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実話だ。
アメリカ東海岸マサチューセッツ州の情緒あふれる街ボストンで起きた、カソリックの神父達が何十年にもわたって10代の子供達に性的虐待をしていたという事件。
ボストンはアメリカで、もっとも歴史の古い街。ヨーロッパから渡って来た清教徒たちが、最初に築いた街の一つだ。
アイルランド系アメリカ人の人口が多いため、アメリカの中でもマサチューセッツ州はカソリック教徒の比率はとても高い。
そしてカソリック教会の影響力は、隅々までいきわたっていた。
このアメリカの聖域で起きていた闇の事件を、地道な調査で真相を暴いたボストングローブ紙のジャーナリスト達のストーリー。
主役は、「アベンジャーズ」のハルクよりも、「フォックスキャッチャー」、「キッズ・オールライト」、「ゾディアック」等で、全く違うキャラを演じる、彼の演技を観てほしいマーク・ラファロ。
「バードマン」で大復活のマイケル・キートン。
「クライシス・オブ・アメリカ」、「ソルト」のリーヴ・シュライバー。
「パニック・フライト」、「消されたヘッドライン」のレイチェル・マクアダムス。
「ハンガー・ゲーム」の嫌な司会者のスタンリー・トゥッチ。
一癖も二癖もある名優たちが共演してる。
ボストングローブ紙に編集長として新しく赴任したマーティー・バロン(リーヴ・シュライバー)は、この新聞社にスポットライトという欄を担当する4人のジャーナリストの編集部があるのを知る。
スポットライトは、日常の記事ではなく、長期的に調査が必要な大きなテーマの事件を扱っていた。
彼はこの編集部に、彼が目にしたあるカソリック教会で起きている、神父の子供への性的虐待のコラムについて調査するように指示する。
教会の影響力は、地域市民の生活はもとより、学校や、警察、弁護士、司法にまで及び、被害者もなかなかインタビューに応じない。
虐待を受けたのが世間に知られて、虐待からの精神的ダメージの上に、世間からも白い目で見られるのも被害者たちだからだ。
何とか話を聞けた被害者達から、変態神父たちが巧妙に子供たちの心と体を支配する方法を聞かされる。
何しろ、物心ついた時から親しんでいる、自分の両親さへも心から尊敬している神父というのは、彼らにとって神と同じ存在なのだから。
そんな神父の頼みを断れず、その結果精神を病んで死を選ぶ子供達もいた。
調査を進めるうちに、事件は1人や2人の性欲倒錯者ではなく、ボストンの全神父の60%が虐待をしていて、司教区が組織ぐるみで隠ぺいしているという事実が浮かび上がった。
今回もマーク・ラファロの演技がいい。
真実のためなら、組織の面子、上司の顔色など全く恐れないジャーナリストを泥臭く演じている。
それにリーヴ・シュライバー、マイケル・キートン、レイチェル・マクアダムスもそれぞれの持ち味を出して、常に冷静な編集長(シュライバー)、熟練の取材方法で真相に近づくチーフ(キートン)と、それにくらいついて行く若いジャーナリスト(マクアダムス)を演じている。
ストーリーも、いいテンポで展開して面白かった。
そして最後のシーンで涙が出て来た。教会に苦しめられたいた人たちが、ジャーナリストの正義に救われたシーンだった。
エンドロールで、この事件が世界のカソリック教会に対しどれだけ影響を与えたかがわかる。
こういう骨太の作品を日本でも上映してほしい。
97%
トリビア
マーク・ラファロは、撮影の休憩時間に彼が演じたマイケル・レゼンデスに、彼のセリフを何度も言ってもらい練習をした。
マイケル・キートンは、彼が演じたウォルター・ロビンソンの家の近くに密かに住み彼を観察し、彼のビデオや録音を全てみて、彼の完全コピーをした。
これは、ロビンソン自身も、「自分はハイジャックされた」と語っている。
マイケル・キートンのトゥデイショーインタビュー
マーク・ラファロのジミー・キンメルショーインタビュー
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