明かした。
野中氏は自民党政権時代に、歴代の官房長官に慣例として引き継がれる帳簿があったことにも触れ「引き継いでいただいた帳簿によって配った」と明言。その上で「テレビで立派なことをおっしゃりながら盆と暮れに官邸からのあいさつを受けている評論家には亡くなった方もいる」と指摘した。一方で機密費の提供を拒否した評論家として田原総一朗氏を挙げた。
官房長官の政治的判断で国庫から支出される機密費は、鳩山内閣が昨年11月に内閣として初めて2004年4月以降の小泉内閣から現在までの月別支出額を公表したが、使途については明かしていない。
<用語>内閣官房報償費(機密費)
「国の事業を円滑に遂行するために状況に応じて機動的に使う経費」とされる。国庫からの支出は年間約12億円で、使途の不透明さが問題視されており、民主党は2001年に一定期間後の使途公表を義務付ける法案を国会に提出した。
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東奥日報「天地人」2010年5月4日(火)
首相官邸奥の院の金庫はまるで打ち出の小づちだ。欲しいときに欲しいだけカネが出てくるらしい。「1カ月当たり多い時で7千万円、少なくとも5千万円くらい使っていた」と野中広務元官房長官が官房機密費の実態を明らかにした。
証言はリアルだ。「首相に1千万円、国会で野党工作などに当たる自民党国対委員長、参院幹事長に各500万円程度のほか、政治評論家や野党議員にも配った」。おねだりもあった。自宅の新築祝いに3千万円ほしい、と当時の小渕首相に厚かましい要求をしたのは評論家に転身した元政治家だった。
会計検査院のチェックも及ばない聖域で、野党の切り崩し資金に、外遊する国会議員への餞別(せんべつ)に、評論家のご機嫌取りにと気前よく札びらを切っていたのか。本来は、国益に結びつく情報の収集や危機管理に使うはずの国民の税金が、なれ合い政治の潤滑油に化けていた。
自民党のかつての実力者があえて身内の恥をさらしたのだから、これが事実なのだろう。「政権交代が起きた今、悪癖を直してもらいたいと思い告白した」という。残念ながら悪癖を正す動きは鈍い。だが、野中証言で政府も国会も口をつぐむわけにはいかなくなった。
少なくとも歴代の官房長官と国対委員長には、事実関係を国会で語ってもらわなければなるまい。何のために、誰にいくら渡したのか、納税者が使途の公表を迫るのは当然だ。重宝な打ち出の小づちを振り続けてきた政治家に、納税者が怒りの拳を振り上げる番だ。
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◆『差別と日本人』善良で被害者の自分たちと他者とを峻別。その生贄としての民・朝鮮人