■2019年7月月例ネット句会■
■入賞発表/2019年7月15日
【金賞】
★蓮池に雲間の空の青ひろげ/柳原美知子
蓮池の葉の隙間に空が映っている。その空は、青空に小さな雲が浮かんでいて、雲が流れて次第に青い空がひろがる。それが、モネの睡蓮の画のようになる。睡蓮画を見ているようだ。(高橋正子)
【銀賞/2句】
★雨宿りしているトンボ朝に会う/祝恵子
トンボも雨宿りをする。雨を避けて、葉陰か、杭のようなところに止まっているのだろう。翅には、雨がかかり透明感が増している。そんなトンボに朝出会った。朝出会ったことで、トンボへの愛おしさ、またすがすがしさを感じた。(高橋正子)
★語り合う友とのひととき冷奴/高橋秀之
一杯飲みながら、友と語り合うとき、手元にあるのが冷奴。冷奴は、冷たくて、気負わない、さっぱりとした一品。友との関係も、そんな関係であろう。涼しい気持ちになる句。(高橋正子)
【銅賞/3句】
★子かまきり柔らかき鎌を構えおり/多田有花
子どものかまきりも、親そっくりの姿。小さいながら鎌をもって、構えもするが、一つ違うのは、「やわらかさ」。生まれて間もない子かまきりの生命の柔らかさ、初々しさだ。(高橋正子)
★日傘買う母に合わせた花の色/高橋句美子
日傘を母にプレゼントする。柄や模様や色は、と考える。母に合わせた、花の色。花の色は読み手によって、想像される。(高橋正子)
★朝風に白鷺の来て田を占むる/柳原美知子
朝の田に、風が連れてきたようにたくさんの白鷺が降り立った。白と緑の印象が鮮やかで、田を占めるほどの白鷺に、目を見張るばかりだ。(高橋正子)
【高橋信之特選/7句】
★蓮の実の真青に雨の降りいたり/高橋正子
蓮の花が散り、瑞々しい青い実をつけた蓮池。静かに雨が蓮の葉を濡らし、実を濡らして青さを深めていきます。日本画を見るようです。(柳原美知子)
★日傘買う母に合わせた花の色/高橋句美子
母子の情が読み手に伝わってくるが情の甘さを感じさせない。そこがいい。(高橋信之)
★晴れの朝一気に蝉が鳴き始む/高橋秀之
上五の「晴れの朝」に続く「一気に」がいい。俳句ならではの良さである。(高橋信之)
★語り合う友とのひととき冷奴/高橋秀之
昔からの仲の良い友達と楽しい話し合いとさっぱりとした美味しい冷奴との対比が素晴らしいですね。 (小口泰與)
親しい友達と冷奴をつつき乍ら、語り合う景色が見える。隣にビールでもあるだろうか?楽しい句である。 (廣田洋一)
★雨宿りしているトンボ朝に会う/ 祝恵子
★蓮池に雲間の空の青ひろげ/柳原美知子
★朝風に白鷺の来て田を占むる/柳原美知子
【高橋正子特選/7句】
★子かまきり柔らかき鎌を構えおり/多田有花
誰が教えたわけでもないのに、子かまきりは身を守るために懸命に威嚇をしています。 (祝恵子)
★山清水リズム良く鳴る鹿威し/廣田洋一
何処かの山を背景にした庭園であろうか?こんこんとわき出す山清水に、鹿威しの音が涼やかで心地良い。 (桑本栄太郎)
★向日葵にわが丈抜かれ空の青/西村友宏
下五に置いた「空の青」がいい。読み手の眼にも鮮明に浮かんでくる「空の青」である。(高橋信之)
★山百合の白い蕾はすっとあり/高橋句美子
すっとありの下五が山百合の白くてかわいい蕾の様子を醸し出してくれています。(高橋秀之)
★夏空へ飛び立つ鳥の水しぶき/高橋秀之
河口の鳥でしょうか。飛び立つ時の水しぶきの勢いと涼しさが青い夏空へと広がっていくようで、しばし暑さを忘れ、やすらぐひと時です。 (柳原美知子)
★雨宿りしているトンボ朝に会う/祝恵子
★蓮池に雲間の空の青ひろげ/柳原美知子
【入選/8句】
★雲海のはるか眼下に道の駅/桑本栄太郎
雲海の切れ目に道の駅を見つけたのでしょうか。ひろびろとした景色が想像できます。(高橋句美子)
★サアーフインの板立てかけて小料理店 祝恵子
海辺の小料理店なんでしょうか。お店の近くに立てかけているサーフボードが夏の海の雰囲気を運んできてくれます。(高橋秀之)
★夜の色をまとう浅間や合歓の花/小口泰與
浅間山が次第に紺色を帯びる頃、合歓の花が優しい紅の花をひらく美しい景が眼に浮かびます。 (柳原美知子)
★父母もいて我は幼し蛍狩り/古田敬二
蛍狩りに故郷を思い、幼き日とうら若い父母の姿がまなうらに浮かびます。いつまでも蛍飛ぶ平和な故郷であってほしいものです。 (柳原美知子)
★シャッター街猫の見上げる江戸風鈴/西村友宏
寂しげなシャッター街。そんな所にもある江戸風鈴の風情。人間社会とは関係の無い猫がこのふたつを繋いでくれました。(高橋秀之)
★遮断機の踏切り開かず片かげり/桑本栄太郎
★渡し場のありしところや夏の川/多田有花
★走馬灯幼き時の遠い道/小口泰與
■選者詠/高橋信之
★蓮咲くと妻と出かけるバスの旅
蓮の花を見ようとご夫婦で出かけられる充実したお暮らしぶりがうかがえます。日常を離れてのバスの旅に心も弾むようです。 (柳原美知子)
★カンナ咲く山へと登る入口に
★今日あればまた明日があり梅雨降れる
■選者詠/高橋正子
★蓮の実の真青に雨の降りいたり
蓮の花が散り、瑞々しい青い実をつけた蓮池。静かに雨が蓮の葉を濡らし、実を濡らして青さを深めていきます。日本画を見るようです。(柳原美知子)
★電線に尾長よく鳴き梅雨夕焼
★山鳩の声は夏山より出でず
■互選高点句
●最高点(5点)
08.子かまきり柔らかき鎌を構えおり/多田有花
子どものかまきりも、親そっくりの姿。小さいながら鎌をもって、構えもするが、一つ違うのは、「やわらかさ」。生まれて間もない子かまきりの生命の柔らかさ、初々しさだ。(高橋正子)
※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も一点として加算されています。
(集計/高橋正子)
※コメントのない句にコメントをお願いします。
■入賞発表/2019年7月15日
【金賞】
★蓮池に雲間の空の青ひろげ/柳原美知子
蓮池の葉の隙間に空が映っている。その空は、青空に小さな雲が浮かんでいて、雲が流れて次第に青い空がひろがる。それが、モネの睡蓮の画のようになる。睡蓮画を見ているようだ。(高橋正子)
【銀賞/2句】
★雨宿りしているトンボ朝に会う/祝恵子
トンボも雨宿りをする。雨を避けて、葉陰か、杭のようなところに止まっているのだろう。翅には、雨がかかり透明感が増している。そんなトンボに朝出会った。朝出会ったことで、トンボへの愛おしさ、またすがすがしさを感じた。(高橋正子)
★語り合う友とのひととき冷奴/高橋秀之
一杯飲みながら、友と語り合うとき、手元にあるのが冷奴。冷奴は、冷たくて、気負わない、さっぱりとした一品。友との関係も、そんな関係であろう。涼しい気持ちになる句。(高橋正子)
【銅賞/3句】
★子かまきり柔らかき鎌を構えおり/多田有花
子どものかまきりも、親そっくりの姿。小さいながら鎌をもって、構えもするが、一つ違うのは、「やわらかさ」。生まれて間もない子かまきりの生命の柔らかさ、初々しさだ。(高橋正子)
★日傘買う母に合わせた花の色/高橋句美子
日傘を母にプレゼントする。柄や模様や色は、と考える。母に合わせた、花の色。花の色は読み手によって、想像される。(高橋正子)
★朝風に白鷺の来て田を占むる/柳原美知子
朝の田に、風が連れてきたようにたくさんの白鷺が降り立った。白と緑の印象が鮮やかで、田を占めるほどの白鷺に、目を見張るばかりだ。(高橋正子)
【高橋信之特選/7句】
★蓮の実の真青に雨の降りいたり/高橋正子
蓮の花が散り、瑞々しい青い実をつけた蓮池。静かに雨が蓮の葉を濡らし、実を濡らして青さを深めていきます。日本画を見るようです。(柳原美知子)
★日傘買う母に合わせた花の色/高橋句美子
母子の情が読み手に伝わってくるが情の甘さを感じさせない。そこがいい。(高橋信之)
★晴れの朝一気に蝉が鳴き始む/高橋秀之
上五の「晴れの朝」に続く「一気に」がいい。俳句ならではの良さである。(高橋信之)
★語り合う友とのひととき冷奴/高橋秀之
昔からの仲の良い友達と楽しい話し合いとさっぱりとした美味しい冷奴との対比が素晴らしいですね。 (小口泰與)
親しい友達と冷奴をつつき乍ら、語り合う景色が見える。隣にビールでもあるだろうか?楽しい句である。 (廣田洋一)
★雨宿りしているトンボ朝に会う/ 祝恵子
★蓮池に雲間の空の青ひろげ/柳原美知子
★朝風に白鷺の来て田を占むる/柳原美知子
【高橋正子特選/7句】
★子かまきり柔らかき鎌を構えおり/多田有花
誰が教えたわけでもないのに、子かまきりは身を守るために懸命に威嚇をしています。 (祝恵子)
★山清水リズム良く鳴る鹿威し/廣田洋一
何処かの山を背景にした庭園であろうか?こんこんとわき出す山清水に、鹿威しの音が涼やかで心地良い。 (桑本栄太郎)
★向日葵にわが丈抜かれ空の青/西村友宏
下五に置いた「空の青」がいい。読み手の眼にも鮮明に浮かんでくる「空の青」である。(高橋信之)
★山百合の白い蕾はすっとあり/高橋句美子
すっとありの下五が山百合の白くてかわいい蕾の様子を醸し出してくれています。(高橋秀之)
★夏空へ飛び立つ鳥の水しぶき/高橋秀之
河口の鳥でしょうか。飛び立つ時の水しぶきの勢いと涼しさが青い夏空へと広がっていくようで、しばし暑さを忘れ、やすらぐひと時です。 (柳原美知子)
★雨宿りしているトンボ朝に会う/祝恵子
★蓮池に雲間の空の青ひろげ/柳原美知子
【入選/8句】
★雲海のはるか眼下に道の駅/桑本栄太郎
雲海の切れ目に道の駅を見つけたのでしょうか。ひろびろとした景色が想像できます。(高橋句美子)
★サアーフインの板立てかけて小料理店 祝恵子
海辺の小料理店なんでしょうか。お店の近くに立てかけているサーフボードが夏の海の雰囲気を運んできてくれます。(高橋秀之)
★夜の色をまとう浅間や合歓の花/小口泰與
浅間山が次第に紺色を帯びる頃、合歓の花が優しい紅の花をひらく美しい景が眼に浮かびます。 (柳原美知子)
★父母もいて我は幼し蛍狩り/古田敬二
蛍狩りに故郷を思い、幼き日とうら若い父母の姿がまなうらに浮かびます。いつまでも蛍飛ぶ平和な故郷であってほしいものです。 (柳原美知子)
★シャッター街猫の見上げる江戸風鈴/西村友宏
寂しげなシャッター街。そんな所にもある江戸風鈴の風情。人間社会とは関係の無い猫がこのふたつを繋いでくれました。(高橋秀之)
★遮断機の踏切り開かず片かげり/桑本栄太郎
★渡し場のありしところや夏の川/多田有花
★走馬灯幼き時の遠い道/小口泰與
■選者詠/高橋信之
★蓮咲くと妻と出かけるバスの旅
蓮の花を見ようとご夫婦で出かけられる充実したお暮らしぶりがうかがえます。日常を離れてのバスの旅に心も弾むようです。 (柳原美知子)
★カンナ咲く山へと登る入口に
★今日あればまた明日があり梅雨降れる
■選者詠/高橋正子
★蓮の実の真青に雨の降りいたり
蓮の花が散り、瑞々しい青い実をつけた蓮池。静かに雨が蓮の葉を濡らし、実を濡らして青さを深めていきます。日本画を見るようです。(柳原美知子)
★電線に尾長よく鳴き梅雨夕焼
★山鳩の声は夏山より出でず
■互選高点句
●最高点(5点)
08.子かまきり柔らかき鎌を構えおり/多田有花
子どものかまきりも、親そっくりの姿。小さいながら鎌をもって、構えもするが、一つ違うのは、「やわらかさ」。生まれて間もない子かまきりの生命の柔らかさ、初々しさだ。(高橋正子)
※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も一点として加算されています。
(集計/高橋正子)
※コメントのない句にコメントをお願いします。