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ジャン・アレチボルトの冒険

ジャンルを問わず、思いついたことを、書いてみます。

『Mステ ウルトラFES』の乃木坂「青空」は女性アイドル最長時間、紅白は生田ピアノのバラードか [24Sep15]

2015-09-24 19:00:00 | 芸能
テレビ・ラジオで近々放送される予定の注目番組

[地デ] 9月24日(木)深夜 27 : 25 ~ フジテレビ(関東ローカル)『映画「心が叫びたがってるんだ。」公開記念 乃木坂46の「ここさけ」聖地めぐり旅』
映画公開を記念した番組に、西野七瀬と深川麻衣が出演。
映画公式サイトの「ニュース」ページ


『ミュージックステーション』の30年目突入を記念して行なわれた、昨日の『ウルトラFES』で、乃木坂は、10th選抜が「何度目の青空か?」を披露しました。

13枚目シングルが10月28日(水)に発売されるので、時期的に考えて、西野七瀬&白石麻衣Wセンターの13th選抜が「今、話したい誰かがいる」を地上波で初めてパフォーマンスするのかなと、なんとなく個人的に思っていました。

ところが、蓋を開けてみると、生田絵梨花のピアノ弾き歌いでスタートする「何度目の青空か?」を10th選抜が歌うステージだった。


確かに、音楽祭の趣旨が「誰もが聴いたことのある曲」なので、発売前の新曲を歌う雰囲気ではなかったのだと思います。

しかし、これまで乃木坂が出した曲の中から、なぜ、「何度目の青空か?」が選ばれ、しかもいくちゃんのピアノで始まる形を採用したのか。

さらに、10th選抜フロント左端の松井玲奈ポジションに、なぜ齋藤飛鳥を抜擢したのか。

対称位置である右端の橋本奈々未との年齢バランスを考えると、衛藤美彩か高山一実を上げ、そこに齋藤飛鳥が入った方が、堀未央奈、星野みなみ、あしゅ、斎藤ちはるという高校生グループが3列目に出来て、メンバー配置のコンセプトは明確になります。

なのに、敢えて、あしゅをフロントに置いた。


ミュージックステーションは、高い人気と長い歴史を誇る、国内屈指のメジャー音楽番組で、乃木坂46が、その30年目を記念する特別フェスに出演したことは、一つの快挙と言っていいと思います。

そもそも、1万人アンケートで選んだ「世界に誇るニッポンの歌BEST100」に、乃木坂の曲は入っておらず、「誰もが聴いたことのある曲」をまだ持っていないのだけど、それでも、声を掛けて貰ったわけで、出演自体が大きな実績になる。

そして、これほど重要な番組に臨んで、乃木坂が選択した出演メンバーと楽曲パフォーマンスには、今後の活動を考える上で、大きな意味が含まれている可能性があります。

今日は、昨日のステージを振り返って、乃木坂が「乃木坂らしさ」をどのように作ろうとしているのか、その辺を考えてみます。


まずは、乃木坂ファンにとって、ちょっと嬉しいかもしれない情報から(笑)。

「女性アイドル」というジャンルに属すると思われる歌手が、『ウルトラFES』で披露した楽曲の中で、乃木坂の「何度目の青空か?」は、実は、もっとも長い演奏時間でした。

(表1)『Mステ ウルトラFES』における女性アイドル歌手の楽曲演奏時間

[凡例]
歌手名
演奏時間 = 「曲名」(発売年)

#「演奏時間」は前奏開始から後奏終了までの時間
# メドレーの場合は、1曲目の前奏開始から最終曲の後奏終了までを示し、その下に、各曲の演奏時間を載せている
#「2 : 56」は2分56秒を表す

『MUSIC STATION ウルトラFES』
2015年9月23日(水祝) 12 : 00~ テレビ朝日

ももいろクローバーZ
2 : 47 = 「行くぜっ!怪盗少女」('10)

モーニング娘。'15
2 : 54 =「LOVEマシーン (updated)」('99)

乃木坂46
2 : 56 = 「何度目の青空か?」('14)
# 10th選抜 (松井玲奈ポジ : 齋藤飛鳥)

HKT48・NMB48・SKE48
7 : 37 = グループメドレー
(内訳)
2 : 26 = HKT48「メロンジュース」('13)
2 : 31 = NMB48「ナギイチ」('12)
2 : 27 = SKE48「パレオはエメラルド」('11)

==========(17時以降)=========

初音ミク
2 : 37 =「千本桜」('11)

E-girls
2 : 23 =「Follow Me」('12)

AKB48
7 : 35 = 3曲メドレー
(内訳)
2 : 27 =「ポニーテールとシュシュ」('10)
2 : 05 =「Everyday、カチューシャ」('11)
2 : 56 =「恋するフォーチュンクッキー」('13)


「何度目の青空か?」は、CDに収録されたフルバージョンの演奏時間が4分44秒で、昨日は、2分56秒のステージを貰っています。

後でデータをお見せしますが、2分56秒は、単独コンサートを除いた音楽番組では、過去最長の演奏時間です。

他のアイドルと比べると、ももクロ「行くぜっ!怪盗少女」2分47秒より長く、モーニング娘。'15「LOVEマシーン」2分54秒とAKB48「恋するフォーチュンクッキー」の2分56秒と並んで一番長いステージになっている。

AKB48は、3曲メドレーで、全部を併せたステージの時間は、7分35秒と単独グループとしては最長ですが、個々の楽曲を調べると、「恋するフォーチュンクッキー」にもっとも多く時間が割り振られ、「ポニーテールとシュシュ」と「Everyday、カチューシャ」は、それより30秒、1分ほど短くなっています。


午後5時以降は、番組視聴率が上がるので、2時台に登場した乃木坂の1分と、夜の部に出演したE-girlsやAKB48の1分を単純に比較することは出来ません。

ただ、次のように、乃木坂とあまり変わらない時間帯に登場した大物アーティストは、多くが2分台後半以上の演奏時間で、乃木坂も、意図する楽曲パフォーマンスに必要な時間は、確保出来たと思います。

(表2)『Mステ ウルトラFES』での、乃木坂に近い時間帯に登場した歌手の楽曲演奏時間

[凡例]
歌手名 (演奏開始時刻~終了時刻)
演奏時間 = 「曲名」
#「時刻」は番組開始時刻をゼロ点として、HH:MM:SS形式で表している

山崎まさよし(01:34:48~01:38:18)
3 : 30 =「One more time, One more chance」('97)

エレファントカシマシ(02:00:19~02:02:44)
2 : 25 =「今宵の月のように」('97)

徳永英明 (02:06:49~02:09:34)
2 : 45 =「壊れかけのRadio」('90)

乃木坂46 (02:09:43~02:12:39)
2 : 56 = 「何度目の青空か?」('14)

槇原敬之(03:21:03~03:23:36)
2 : 33 =「どんなときも。」('91)


誤解のないよう一言付記しておきますが、演奏時間がイコールその歌手の「格付け」だと、言っているわけではありません。

個々の楽曲によって、もともとの演奏時間が異なるのだから、ステージの時間が違ってくるのは当然です。

しかし、昨年のNHK紅白歌合戦のように、2分を下回るステージというのは、いくら何でも短過ぎで、プログラムの都合とはいえ、それでは、歌手が表現したいものを十分に出せない危険がある。

今回の『ウルトラFES』では、そういうドタバタした進行はほとんどなく、比較的、ゆったりした割り当てになっていて、そんな中で、乃木坂のステージ時間も、番組側から、1組のアーティストとして、ちゃんと考えて貰っていた、ということです。

そして、これが涙が出るほどに、大事なことなんですね(笑)。


ちなみに、山崎まさよしの「One more time, One more chance」、最高に良かったです(笑)。

この人の歌を聴くと、「ああ、これが歌手なんだ」といつも感動しながら、納得します。

高度な歌唱テクニックに裏打ちされつつ、素朴で深い味わいがあって、聴く者の心に歌詞がダイレクトに忍び込んでくる。

素晴らしいシンガーだと思います。


一方、徳永英明の「壊れかけのRadio」も、私がこれまで聴いたステージの中では、最高の出来だったと感じました。

何と言うか、粘り気のある歌唱で、感情が歌に載っていて、歌詞の世界がありありと目の前に出現したような、そんな迫力があった。

音声の修正技術なんて、彼らの歌声の前では、完全に無意味で、むしろ絶対止めて欲しい小細工でしかない。

かりに音やリズムを外したとしても、それこそが、その歌手のオリジナルであり、個性であり、本当の歌なのだと、思える魅力を持っている。

ミュージックステーションに、初音ミクが登場するという、歴史的なコンサートになった今回(笑)、あらためて、歌とは何かを考えさせられる、人間が渾身の力を込めて仕上げた素晴らしいステージが多かったと思います。


さて、話を戻しましょう。

私が演奏時間にこだわるのは、これまで乃木坂は、多くの音楽祭で、かなりシビアな時間配分を経験してきたからです。

(表3)「何度目の青空か?」の各大型コンサートにおける演奏時間

(CD)
4 : 44 = 乃木坂46「何度目の青空か?」
2014年10月8日(水)発売
乃木坂46の10枚目シングル表題曲

[凡例]
コンサートや企画の名称
演奏時間 = 歌手名「曲名」
放送されたメディア
# 主催者テレビ局が放送している場合は、「放送されたメディア」を省略。

(単独コンサート)

神宮ライブ
4 : 43 = 乃木坂46「何度目の青空か?」
2014年9月14日(日)深夜『乃木坂って、どこ?』

乃木坂46SHOW!
4 : 42 = 乃木坂46「何度目の青空か?」
2014年11月1日(土) NHK BSプレミアム

乃木坂46 Merry X'mas Show 2014
3 : 26 = 乃木坂46「何度目の青空か?」
2014年12月13日(土) スカパー

(テレビ系大型音楽祭)

ベストヒット歌謡祭 2014 (読売テレビ)
2 : 01 = 乃木坂46「何度目の青空か?」
2 : 28 = E-girls「Mr. Snowman」
2014年11月20日(木) 日本テレビ

ベストアーティスト 2014 (日本テレビ)
1 : 33 = HKT48「控えめ I love you!」(SKE48, HKT48, NMB48, AKB48のメドレー内)
1 : 35 = 乃木坂46「何度目の青空か?」
2 : 25 = E-girls「Mr. Snowman」
2014年11月26日(水)

2014 FNS歌謡祭 (フジテレビ)
1 : 59 = HKT48「メロンジュース」(ふなっしーとコラボ)
1 : 58 = 乃木坂46「何度目の青空か?」
3 : 07 = E-girls「Mr. Snowman」「Follow Me」(二曲目はふなっしーとコラボ)
2014年12月3日(水)

MUSIC STATION SUPER LIVE 2014 (テレビ朝日)
1 : 45 = 乃木坂46「何度目の青空か?」
2 : 29 = E-girls「Highschool ♡ love」
2014年12月26日(金)

CDTVスペシャル!年越しプレミアムライブ 2014 -> 2015 (TBS)
2 : 24 = HKT48「控えめ I love you!」
2 : 29 = 乃木坂46「何度目の青空か?」
3 : 03 = E-girls「Mr. Snowman」「Follow Me」
2014年1月1日(木)


この表から、『ウルトラFES』での2分56秒が、なぜ特筆すべきことなのか(笑)、ご理解頂けるかと思います。

去年の『SUPER LIVE 2014』では、同じ「何度目の青空か?」のステージ時間は、たったの1分45秒でした。

しかも、乃木坂の楽曲演奏時間が、HKT48を明確に上回ったのは、私が知る限り、今回が初めてです。

さらに、E-girlsより長いステージというのも、初めて見ました。

ただ、時間帯が違うので、この比較はあまり意味がなく、それより、E-girlsが、番組視聴率が必然的に上がっていく、午後5時以降の第2部に出演していることが重要だと思います。

番組の成否を大きく左右する時間帯を任されている点から、乃木坂は、E-girlsに、まだまだ追いついていないと見るべきで、「ごめんなさいのKissing You」('13)のようなヒット曲を出さない限り、その壁を越えるのは難しいのかもしれません。


『ウルトラFES』において、乃木坂「何度目の青空か?」が、2分56秒という演奏時間を貰えた一番の理由は、私は、生田絵梨花のピアノだと思います。

昨日のステージでは、最初に、ピアノ用にアレンジされた前奏を、いくちゃんがソロで弾き、その後、通常の楽曲に入っていきます。

この前奏部分は、CD収録の曲にはなく、『ウルトラFES』専用に作ったパートのようです。


そして、生田絵梨花のピアノによるこの前奏が、冒頭、26秒続く。

2分56秒から、この前奏部分を除くと、2分30秒で、これはHKT48、NMB48、SKE48の演奏時間とほぼ同じレベルです。

つまり、乃木坂のステージがAKB48G「支店」より長いのは、いくちゃんのピアノ前奏があるからで、もし、それがなければ、何ら変わらない時間になっていた可能性がある。


AKB48Gの同系グループと見られがちな乃木坂が(笑)、紅白出場歌手の選考レースにおいて、独立枠を獲得するには、「乃木坂らしさ」を見せることが不可欠で、運営は百も承知しているでしょう。

そして、今回の『ウルトラFES』で見えてきたのは、取り敢えず、「乃木坂らしさ」とは、生田絵梨花のピアノだということです。

色んなアイドルがいるけど、メンバーのピアノソロで楽曲を始めるグループは、そうは多くない、というより、ほとんどいない(笑)。

そういった斬新でチャンレンジングな音楽パフォーマンスは、番組側の気持ちを動かす説得力を持っている筈で、しかも、ピアノパートはCDにも収録されていない、今回のフェス専用アレンジ。

こういった「乃木坂らしさ」溢れるアプローチが、3分近いステージを実現する大きな原動力になったんじゃないでしょうか。


8月末の神宮ライブでは、さらに凝ったアレンジの前奏を、いちゃんがソロで弾いて、その後、オーケストラが加わり、「何度目の青空か?」が始まった。

このステージは、『真夏の全国ツアー2015』の乃木坂ライブを特徴づけるパフォーマンスとなり、ファンや関係者から高く評価されました。

演奏直後のトークで、生田絵梨花は「乃木坂らしさ」という言葉を語っていて、いくちゃんのピアノソロによる前奏を、運営がコンセプトの中心に据えようとしていることが伝わってきました。

そして、『ウルトラFES』でも、同じ手法によって、「乃木坂らしさ」を演出して、乃木坂独自の演奏時間を確保することに成功した(笑)。

こうなってくると、生田絵梨花のピアノソロスタートは、今後も続く可能性があって、そのゴールは紅白ではないかと考えたくなります。

つまり、神宮ライブも『ウルトラFES』も、「何度目の青空か?」のステージは、紅白の予行演習ではないか、ということです。


そう考えると、この記事の冒頭で指摘した、齋藤飛鳥のフロント抜擢も、重要な意味を持ってくる。

運営は、大舞台であしゅを前に出して、経験を積ませようとしているんじゃないかと。

ステージパフォーマンスは、経験値が大きく物を言う分野で、どんなに歌やダンスが上手くても、場数を踏んでないと、紅白のような超ど級の舞台では、緊張で固まってしまい、何一つ実力が出せず、笑顔すら作れなくなることは珍しくない。

今回のフロント抜擢は、乃木坂運営が、「紅白選抜」において、齋藤飛鳥をかなり重要なポジションに置く意図を持っていると、示唆しているようにも見えます。


秋元康氏は、トークアプリにおいて、来年、アルバムを出す予定があることに言及したそうです。

ただ、コメントの内容から察すると、どうやら、13枚目「今、話したい誰かがいる」のすぐ次という、早い時期には思えない。

となると、アルバムはまだずっと先のことで、13枚目個別握手会の応募受付が14次、15次、16次となる以下の時期に、順番通り、14枚目選抜を発表する可能性が少なくない。

(表4) 13枚目「今、話したい誰かがいる」個別握手会の11月に予定される応募受付スケジュール

13次応募 2015/11/05(木)~11/06(金)
14次応募 2015/11/12(木)~11/13(金)
15次応募 2015/11/19(木)~11/20(金)
16次応募 2015/11/26(木)~11/27(金)


15次応募と16次応募の間に、例年通りであれば、紅白出場歌手の発表がある筈で、この時期に選抜発表があるならば、それが乃木坂の「紅白選抜」になる可能性が高い。

その陣容は分かりませんが、もし「何度目の青空か?」を紅白で披露するならば、生田絵梨花センターの10th選抜をベースにして、齋藤飛鳥がフロントに出てくるようなフォーメーションなのかもしれません。

そして、生田絵梨花のピアノソロによって楽曲を始める、「乃木坂らしさ」を前面に出した、パフォーマンスになるのでしょう。

少なくとも、現時点で、運営はそういうプランを持っているように思えます。


しかし、昨日のステージを観ていると、現状の「乃木坂らしさ」では、まだまだアピール力が不十分だと感じました。

いくちゃんのピアノ前奏は素晴らしい出来で、その後、メロディが入って、ソロで弾き歌いをするパートも良かった。

ややかすれ気味になる低音から、伸びやかで美しい高音への移行は、生田絵梨花の魅力的な声を十分に堪能できる歌唱で、時折のブレス音も美少女のちょっと色っぽい吐息といったプラス効果があって(笑)、これが乃木坂じゃあ~!と叫びたくなった。

最近の音声技術は凄まじいので100%かどうかは分からないけど、この歌唱は、ほぼ生歌だと思います。


ここまでは、「乃木坂らしさ」が存分に出ているのだけど、この後が続きません。

西野七瀬と白石麻衣の歌唱パートは、生歌比率が高かったけど、声に張りが乏しく、生田絵梨花が盛り上げた雰囲気を繋ぐ歌唱になっていない。

しかも、担当パート最後の「見ないふりをしていたんだ」は、移動に気を取られたのだと思うけど、素人でも分かるレベルで音を外している。


さらに、齋藤飛鳥&橋本奈々未と生駒里奈&桜井玲香は、ほぼ口パクだと思います。

特徴のあるあしゅの声が耳に入ってこず、松井玲奈の声がしたような、しないような(笑)。

さらに、桜井さんは口元からマイクを大きく外しているのに、しかっりキャプの声が聴こえてくる。

一生懸命な口パクというのも変な話だけど(笑)、そういう物語設定なら、やり切った方がいいかと。


結局、生田絵梨花のスタートは素晴らしいのだけど、そこで終わっていて、「一の矢」のレベルを受け継ぐ、二の矢、三の矢が放てておらず、尻すぼみになっている感がある。

「乃木坂らしい」がいくちゃんのピアノ弾き歌いで止まっていて、次の手がないことが問題です。

ただ、解決策は簡単で、歌えるメンバーを、二番手、三番手に並べればいい。

桜井玲香、川村真洋、中元日芽香、衛藤美彩、深川麻衣、能條愛未など、乃木坂には歌えるメンバーがいるので、この中から、音域や歌声のイメージが楽曲に合っている人を抜擢して、出来るだけソロで歌わせる。

いくちゃんの歌唱を受け継ぎ、次に繋げていくことが出来れば、歌声の分野で新たな「乃木坂らしさ」が誕生するでしょう。


前々回の記事で指摘しましたが、全国ツアーの観客動員15万人から考えて、乃木坂46に関心を持つ層は、コアファン、ライトファン、ソフトファンを併せて、全国で100万人程度じゃないかと思います。

西野白石Wセンターは視聴率の壁を越えられるか、能條愛未を起用する『NOGIBINGO!』が示すもの [15Sep15]

そして、100万人全員が大晦日に乃木坂が出場する紅白を観たとしても、視聴率の押し上げ効果は1%ほどです。

紅白は30%を越える人気音楽番組なので、乃木坂に何の関心もない人々が、ファンの30倍ちかくお茶の間で乃木坂のステージを観る状況が生まれる。

例えるならば、神宮ライブを観ている3万人の後ろで、乃木坂に興味のない90万人がファンと同じくステージを注視しているわけです。

実際には、視聴率30%なら、全国で2千万を越える人が観ている筈で、通常の音楽番組とは、ちょっと桁が違ってくる。


そんな大勢の心を掴むステージを考えるとき、可愛いから歌やダンスが少々下手でも構わないという、私を含む既存ファンの発想は(笑)、捨て去った方がいい。

白石麻衣がどんなに美人でも、星野みなみがどんなに可愛くても、楽曲パフォーマンスを披露するステージで万人を惹き付ける魅力がなければ、紅白ではあまり意味がない。

今のところ、生田絵梨花がピアノの弾き歌いを、相当なレベルでこなせるという点が、お茶の間の関心を呼び込む、有効なアピールポイントですが、上で述べたように、これだけでは不十分です。


14th選抜を「紅白選抜」として組むのであれば、歌唱力のあるメンバーを前に出して、音域と声質を考慮した歌割りを作ることが、絶対に必要だと思います。

それは生田絵梨花のピアノに次ぐ、第二の「乃木坂らしさ」を模索する作業でもあって、紅白のステージはその良い切っ掛けになるんじゃないでしょうか。

個人的には、さらに、「ここにいる理由」や「別れ際、もっと好きになる」のように、ダイナミックな全体ダンスを取り入れて、その辺の面白さを第三の「乃木坂らしさ」にして欲しい。

マーチングバンドのようなフォーメーション変化は、目が離せなくなる派手さがあって、しかも個々人のダンススキルの向上を待つより、短時間の練習で一定の成果を期待できます。

もともと、「制服のマネキン」で冒頭、いくちゃん、生駒ちゃん、みなみが飛び出て来るシーンや、「バレッタ」の堀ちゃんの花道ダンスなど、乃木坂には思い切ったフォーメーション展開の伝統がある。

「何度目の青空か?」は、おそらく全編生歌を前提に振り付けたからだと思いますが、ダンスが地味で、歌わないのであれば、見せ場がなくなってしまいます。

ダンスの面で「乃木坂らしさ」、つまり乃木坂独自のアピールポイントを、追求することはかなり重要じゃないでしょうか。


『ウルトラFES』は、午後7時台にゆずが登場して「栄光の架け橋」('04)を歌いました。

表には載せませんでしたが、演奏時間は5分15秒で、フルバージョンに近い力のこもったステージでした。

感銘を受けたのは、最後、二人がマイクから離れ、自分たちの生の声だけで歌ったことです。


コンサートホールであれば、マイクを使わず、観客に直接、声を届けるのはあり得ることですが、ゆずは、それをテレビで行なった。

もちろん、お茶の間にいる我々は、何らかのマイクを通した声でないと、視聴出来ないんですが、それでも彼らは、生歌パフォーマンスを披露した。

ここには、高度で複雑な音声加工技術によって、キレイに整地された歌声ではなく、本当の自分たちの声を聴いて欲しいという、アーティストとしての、切なる願望が込められているように、私は感じました。

目の前にあるマイクを通してしまうと、何をされるか分からない、音が小さくなってもいいから、少しでも自分たちの生の声に近いものを、テレビの前に座っている人々に届けたい。


大規模特典商法によるCDセールスや発達し続ける音声加工技術。

歌手という存在の意義がこれほど深刻に問われている時代は、かつてなかったと思います。

正規のマイクを通さないゆずの声は小さかった。

しかし、彼らの思いは、多くの人の心の中で、大きく鳴り響いたんじゃないでしょうか。

乃木坂も時代の荒波に揉まれながら懸命に進んでいるアーティストとして、自分たちの現実のあり方を模索しながらも、夢を見失わず、本当の「乃木坂らしさ」を見つけて欲しい、そう願っています。


関連サイト

『MUSIC STATION ウルトラFES』のテレビ朝日公式サイト

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2014年7月 ~
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 ~ 関連記事の目次 (01Jul14 ~)

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アレチの素敵な乃木坂業務連絡 ~ 関連記事の目次 (01Nov13 ~ 28Jun14)

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// 乃木坂メンバーが出演する映画・舞台・テレビ番組

[地デ] 毎週金曜 24 : 12 ~ テレビ東京『初森ベマーズ』
乃木坂46が主要役を独占する初の連続「単独」ドラマ。
テレビ東京の番組公式サイト

[映画] 『悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46』が全国ロードショー
7月10日(金)からTOHOシネマズ新宿ほか各地の映画館
乃木坂による単独主演映画。7月10日(金)と11日(土)に全国でメンバー参加の舞台挨拶。
映画の公式サイト
舞台挨拶のスケジュール

[映画] 『コープスパーティ』が8月1日(土)から全国ロードショー
シネリーブル池袋ほか各地の映画館
生駒里奈の初主演映画。7月23日(水)19 : 00より、ユナイテッド・シネマ豊洲にて、舞台挨拶付きの完成披露試写会。
映画『コープスパーティ』の公式サイト
乃木坂公式サイトの試写会に関する記事

[映画] 『心が叫びたがっているんだ。』が9月19日(土)から全国ロードショー
乃木坂46が主題歌「今、話したい誰かがいる」を担当。9月24日(木)深夜に、フジテレビ関東ローカルが、西野七瀬と深川麻衣が出演する記念番組を放送。
映画『心が叫びたがっているんだ。』の公式サイト


// 星野みなみの溢れる魅力

7月18日14:18 星野みなみ

乃木坂の風 09Oct13 ~ 星野みなみが放つ紺碧の輝き、代々木ライブの魅力と今後を考える

乃木坂の風 16Sep13 ~ 「みさ、原宿行くの?」、星野みなみに激怒する衛藤美彩! in 乃木坂の「の」

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// 特集ページ

アレチの素敵な乃木坂業務連絡 10Jul13 ~ えくせれんとブログの目次

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# 記事中の青字部分は、テレビ番組、公式サイト、書籍、歌の歌詞などに、掲載されたものを、そのまま抜粋引用したことを表しています

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