AKB48Gの今年度分CDセールスが大体判明してきたので、今日は、乃木坂46が、大晦日の第66回NHK紅白歌合戦に出場できるのかどうか、現時点でのデータを整理する意味からも、少し考えてみます。
乃木坂の場合、紅白の可能性を探るとき、昨年11月に起こった、出場歌手発表直前での「内定取り消し」は避けて通れない出来事です。
なぜなら、もし、2014年10月に出た松村沙友理の文春記事が、「取り消し」の原因であるならば、今年の紅白出場は絶望的で、それどころか、これから数年間、乃木坂が選考対象から外される可能性すらあります。
NHK側が出場を内定し、その旨を暗に伝えていた歌手に対して、発表直前で約束を反古にするのは、相手事務所との関係を著しく損ねかねません。
にも関わらず、敢えて内定を取り消したのであれば、余程の理由があったことになる。
その理由が文春記事であるなら、紅白の選考委員会は、一連の報道を、深刻な「スキャンダル」と受け止めたことになります。
そして、ある年の選考委員会が、深刻な「スキャンダル」を根拠に、乃木坂というグループは紅白に相応しくないと判断したのであれば、1年間、週刊誌沙汰がなかった程度で、翌年、乃木坂が「復権」するとは思えず、少なくとも何年かは、「干される」ことを覚悟する必要がある。
つまり、乃木坂は、NHKから「スキャンダル」を起こす危険なアイドルというレッテルを貼られたわけです。
従って、昨年の「内定取り消し」が文春記事によるものであれば、今年、乃木坂が紅白に出場できるかどうかは、議論するだけ無駄ということになります。
「内定取り消し」の原因は、二重権力による選考の「混乱」か
しかし、「内定取り消し」の原因は、文春「スキャンダル」ではなく、NHK側の二重権力構造による、選考の「混乱」だった可能性が高いと思います。
昨年の12月25日(木)、NHKは紅白での曲目と曲順を発表します。
この二つを同時に発表すること自体、異例のことだそうですが、記者会見で、さらに異例なことが起きています。
NHKから提示されたリストには、出場が噂されていたサザンオールスターズと中森明菜の名前がなく、記者からの質問に対して、紅白のチーフプロデューサーは「サプライズはない」と断言します。
ところが、1時間後に、今度は広報から、チーフプロデューサーの先ほどの発言には、「現時点では」という言葉が抜けていたとの説明があり、「サプライズはない」を撤回。
チーフプロデューサーが紅白選考のすべてを仕切っているとは思えない出来事で、明らかに別の勢力が存在して、その人たちが、サザンや中森明菜など、特定の大物アーティストを出演させようとしてることを窺わせる会見でした。
そして、確かに、紅白後半の主役となった大物アーティストとの交渉役として、週刊誌やスポーツ新聞に、チーフプロデューサー以外の名前が出ていました。
チーフプロデューサーを軸とする「正規」の選考グループは、おそらくNHKの通常音楽番組を任されている人たちで、そういった大物アーティストの、中継や録画による出演に乗り気でなかったのかもしれません。
自分たちが手掛けている番組に出演した歌手、しかも大晦日NHKホールに来てくれる人、例えば、SEKAI NO OWARI や May J. などを中心に選考を進めるのは当然で、その中に、乃木坂46も入っていたのだと思います。
一部スポーツ新聞は、この「正規」グループの誰かに太いパイプを持っていて、内定情報が次々と紙面を飾り、乃木坂46の名前もそこにあった。
一方、中島みゆきやサザン、まして中森明菜となると、一線の音楽プロデューサーでも、会ったことすらない人が少なくない筈で、交渉役はごく限られてくる。
そして、「正規」とは異なる、少数の人が、個人的なつながりを使って交渉を行い、長尺を必要とする、大物アーティストの出演が、何組も決まっていくことに、抵抗を感じる選考委員がいても不思議ではない。
2013年大晦日の第64回紅白では、AKB48、SKE48と共にNMB48が初出場を果たし、48Gが3枠を占めています。
この紅白の後、「秋元康は乃木坂をもねじ込もうとしていた」という記事がネットに流れました。
秋元氏が本当に動いたかどうかは分かりませんが、AKB48G3枠プラス乃木坂1枠という構想は、2014年の第65回紅白の舞台裏に引き継がれた可能性が高く、おそらく発表直前まで、NHKの選考委員会も承諾していた。
しかし、11月26日(水)の出場歌手発表が近づくにつれ、大物アーティストをサプライズ出演させることを目指す、別勢力の動きが激しくなり、結局、中島みゆきの出場が直前に決定したことで、乃木坂の1枠が消えてしまった。
相手事務所との関係にヒビが入るかもしれない、直前での「内定取り消し」になってしまったのは、NHK内部の選考を巡るバトルの中で、最初に構想した「正規」のセットリストを、急遽、本当に急遽、修正せざるを得なくなったからじゃないでしょうか。
もし、文春「スキャンダル」を問題視する声があったのなら、メンバーが出場を確信するほど、そこまで明確に、乃木坂に声を掛け、指原莉乃など中軸メンバーが記者会見に出席出来ないほど、直前までHKT48に打診しないなんて、あり得ないことです。
選考を巡るせめぎ合いは、さらに続き、本番1週間前の曲目曲順発表に至っても、チーフプロデューサーの「サプライズなし」が「サプライズあり」に変更させられるほど激しかった。
曲目発表の後、1週間してから曲順発表という通例を破り、本番1週間前の同時発表となり、しかもそのリストに名前が載っていないアーティストが大晦日に長尺で登場した。
これらはギリギリまでNHK内部で攻防が続いたことを物語っています。
「スキャンダル」ではなく、出場歌手選考を巡る「混乱」が乃木坂の「内定取り消し」につながったというシナリオは、年明け早々から、乃木坂46が、『乃木坂46SHOW!』や『Rの法則~乃木坂特集』など、NHKの通常番組に、ばんばん出演している流れを上手く説明します。
先日の『MUSIC JAPAN』では、まだ衣装すら決まっていない「欅(けやき)坂46」が、テレビ初登場を果たしたそうで、そこまで細かく乃木坂側に配慮してくれるのは、紅白選考委員が文春「スキャンダル」に怒って、乃木坂の内定を取り消したとの前提では、到底ありえない話だと思います。
おそらく、多くのファンは、紅白落選後も、NHKが乃木坂を頻繁に起用してくれる状況から、文春「スキャンダル」の影響が気になりつつも、「今年は大丈夫だろう」と楽観的な見通しを持てているんじゃないでしょうか。
『悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46』は、紅白落選が文春「スキャンダル」と絡んでいるかのような方向で描かれているようですが、昨年の暮れ、もしガチでNHKが記事を問題視したのだとすれば、それに触れるような映画を、運営は許可しないと思います。
文春記事と内定取り消しが関係ないことを薄々分かっているから、「ドキュメンタリー」物語のスパイシーな味付けとして、「スキャンダル」を取り上げるわけで、もし本当だったら、NHKをさらに刺激する危険のあることは、一切しないでしょう。
まあ、NHKから「スキャンダル」アイドルというレッテルを貼られてしまったのなら、刺激するもなにも、何をやっても、紅白は無理ですが(笑)。
48GのCDセールスが直面する、特典イベントの止まらない規模拡大と店頭販売の不振
では、これで乃木坂は、ほぼ確実に紅白に出られるかとなると、それは全然別の話です(笑)。
BABYMETALやでんぱ組.incなど、強力なライバルがいますが、やはり一番問題になるのは、同系グループであるAKB48Gでしょう。
48Gとの関係から、乃木坂枠の行方が決まるのは、今年も変わりない筈で、とくに「支店」の勢いは非常に気になる。
そこで、48Gの最近の楽曲セールスを見ておきましょう。
まずはAKB48から。
(表1) AKB48シングルCD売り上げの総選挙サイクル
凡例
総選挙サイクル記号 : オリコン初動 (一般販売第1週売り上げ[一般販売CDの特典イベント], 一般販売寄与率%, 特定販売第1週売り上げ[特定販売CDの特典イベント]) 発売日「タイトル略記」
# 枚数はすべて万枚単位で、小数点以下1桁目を四捨五入
#「一般販売第1週売り上げ」は発売第1週にサウンドスキャンTOP20入りしたすべての盤種の売り上げ枚数合計
#「特定販売第1週売り上げ」は「オリコン初動」から「一般販売第1週売り上げ」を引いた数字
#「一般販売寄与率」は「一般販売第1週売り上げ」を「オリコン初動」で割った比率。%表示で小数点以下2桁目を四捨五入
#「全」全国握手会、「個」個別握手会。続く数字は開催日数
# 下記シングルの発売第1週オリコン順位はすべて1位
2011年度
A 21枚目:133 (54, 40.8%, 79[個3]) 2011/05/25「Every」
B 22枚目:135 (49, 36.4%, 86[個3]) 2011/08/24「フラゲ」
C 23枚目:130 (38, 29.4%, 92[個3]) 2011/10/26「風は吹」
D 24枚目:120 (22, 18.7%, 97[個3]) 2011/12/07「マリコ」
E 25枚目:129 (50, 38.8%, 79[個3]) 2012/02/15「GMF!」
2012年度
A 26枚目:162 (73, 45.3%, 88[個3]) 2012/05/23「真夏」
B 27枚目:118 (45, 38.2%, 73[個3]) 2012/08/29「ギンガム」
C 28枚目:113 (40, 35.3%, 73[個3]) 2012/10/31「UZA」
D 29枚目:107 (26, 24.6%, 81[個3]) 2012/12/05「永遠」
E 30枚目:104 (33, 31.9%, 71[個3]) 2013/02/20 「SoL!」
2013年度
A 31枚目:176 (59[全7], 33.2%, 118[個4]) 2013/05/22「クロール」
B 32枚目:133 (44[全7], 33.0%, 89[個4]) 2013/08/21「恋する」
C 33枚目:120 (31[全7], 25.5%, 90[個4]) 2013/10/30「エレキ」
D 34枚目:103 (20[全7], 19.7%, 83[個4]) 2013/12/11「鈴懸」
E 35枚目:109 (24[全7], 21.6%, 92[個5]) 2014/02/26 「前しか」
2014年度
A 36枚目:166 (49[全7], 29.4%, 117[個4]) 2014/05/21「レトリバー」
B 37枚目:101 (23[全7], 22.8%, 78[個4]) 2014/08/27「プラカード」
C* 38枚目:113 (21[全7], 18.7%, 92[個6]) 2014/11/26「希望的」
D* 39枚目:100 (18[全7], 18.2%, 82[個7]) 2015/03/04「Green Flash」
2015年度
A 40枚目:167 (43[全7], 25.6%, 125[個3]) 2015/05/20「戦わない」
B 41枚目:128 (16[全7], 12.6%, 112[個6]) 2015/08/26「ハロウィン」
41枚目「ハロウィン・ナイト」は、オリコン初動が128万枚に達し、昨年同時期のBシングルである37枚目「心のプラカード」の101万枚を大きく越えています。
しかし、CDセールスの内容を調べると、決して、人気が回復しているとは言い難い。
とくに厳しいのは、初回限定盤と通常盤を併せた店頭販売で、「総選挙」選抜が担当するBシングルとしては、ついに初めて20万枚を割り込み、16万枚にまで下がってしまいました。
2011年度のBシングル「フライングゲット」は49万枚なので、この4年間で、実に3分の1に縮小したことになる。
しかも、店頭販売第1週が16万枚というのは、2011年度以降の全シングル中、最低の数字で、全国握手会など、よりライトな層に向けたイベントが人気を失いつつある現状が浮き彫りになっています。
一方、個別握手会の日数は、37枚目の4日から、41枚目で、6日にまで引き上げられている。
確かに、握手会セールスは、37枚目78万枚から41枚目112万枚と1.4倍ほど伸び、これが初日ミリオンにつながったのですが、AKB48、SKE48、NMB48、HKT48がすべて参加する超大規模握手会を2日も増やすのは、膨大な経費が掛かる上に、メンバーの肉体的、精神的負担も、そろそろ限界を越えるレベルに入っている心配がある。
握手会の効率ではなく、規模を拡大することで、売り上げ枚数を何とか稼いでいるものの、初回限定盤などの店頭販売は減少傾向に歯止めが掛からず、こういった一般販売分の全売り上げに占める割合は、過去最低の12.6%にまで落ち込んでいます。
つまり、CDセールスの実に9割近くが個別握手会によるもので、極めて歪な販売構造です。
ミリオンを維持するために、無理に無理を重ねている感じで、ん~、正直、これまで目にしたことがないほど、シビアな状況になってきました。
とくに、収支は大丈夫なんでしょうか、特典イベントの急激な規模増大に、売り上げが追いついている風に見えないんですが。
しかし、とにもかくにも連続ミリオンは途切れておらず、「総選挙」の中継番組が20%弱の平均視聴率を稼ぐなど、AKB48は、じりじりとした人気低落に苦しみながらも、芸能社会において、依然として影響力を維持している。
従って、AKB48が紅白出場を逃すことはまずなくて、単独1枠の確保は間違いないでしょう。
但し、少なくとも今年は、という条件が付きますが(笑)。
次は、SKE48です。
(表2) SKE48シングルのオリコン初動推移
# (表1)と同じスタイルだが、発売日前の{括弧}内は、2015年9月7日付オリコンウィークリーまでの累計売り上げ枚数
# 枚数はすべて万枚単位で、小数点以下2桁目を四捨五入
#「個t」チーム別個別握手会、「MC」はミュージックカード、「卒」は松井玲奈卒業イベント。
# 下記シングルの発売第1週オリコン順位はすべて1位
12枚目 : 51.1 (16.7[全6], 32.6%, 34.4[個6]) {66.2} 2013/07/17「美しい稲妻」
13枚目 : 44.9 (14.8[全6], 32.9%, 30.1[個6]) {57.0} 2013/11/20「賛成カワイイ!」
14枚目 : 39.8 (11.9[全3L6], 29.8%, 27.9[個7]) {50.5} 2014/03/19「未来とは?」
15枚目 : 32.4 (10.3[全2], 31.7%, 22.1[個5個t4]) {46.4} 2014/07/30「不器用太陽」
今年度紅白出場選考の対象と考えられるシングル
16枚目 : 38.6 (08.8[全0], 22.9%, 29.8[個8]) {45.3} 2014/12/10「12月のカンガルー」
17枚目 : 64.0 (08.9[全3], 13.9%, 55.1[個8MC]) {70.2} 2015/03/31「コケティッシュ渋滞中」
18枚目 : 37.0 (11.6[全?卒2], 31.3%, 25.4[個7]) {39.5} 2015/08/12「前のめり」
今年の紅白選考対象となるシングルは、上表、空白行以下に示された、16枚目、17枚目、18枚目の三つだと思います。
オリコン初動はその時の事情で変動するので、むしろ、{括弧}内の累計売り上げ枚数の方が傾向を掴みやすい。
12枚目「美しい稲妻」は60万枚を優に越える売り上げですが、その後、シングルごとに減少、16枚目「12月のカンガルー」では、45万枚まで下がっています。
17枚目「コケティッシュ渋滞中」は、ミュージックカードという「魔法の杖」を使ったので(笑)、数字上、70万枚を越える累計を記録していますが、18枚目「前のめり」は、今のところ、16枚目をさらに割り込んで、40万枚程度に留まっています。
SKE48も、店頭販売が奮わず、13枚目から落ち続け、16枚目と17枚目は10万枚を下回っています。
おそらく、松井玲奈の卒業イベントによる効果だと思いますが、18枚目は少し持ち直していて、これを次に繋げられるかどうかが、今後のCDセールスを左右するポイントになるでしょう。
ただ、AKB48と同様、個別握手会の日数が、徐々に上がっているのが気になります。
AKB48との合同握手会が6日ある上に、自分たちの握手会を7日、あるいは8日と開くのは、さすがに異常じゃないでしょうか。
売り上げが一時的に落ちたとしても、総日数は抑えた方が良いと思いますが、無理なんでしょうね(笑)。
しかし、NMB48は、SKE48を上回る日数の特典イベントを設定しています。
(表3) NMB48シングルのオリコン初動推移
# (表2)と同じスタイル
#「ミニ」ミニ握手会、「写」写メ会、「サ」サイン会。
# 下記シングルの発売第1週オリコン順位はすべて1位
07枚目 : 48.2 (12.5[全3ミニ14], 26.0%, 35.6[個6]) {55.9} 2013/06/19「僕らのユリイカ」
08枚目 : 37.5 (08.3[全3], 22.0%, 29.2[個6写2サ2]) {50.9} 2013/10/02「カモネギックス」
09枚目 : 40.7 (08.0[全3], 19.8%, 32.6[個7写2]) {45.2} 2014/03/26「高嶺の林檎」
今年度紅白出場選考の対象と考えられるシングル
10枚目 : 42.0 (07.6[全1], 18.6%, 33.1[個7写3]) {50.0} 2014/11/05「らしくない」
11枚目 : 44.7 (12.6[全?L1], 28.2%, 32.1[個9写4]) {53.0} 2015/03/31「Don't look back!」
12枚目 : 37.1 (08.1[全?], 21.7%, 29.1[個7写3]) {41.5} 2015/07/15「ドリアン少年」
13枚目 : [全?][個7写2] 2015/10/07「タイトル未定」
累計売り上げ枚数は、50万枚を何とか維持していますが、10枚目以降は、握手会と写メ会を併せて、10日以上が課されていて、常軌を逸したスケジュールです。
もう、1年を通して、土日祝日は、ほとんど特典イベントという状態じゃないでしょうか。
乃木坂の1シングル当たり全国3日&個別6日でも多過ぎるのに、自分の握手会にプラスして合同握手会6日ですから、想像するだけで目眩がします。
次は、HKT48です。
(表4) HKT48シングルのオリコン初動推移
# (表2)と同じスタイル
#「指」は指原莉乃ソロ企画、「船」は船上パーティ、「S」はHKT48によるショーイベント。
# 下記シングルの発売第1週オリコン順位はすべて1位
01枚目 : 25.0 (09.2[全5指1], 37.0%, 15.7[個3写2]) {29.2} 2013/03/20「スキ!スキ!スキップ!」
02枚目 : 26.9 (09.2[全3], 34.3%, 17.7[個4]) {30.6} 2013/09/04「メロンジュース」
03枚目 : 27.7 (08.0[全3], 28.9%, 19.7[個4船2]) {33.1} 2014/03/12「桜、みんなで食べた」
04枚目 : 27.8 (08.1[全2], 29.0%, 19.7[個4S2]) {31.9} 2014/09/24「控えめI love you!」
今年度紅白出場選考の対象と考えられるシングル
05枚目 : 27.8 (07.2[全3], 25.9%, 20.6[個6]) {32.9} 2015/04/22「12秒」
HKT48は、累計が30万枚で一定していますが、5枚目「12秒」では、個別握手会を6日に増やしている。
今後、日数と部数を増やさず、CDセールスを上げられるかどうかがポイントで、それが出来なければ、先行グループと同じく、どんどん苦しくなっていきます。
ところで、そろそろ6枚目を発売する時期の筈なんだけど、アナウンスはあったんでしょうか?
シングルを出す頻度をあまりに落とすと、存在感が薄まってしまうので、年2枚のペースは維持した方が良いと思うのですが、AKB48のシングルもあって、難しいんでしょうか。
効率の良いCDセールスと好調なダウンロード配信が勢いを感じさせる乃木坂
さて、いよいよ、乃木坂46です。
(表5) 乃木坂46シングルのオリコン初動推移
# (表2)と同じスタイルだが、「一般販売第1週売り上げ」は、サウンドスキャンTOP20に初回限定盤しかランクインしていないときは、それらの合計枚数の4%を通常盤売り上げ、4.5%をアニメ盤売り上げと推測して、全タイプの合計を求めている
#「茶」はお茶会、「絵」は似顔絵会、「L絵」はライブと似顔絵会の同日イベント、「サ」はサイン会、「seL」はセブンイレブン限定ライブで全国握手会と同日イベント。
# 下記シングルの発売第1週オリコン順位はすべて1位
07枚目 : 39.5 (09.0[全3茶1], 22.8%, 30.5[個別6]) {51.6} 2013/11/27「バレッタ」
08枚目 : 45.8 (11.8[全3茶1], 25.7%, 34.0[個別6]) {54.7} 2014/04/02「気づいたら片想い」
09枚目 : 42.2 (11.0[全3茶1], 26.2%, 31.1[個別6]) {52.7} 2014/07/09「夏のFree&Easy」
10枚目 : 47.9 (11.7[全1絵1L絵2], 24.5%, 36.2[個別7]) {61.9} 2014/10/08「何度目の青空か?」
今年度紅白出場選考の対象と考えられるシングル
11枚目 : 50.0 (15.0[全3サ1], 30.1%, 35.0[個別6]) {62.0} 2015/03/18「命は美しい」
12枚目 : 60.9 (19.5[全3seL3], 32.1%, 41.4[個別6]) {65.4} 2015/07/22「太陽ノック」
13枚目 : [個別6] 2015/10/28「今、話したい誰かがいる」
# 12枚目のCDセールスに関しては、以下の記事をご参照下さい。
「太陽ノック」初動再分析、SE販売分はSSに入らず、初回限定盤セールスが前作越えした可能性 [12Aug15]
乃木坂は、10枚目「何度目の青空か?」で、累計60万枚を突破して以来、11枚目「命は美しい」と12枚目「太陽ノック」で共に60万越えを維持しています。
しかも、個別握手会は6日に据え置きながら35万枚以上、店頭販売は、全国握手会3日で15万枚程度を達成している。
特典イベントは多いけど、AKB48Gに比べると、より小さい規模で、より大きなCDセールスを叩き出していて、極めて効率が良い。
とくに、48G各グループが軒並み苦戦している店頭販売が好調なことは、今後に期待を抱かせる点で、13枚目「今、話したい誰かがいる」も、特典イベントの規模を引き上げることなく、60万枚を越える累計になる可能性が高い。
さらに、乃木坂の楽曲セールスは、ダウンロード配信が強い。
iTunes Store トップソングで、「何度目の青空か?」と「命は美しい」はベスト3、「太陽ノック」はベスト5にランクインしています。
48G「支店」の表題曲はほとんどベスト10入りせず、AKB48の表題曲でもベスト5入りが珍しいことを考えると、配信では、現在、乃木坂46が48Gを凌駕していると見ていいと思います。
もちろん、乃木坂が良いと言っても、例えば、ゲスの極み乙女。「ロマンスがありあまる」のように、長く上位に留まるような曲はまだなく、数日で上位から落ちてしまう脆さがあって、本格的なヒットには至っていない。
ただ、今の勢いを保っていれば、どこかで配信のヒットに辿り着く、そんな可能性は感じさせます。
あと一歩というところでしょうか。
48Gと比べて、より小規模な特典イベントで、より大きな売り上げを達成する、効率の良いCDセールス。
さらに、短期間ながら、ベスト3やベスト5に食い込むダウンロード配信。
この二つが、今、乃木坂の「セールスポイント」で、「勢いがある」と言われる所以だと思います。
このまま、歌とダンスのクオリティを、さらに向上させる意識を持てば、乃木坂の知名度が上がりつつあることから、「ヒット」と呼べる世界に手が届くような気がします。
一段上の坂から、違う景色を見たいですね、みんなで一緒に(笑)。
優先されるSKE48とNMB48、後回しになるHKT48
今年の紅白選考では、AKB48Gと乃木坂46を併せて3枠という条件になっても、昨年と違って、48G運営に2枠を飲ませ、乃木坂の単独枠を認めさせるだけの実績はあると思います。
ただ、次のNHK連続テレビ小説『あさが来た』の主題歌「365日の紙飛行機」は、山本彩センターのAKB48が歌うそうで、この辺、48Gも、紅白へ向け抜かりなく手を打ってます。
『あさが来た』は大阪放送局制作で、その関係から、NMB48の山本彩という流れになっているのかもしれません。
また、SKE48は、ミュージックカードの効果とはいえ、「コケティッシュ渋滞中」の初動と累計が乃木坂を上回っており、オリコン年間ランキングの上位に食い込むでしょう。
こちらも、数字という形で、爪痕を残していて、やはり、NMB48とSKE48の紅白出場は堅い、というより48G運営が意地でも押し込んでくる、という気がします。
一方、HKT48は、総選挙1位の指原莉乃がリーダーなので、連続2回目は鉄板だと思っていましたが、最近、さっしーをAKB48に戻すという話が出ていますね。
6枚目シングルの行方も分からず、NGT48が出来たこともあって、48Gの中で、やや存在感が落ちているように見えなくもない。
AKB48、SKE48、NMB48の人気がじりじり下がりつつあるため、48G運営の関心がHKT48にまで回らなくなっているんでしょうか。
もし、HKT48が10月までにシングルを出さなければ、紅白選考の対象となるのは、5枚目「12秒」だけになって、アクティビティの高さが求められるアイドルとしては、評価が低くなる危険がある。
そう考えると、今年の紅白は、AKB48、SKE48とNMB48のメドレー、乃木坂46という可能性もあり得ます。
48G運営は、HKT48をどうプロモーションしていくつもりなのか、その辺のビジョンが、今年の紅白に影響してくるかもしれません。
最後に、有線の成績を載せておきます。
(表6) 2015年9月4日付時点における有線ランキング成績
凡例
シングルNo. 有線ランクイン回数 [最高順位] 曲名 (発売日)
# 「*(67位/0904付)」は9月4日付ランキングで67位の意味
AKB48
38枚目 13回 [1位] 希望的リフレイン (2014/11/26)
39枚目 14回 [4位] Green Flash (2015/03/04)
40枚目 15回*(67位/0904付) [1位] 僕たちは戦わない (2015/05/20)
41枚目 02回*(1位/0904付) [1位] ハロウィン・ナイト (2015/08/26)
SKE48
16枚目 9回 [36位] 12月のカンガルー (2014/12/10)
17枚目 9回 [31位] コケティッシュ渋滞中 (2015/03/31)
18枚目 --回 [--位] 前のめり (2015/08/12)
NMB48
10枚目 2回 [111位] らしくない (2014/11/05)
11枚目 --回 [--位] Don't look back! (2015/03/31)
12枚目 6回*(45位/0904付) [19位] ドリアン少年 (2015/07/15)
HKT48
1枚目 15回 [19位] スキ!スキ!スキップ! (2013/03/20)
2枚目 17回 [12位] メロンジュース (2013/09/04)
3枚目 12回 [10位] 桜、みんなで食べた (2014/03/12)
4枚目 15回 [15位] 控えめI love you! (2014/09/24)
5枚目 -回 [--位] 12秒 (2015/04/22)
乃木坂46
07枚目 00回 [圏外] バレッタ (2013/11/27)
08枚目 20回 {-1週目} [8位] 気づいたら片想い (2014/04/02)
09枚目 00回 [圏外] 夏のFree&Easy (2014/07/09)
10枚目 17回 {-2週目} [15位] 何度目の青空か? (2014/10/08)
11枚目 06回 {+3週目} [63位] 命は美しい (2015/03/18)
12枚目 03回*(53位/0904付) {+3^4週目} [50位] 太陽ノック (2015/07/22)
# {括弧}内は150位以内ランキング表へ初登場した週。{-1週目}は発売週の1週間前、{+3週目}は3週間後に名前が載ったことを示している。「3^4週目」は有線ランキングの2週分集計回に初登場したため、3週目と4週目を併せたという意味。
NMB48の11枚目「Don't look back!」とHKT48の5枚目「12秒」は、完全圏外の可能性があります。
乃木坂ほど、しっかり追跡していないので、100%の自信がなく、「圏外」と書かなかったんですが、かりにランクインしていても、低い順位で、1回、2回だと思います。
面白いのは、おそらく完全圏外の「Don't look back!」「12秒」と、ほぼ同時期リリースのSKE48「コケティッシュ渋滞中」が、ランクイン9回、最高31位と、結構、ナイスな成績になっている。
そして、次の時期に発売されたNMB48「ドリアン少年」は、ランクイン6回、最高19位と、かなりの上位です。
48G運営が、今回はSKE48「コケティッシュ渋滞中」、次は、NMB48「ドリアン少年」と、順番にプロモーションを仕掛けているようにも見える。
限られた宣伝費を有効に使うため、意図的にやっているんでしょうか(笑)。
ちなみに、乃木坂の「命は美しい」と「太陽ノック」は、あまりパッとしない成績です。
ゲスの極み乙女。「ロマンスがありあまる」は、ランクイン7回、最高7位で、彼らのファンや所属事務所が有線リクエストを伸ばすため、活発に動いたなんてことはないと思うので(笑)、世の中全体が曲に関心を持ち、その結果、自然と順位が上がったと見るのが妥当です。
これがヒットということなのだと思います。
乃木坂の曲で、有線とダウンロードの両方が良かったのは、「何度目の青空か?」だけで、まだまだヒットへの道のりは遠い。
ヒットさえ出れば、紅白出場の確率は飛躍的に上がるけど、ヒットを出すために、紅白に出るんだという話もあって、難しいですね(笑)。
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映画の公式サイト
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映画『コープスパーティ』の公式サイト
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# 記事中の青字部分は、テレビ番組、公式サイト、書籍、歌の歌詞などに、掲載されたものを、そのまま抜粋引用したことを表しています
乃木坂の場合、紅白の可能性を探るとき、昨年11月に起こった、出場歌手発表直前での「内定取り消し」は避けて通れない出来事です。
なぜなら、もし、2014年10月に出た松村沙友理の文春記事が、「取り消し」の原因であるならば、今年の紅白出場は絶望的で、それどころか、これから数年間、乃木坂が選考対象から外される可能性すらあります。
NHK側が出場を内定し、その旨を暗に伝えていた歌手に対して、発表直前で約束を反古にするのは、相手事務所との関係を著しく損ねかねません。
にも関わらず、敢えて内定を取り消したのであれば、余程の理由があったことになる。
その理由が文春記事であるなら、紅白の選考委員会は、一連の報道を、深刻な「スキャンダル」と受け止めたことになります。
そして、ある年の選考委員会が、深刻な「スキャンダル」を根拠に、乃木坂というグループは紅白に相応しくないと判断したのであれば、1年間、週刊誌沙汰がなかった程度で、翌年、乃木坂が「復権」するとは思えず、少なくとも何年かは、「干される」ことを覚悟する必要がある。
つまり、乃木坂は、NHKから「スキャンダル」を起こす危険なアイドルというレッテルを貼られたわけです。
従って、昨年の「内定取り消し」が文春記事によるものであれば、今年、乃木坂が紅白に出場できるかどうかは、議論するだけ無駄ということになります。
「内定取り消し」の原因は、二重権力による選考の「混乱」か
しかし、「内定取り消し」の原因は、文春「スキャンダル」ではなく、NHK側の二重権力構造による、選考の「混乱」だった可能性が高いと思います。
昨年の12月25日(木)、NHKは紅白での曲目と曲順を発表します。
この二つを同時に発表すること自体、異例のことだそうですが、記者会見で、さらに異例なことが起きています。
NHKから提示されたリストには、出場が噂されていたサザンオールスターズと中森明菜の名前がなく、記者からの質問に対して、紅白のチーフプロデューサーは「サプライズはない」と断言します。
ところが、1時間後に、今度は広報から、チーフプロデューサーの先ほどの発言には、「現時点では」という言葉が抜けていたとの説明があり、「サプライズはない」を撤回。
チーフプロデューサーが紅白選考のすべてを仕切っているとは思えない出来事で、明らかに別の勢力が存在して、その人たちが、サザンや中森明菜など、特定の大物アーティストを出演させようとしてることを窺わせる会見でした。
そして、確かに、紅白後半の主役となった大物アーティストとの交渉役として、週刊誌やスポーツ新聞に、チーフプロデューサー以外の名前が出ていました。
チーフプロデューサーを軸とする「正規」の選考グループは、おそらくNHKの通常音楽番組を任されている人たちで、そういった大物アーティストの、中継や録画による出演に乗り気でなかったのかもしれません。
自分たちが手掛けている番組に出演した歌手、しかも大晦日NHKホールに来てくれる人、例えば、SEKAI NO OWARI や May J. などを中心に選考を進めるのは当然で、その中に、乃木坂46も入っていたのだと思います。
一部スポーツ新聞は、この「正規」グループの誰かに太いパイプを持っていて、内定情報が次々と紙面を飾り、乃木坂46の名前もそこにあった。
一方、中島みゆきやサザン、まして中森明菜となると、一線の音楽プロデューサーでも、会ったことすらない人が少なくない筈で、交渉役はごく限られてくる。
そして、「正規」とは異なる、少数の人が、個人的なつながりを使って交渉を行い、長尺を必要とする、大物アーティストの出演が、何組も決まっていくことに、抵抗を感じる選考委員がいても不思議ではない。
2013年大晦日の第64回紅白では、AKB48、SKE48と共にNMB48が初出場を果たし、48Gが3枠を占めています。
この紅白の後、「秋元康は乃木坂をもねじ込もうとしていた」という記事がネットに流れました。
秋元氏が本当に動いたかどうかは分かりませんが、AKB48G3枠プラス乃木坂1枠という構想は、2014年の第65回紅白の舞台裏に引き継がれた可能性が高く、おそらく発表直前まで、NHKの選考委員会も承諾していた。
しかし、11月26日(水)の出場歌手発表が近づくにつれ、大物アーティストをサプライズ出演させることを目指す、別勢力の動きが激しくなり、結局、中島みゆきの出場が直前に決定したことで、乃木坂の1枠が消えてしまった。
相手事務所との関係にヒビが入るかもしれない、直前での「内定取り消し」になってしまったのは、NHK内部の選考を巡るバトルの中で、最初に構想した「正規」のセットリストを、急遽、本当に急遽、修正せざるを得なくなったからじゃないでしょうか。
もし、文春「スキャンダル」を問題視する声があったのなら、メンバーが出場を確信するほど、そこまで明確に、乃木坂に声を掛け、指原莉乃など中軸メンバーが記者会見に出席出来ないほど、直前までHKT48に打診しないなんて、あり得ないことです。
選考を巡るせめぎ合いは、さらに続き、本番1週間前の曲目曲順発表に至っても、チーフプロデューサーの「サプライズなし」が「サプライズあり」に変更させられるほど激しかった。
曲目発表の後、1週間してから曲順発表という通例を破り、本番1週間前の同時発表となり、しかもそのリストに名前が載っていないアーティストが大晦日に長尺で登場した。
これらはギリギリまでNHK内部で攻防が続いたことを物語っています。
「スキャンダル」ではなく、出場歌手選考を巡る「混乱」が乃木坂の「内定取り消し」につながったというシナリオは、年明け早々から、乃木坂46が、『乃木坂46SHOW!』や『Rの法則~乃木坂特集』など、NHKの通常番組に、ばんばん出演している流れを上手く説明します。
先日の『MUSIC JAPAN』では、まだ衣装すら決まっていない「欅(けやき)坂46」が、テレビ初登場を果たしたそうで、そこまで細かく乃木坂側に配慮してくれるのは、紅白選考委員が文春「スキャンダル」に怒って、乃木坂の内定を取り消したとの前提では、到底ありえない話だと思います。
おそらく、多くのファンは、紅白落選後も、NHKが乃木坂を頻繁に起用してくれる状況から、文春「スキャンダル」の影響が気になりつつも、「今年は大丈夫だろう」と楽観的な見通しを持てているんじゃないでしょうか。
『悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46』は、紅白落選が文春「スキャンダル」と絡んでいるかのような方向で描かれているようですが、昨年の暮れ、もしガチでNHKが記事を問題視したのだとすれば、それに触れるような映画を、運営は許可しないと思います。
文春記事と内定取り消しが関係ないことを薄々分かっているから、「ドキュメンタリー」物語のスパイシーな味付けとして、「スキャンダル」を取り上げるわけで、もし本当だったら、NHKをさらに刺激する危険のあることは、一切しないでしょう。
まあ、NHKから「スキャンダル」アイドルというレッテルを貼られてしまったのなら、刺激するもなにも、何をやっても、紅白は無理ですが(笑)。
48GのCDセールスが直面する、特典イベントの止まらない規模拡大と店頭販売の不振
では、これで乃木坂は、ほぼ確実に紅白に出られるかとなると、それは全然別の話です(笑)。
BABYMETALやでんぱ組.incなど、強力なライバルがいますが、やはり一番問題になるのは、同系グループであるAKB48Gでしょう。
48Gとの関係から、乃木坂枠の行方が決まるのは、今年も変わりない筈で、とくに「支店」の勢いは非常に気になる。
そこで、48Gの最近の楽曲セールスを見ておきましょう。
まずはAKB48から。
(表1) AKB48シングルCD売り上げの総選挙サイクル
凡例
総選挙サイクル記号 : オリコン初動 (一般販売第1週売り上げ[一般販売CDの特典イベント], 一般販売寄与率%, 特定販売第1週売り上げ[特定販売CDの特典イベント]) 発売日「タイトル略記」
# 枚数はすべて万枚単位で、小数点以下1桁目を四捨五入
#「一般販売第1週売り上げ」は発売第1週にサウンドスキャンTOP20入りしたすべての盤種の売り上げ枚数合計
#「特定販売第1週売り上げ」は「オリコン初動」から「一般販売第1週売り上げ」を引いた数字
#「一般販売寄与率」は「一般販売第1週売り上げ」を「オリコン初動」で割った比率。%表示で小数点以下2桁目を四捨五入
#「全」全国握手会、「個」個別握手会。続く数字は開催日数
# 下記シングルの発売第1週オリコン順位はすべて1位
2011年度
A 21枚目:133 (54, 40.8%, 79[個3]) 2011/05/25「Every」
B 22枚目:135 (49, 36.4%, 86[個3]) 2011/08/24「フラゲ」
C 23枚目:130 (38, 29.4%, 92[個3]) 2011/10/26「風は吹」
D 24枚目:120 (22, 18.7%, 97[個3]) 2011/12/07「マリコ」
E 25枚目:129 (50, 38.8%, 79[個3]) 2012/02/15「GMF!」
2012年度
A 26枚目:162 (73, 45.3%, 88[個3]) 2012/05/23「真夏」
B 27枚目:118 (45, 38.2%, 73[個3]) 2012/08/29「ギンガム」
C 28枚目:113 (40, 35.3%, 73[個3]) 2012/10/31「UZA」
D 29枚目:107 (26, 24.6%, 81[個3]) 2012/12/05「永遠」
E 30枚目:104 (33, 31.9%, 71[個3]) 2013/02/20 「SoL!」
2013年度
A 31枚目:176 (59[全7], 33.2%, 118[個4]) 2013/05/22「クロール」
B 32枚目:133 (44[全7], 33.0%, 89[個4]) 2013/08/21「恋する」
C 33枚目:120 (31[全7], 25.5%, 90[個4]) 2013/10/30「エレキ」
D 34枚目:103 (20[全7], 19.7%, 83[個4]) 2013/12/11「鈴懸」
E 35枚目:109 (24[全7], 21.6%, 92[個5]) 2014/02/26 「前しか」
2014年度
A 36枚目:166 (49[全7], 29.4%, 117[個4]) 2014/05/21「レトリバー」
B 37枚目:101 (23[全7], 22.8%, 78[個4]) 2014/08/27「プラカード」
C* 38枚目:113 (21[全7], 18.7%, 92[個6]) 2014/11/26「希望的」
D* 39枚目:100 (18[全7], 18.2%, 82[個7]) 2015/03/04「Green Flash」
2015年度
A 40枚目:167 (43[全7], 25.6%, 125[個3]) 2015/05/20「戦わない」
B 41枚目:128 (16[全7], 12.6%, 112[個6]) 2015/08/26「ハロウィン」
41枚目「ハロウィン・ナイト」は、オリコン初動が128万枚に達し、昨年同時期のBシングルである37枚目「心のプラカード」の101万枚を大きく越えています。
しかし、CDセールスの内容を調べると、決して、人気が回復しているとは言い難い。
とくに厳しいのは、初回限定盤と通常盤を併せた店頭販売で、「総選挙」選抜が担当するBシングルとしては、ついに初めて20万枚を割り込み、16万枚にまで下がってしまいました。
2011年度のBシングル「フライングゲット」は49万枚なので、この4年間で、実に3分の1に縮小したことになる。
しかも、店頭販売第1週が16万枚というのは、2011年度以降の全シングル中、最低の数字で、全国握手会など、よりライトな層に向けたイベントが人気を失いつつある現状が浮き彫りになっています。
一方、個別握手会の日数は、37枚目の4日から、41枚目で、6日にまで引き上げられている。
確かに、握手会セールスは、37枚目78万枚から41枚目112万枚と1.4倍ほど伸び、これが初日ミリオンにつながったのですが、AKB48、SKE48、NMB48、HKT48がすべて参加する超大規模握手会を2日も増やすのは、膨大な経費が掛かる上に、メンバーの肉体的、精神的負担も、そろそろ限界を越えるレベルに入っている心配がある。
握手会の効率ではなく、規模を拡大することで、売り上げ枚数を何とか稼いでいるものの、初回限定盤などの店頭販売は減少傾向に歯止めが掛からず、こういった一般販売分の全売り上げに占める割合は、過去最低の12.6%にまで落ち込んでいます。
つまり、CDセールスの実に9割近くが個別握手会によるもので、極めて歪な販売構造です。
ミリオンを維持するために、無理に無理を重ねている感じで、ん~、正直、これまで目にしたことがないほど、シビアな状況になってきました。
とくに、収支は大丈夫なんでしょうか、特典イベントの急激な規模増大に、売り上げが追いついている風に見えないんですが。
しかし、とにもかくにも連続ミリオンは途切れておらず、「総選挙」の中継番組が20%弱の平均視聴率を稼ぐなど、AKB48は、じりじりとした人気低落に苦しみながらも、芸能社会において、依然として影響力を維持している。
従って、AKB48が紅白出場を逃すことはまずなくて、単独1枠の確保は間違いないでしょう。
但し、少なくとも今年は、という条件が付きますが(笑)。
次は、SKE48です。
(表2) SKE48シングルのオリコン初動推移
# (表1)と同じスタイルだが、発売日前の{括弧}内は、2015年9月7日付オリコンウィークリーまでの累計売り上げ枚数
# 枚数はすべて万枚単位で、小数点以下2桁目を四捨五入
#「個t」チーム別個別握手会、「MC」はミュージックカード、「卒」は松井玲奈卒業イベント。
# 下記シングルの発売第1週オリコン順位はすべて1位
12枚目 : 51.1 (16.7[全6], 32.6%, 34.4[個6]) {66.2} 2013/07/17「美しい稲妻」
13枚目 : 44.9 (14.8[全6], 32.9%, 30.1[個6]) {57.0} 2013/11/20「賛成カワイイ!」
14枚目 : 39.8 (11.9[全3L6], 29.8%, 27.9[個7]) {50.5} 2014/03/19「未来とは?」
15枚目 : 32.4 (10.3[全2], 31.7%, 22.1[個5個t4]) {46.4} 2014/07/30「不器用太陽」
今年度紅白出場選考の対象と考えられるシングル
16枚目 : 38.6 (08.8[全0], 22.9%, 29.8[個8]) {45.3} 2014/12/10「12月のカンガルー」
17枚目 : 64.0 (08.9[全3], 13.9%, 55.1[個8MC]) {70.2} 2015/03/31「コケティッシュ渋滞中」
18枚目 : 37.0 (11.6[全?卒2], 31.3%, 25.4[個7]) {39.5} 2015/08/12「前のめり」
今年の紅白選考対象となるシングルは、上表、空白行以下に示された、16枚目、17枚目、18枚目の三つだと思います。
オリコン初動はその時の事情で変動するので、むしろ、{括弧}内の累計売り上げ枚数の方が傾向を掴みやすい。
12枚目「美しい稲妻」は60万枚を優に越える売り上げですが、その後、シングルごとに減少、16枚目「12月のカンガルー」では、45万枚まで下がっています。
17枚目「コケティッシュ渋滞中」は、ミュージックカードという「魔法の杖」を使ったので(笑)、数字上、70万枚を越える累計を記録していますが、18枚目「前のめり」は、今のところ、16枚目をさらに割り込んで、40万枚程度に留まっています。
SKE48も、店頭販売が奮わず、13枚目から落ち続け、16枚目と17枚目は10万枚を下回っています。
おそらく、松井玲奈の卒業イベントによる効果だと思いますが、18枚目は少し持ち直していて、これを次に繋げられるかどうかが、今後のCDセールスを左右するポイントになるでしょう。
ただ、AKB48と同様、個別握手会の日数が、徐々に上がっているのが気になります。
AKB48との合同握手会が6日ある上に、自分たちの握手会を7日、あるいは8日と開くのは、さすがに異常じゃないでしょうか。
売り上げが一時的に落ちたとしても、総日数は抑えた方が良いと思いますが、無理なんでしょうね(笑)。
しかし、NMB48は、SKE48を上回る日数の特典イベントを設定しています。
(表3) NMB48シングルのオリコン初動推移
# (表2)と同じスタイル
#「ミニ」ミニ握手会、「写」写メ会、「サ」サイン会。
# 下記シングルの発売第1週オリコン順位はすべて1位
07枚目 : 48.2 (12.5[全3ミニ14], 26.0%, 35.6[個6]) {55.9} 2013/06/19「僕らのユリイカ」
08枚目 : 37.5 (08.3[全3], 22.0%, 29.2[個6写2サ2]) {50.9} 2013/10/02「カモネギックス」
09枚目 : 40.7 (08.0[全3], 19.8%, 32.6[個7写2]) {45.2} 2014/03/26「高嶺の林檎」
今年度紅白出場選考の対象と考えられるシングル
10枚目 : 42.0 (07.6[全1], 18.6%, 33.1[個7写3]) {50.0} 2014/11/05「らしくない」
11枚目 : 44.7 (12.6[全?L1], 28.2%, 32.1[個9写4]) {53.0} 2015/03/31「Don't look back!」
12枚目 : 37.1 (08.1[全?], 21.7%, 29.1[個7写3]) {41.5} 2015/07/15「ドリアン少年」
13枚目 : [全?][個7写2] 2015/10/07「タイトル未定」
累計売り上げ枚数は、50万枚を何とか維持していますが、10枚目以降は、握手会と写メ会を併せて、10日以上が課されていて、常軌を逸したスケジュールです。
もう、1年を通して、土日祝日は、ほとんど特典イベントという状態じゃないでしょうか。
乃木坂の1シングル当たり全国3日&個別6日でも多過ぎるのに、自分の握手会にプラスして合同握手会6日ですから、想像するだけで目眩がします。
次は、HKT48です。
(表4) HKT48シングルのオリコン初動推移
# (表2)と同じスタイル
#「指」は指原莉乃ソロ企画、「船」は船上パーティ、「S」はHKT48によるショーイベント。
# 下記シングルの発売第1週オリコン順位はすべて1位
01枚目 : 25.0 (09.2[全5指1], 37.0%, 15.7[個3写2]) {29.2} 2013/03/20「スキ!スキ!スキップ!」
02枚目 : 26.9 (09.2[全3], 34.3%, 17.7[個4]) {30.6} 2013/09/04「メロンジュース」
03枚目 : 27.7 (08.0[全3], 28.9%, 19.7[個4船2]) {33.1} 2014/03/12「桜、みんなで食べた」
04枚目 : 27.8 (08.1[全2], 29.0%, 19.7[個4S2]) {31.9} 2014/09/24「控えめI love you!」
今年度紅白出場選考の対象と考えられるシングル
05枚目 : 27.8 (07.2[全3], 25.9%, 20.6[個6]) {32.9} 2015/04/22「12秒」
HKT48は、累計が30万枚で一定していますが、5枚目「12秒」では、個別握手会を6日に増やしている。
今後、日数と部数を増やさず、CDセールスを上げられるかどうかがポイントで、それが出来なければ、先行グループと同じく、どんどん苦しくなっていきます。
ところで、そろそろ6枚目を発売する時期の筈なんだけど、アナウンスはあったんでしょうか?
シングルを出す頻度をあまりに落とすと、存在感が薄まってしまうので、年2枚のペースは維持した方が良いと思うのですが、AKB48のシングルもあって、難しいんでしょうか。
効率の良いCDセールスと好調なダウンロード配信が勢いを感じさせる乃木坂
さて、いよいよ、乃木坂46です。
(表5) 乃木坂46シングルのオリコン初動推移
# (表2)と同じスタイルだが、「一般販売第1週売り上げ」は、サウンドスキャンTOP20に初回限定盤しかランクインしていないときは、それらの合計枚数の4%を通常盤売り上げ、4.5%をアニメ盤売り上げと推測して、全タイプの合計を求めている
#「茶」はお茶会、「絵」は似顔絵会、「L絵」はライブと似顔絵会の同日イベント、「サ」はサイン会、「seL」はセブンイレブン限定ライブで全国握手会と同日イベント。
# 下記シングルの発売第1週オリコン順位はすべて1位
07枚目 : 39.5 (09.0[全3茶1], 22.8%, 30.5[個別6]) {51.6} 2013/11/27「バレッタ」
08枚目 : 45.8 (11.8[全3茶1], 25.7%, 34.0[個別6]) {54.7} 2014/04/02「気づいたら片想い」
09枚目 : 42.2 (11.0[全3茶1], 26.2%, 31.1[個別6]) {52.7} 2014/07/09「夏のFree&Easy」
10枚目 : 47.9 (11.7[全1絵1L絵2], 24.5%, 36.2[個別7]) {61.9} 2014/10/08「何度目の青空か?」
今年度紅白出場選考の対象と考えられるシングル
11枚目 : 50.0 (15.0[全3サ1], 30.1%, 35.0[個別6]) {62.0} 2015/03/18「命は美しい」
12枚目 : 60.9 (19.5[全3seL3], 32.1%, 41.4[個別6]) {65.4} 2015/07/22「太陽ノック」
13枚目 : [個別6] 2015/10/28「今、話したい誰かがいる」
# 12枚目のCDセールスに関しては、以下の記事をご参照下さい。
「太陽ノック」初動再分析、SE販売分はSSに入らず、初回限定盤セールスが前作越えした可能性 [12Aug15]
乃木坂は、10枚目「何度目の青空か?」で、累計60万枚を突破して以来、11枚目「命は美しい」と12枚目「太陽ノック」で共に60万越えを維持しています。
しかも、個別握手会は6日に据え置きながら35万枚以上、店頭販売は、全国握手会3日で15万枚程度を達成している。
特典イベントは多いけど、AKB48Gに比べると、より小さい規模で、より大きなCDセールスを叩き出していて、極めて効率が良い。
とくに、48G各グループが軒並み苦戦している店頭販売が好調なことは、今後に期待を抱かせる点で、13枚目「今、話したい誰かがいる」も、特典イベントの規模を引き上げることなく、60万枚を越える累計になる可能性が高い。
さらに、乃木坂の楽曲セールスは、ダウンロード配信が強い。
iTunes Store トップソングで、「何度目の青空か?」と「命は美しい」はベスト3、「太陽ノック」はベスト5にランクインしています。
48G「支店」の表題曲はほとんどベスト10入りせず、AKB48の表題曲でもベスト5入りが珍しいことを考えると、配信では、現在、乃木坂46が48Gを凌駕していると見ていいと思います。
もちろん、乃木坂が良いと言っても、例えば、ゲスの極み乙女。「ロマンスがありあまる」のように、長く上位に留まるような曲はまだなく、数日で上位から落ちてしまう脆さがあって、本格的なヒットには至っていない。
ただ、今の勢いを保っていれば、どこかで配信のヒットに辿り着く、そんな可能性は感じさせます。
あと一歩というところでしょうか。
48Gと比べて、より小規模な特典イベントで、より大きな売り上げを達成する、効率の良いCDセールス。
さらに、短期間ながら、ベスト3やベスト5に食い込むダウンロード配信。
この二つが、今、乃木坂の「セールスポイント」で、「勢いがある」と言われる所以だと思います。
このまま、歌とダンスのクオリティを、さらに向上させる意識を持てば、乃木坂の知名度が上がりつつあることから、「ヒット」と呼べる世界に手が届くような気がします。
一段上の坂から、違う景色を見たいですね、みんなで一緒に(笑)。
優先されるSKE48とNMB48、後回しになるHKT48
今年の紅白選考では、AKB48Gと乃木坂46を併せて3枠という条件になっても、昨年と違って、48G運営に2枠を飲ませ、乃木坂の単独枠を認めさせるだけの実績はあると思います。
ただ、次のNHK連続テレビ小説『あさが来た』の主題歌「365日の紙飛行機」は、山本彩センターのAKB48が歌うそうで、この辺、48Gも、紅白へ向け抜かりなく手を打ってます。
『あさが来た』は大阪放送局制作で、その関係から、NMB48の山本彩という流れになっているのかもしれません。
また、SKE48は、ミュージックカードの効果とはいえ、「コケティッシュ渋滞中」の初動と累計が乃木坂を上回っており、オリコン年間ランキングの上位に食い込むでしょう。
こちらも、数字という形で、爪痕を残していて、やはり、NMB48とSKE48の紅白出場は堅い、というより48G運営が意地でも押し込んでくる、という気がします。
一方、HKT48は、総選挙1位の指原莉乃がリーダーなので、連続2回目は鉄板だと思っていましたが、最近、さっしーをAKB48に戻すという話が出ていますね。
6枚目シングルの行方も分からず、NGT48が出来たこともあって、48Gの中で、やや存在感が落ちているように見えなくもない。
AKB48、SKE48、NMB48の人気がじりじり下がりつつあるため、48G運営の関心がHKT48にまで回らなくなっているんでしょうか。
もし、HKT48が10月までにシングルを出さなければ、紅白選考の対象となるのは、5枚目「12秒」だけになって、アクティビティの高さが求められるアイドルとしては、評価が低くなる危険がある。
そう考えると、今年の紅白は、AKB48、SKE48とNMB48のメドレー、乃木坂46という可能性もあり得ます。
48G運営は、HKT48をどうプロモーションしていくつもりなのか、その辺のビジョンが、今年の紅白に影響してくるかもしれません。
最後に、有線の成績を載せておきます。
(表6) 2015年9月4日付時点における有線ランキング成績
凡例
シングルNo. 有線ランクイン回数 [最高順位] 曲名 (発売日)
# 「*(67位/0904付)」は9月4日付ランキングで67位の意味
AKB48
38枚目 13回 [1位] 希望的リフレイン (2014/11/26)
39枚目 14回 [4位] Green Flash (2015/03/04)
40枚目 15回*(67位/0904付) [1位] 僕たちは戦わない (2015/05/20)
41枚目 02回*(1位/0904付) [1位] ハロウィン・ナイト (2015/08/26)
SKE48
16枚目 9回 [36位] 12月のカンガルー (2014/12/10)
17枚目 9回 [31位] コケティッシュ渋滞中 (2015/03/31)
18枚目 --回 [--位] 前のめり (2015/08/12)
NMB48
10枚目 2回 [111位] らしくない (2014/11/05)
11枚目 --回 [--位] Don't look back! (2015/03/31)
12枚目 6回*(45位/0904付) [19位] ドリアン少年 (2015/07/15)
HKT48
1枚目 15回 [19位] スキ!スキ!スキップ! (2013/03/20)
2枚目 17回 [12位] メロンジュース (2013/09/04)
3枚目 12回 [10位] 桜、みんなで食べた (2014/03/12)
4枚目 15回 [15位] 控えめI love you! (2014/09/24)
5枚目 -回 [--位] 12秒 (2015/04/22)
乃木坂46
07枚目 00回 [圏外] バレッタ (2013/11/27)
08枚目 20回 {-1週目} [8位] 気づいたら片想い (2014/04/02)
09枚目 00回 [圏外] 夏のFree&Easy (2014/07/09)
10枚目 17回 {-2週目} [15位] 何度目の青空か? (2014/10/08)
11枚目 06回 {+3週目} [63位] 命は美しい (2015/03/18)
12枚目 03回*(53位/0904付) {+3^4週目} [50位] 太陽ノック (2015/07/22)
# {括弧}内は150位以内ランキング表へ初登場した週。{-1週目}は発売週の1週間前、{+3週目}は3週間後に名前が載ったことを示している。「3^4週目」は有線ランキングの2週分集計回に初登場したため、3週目と4週目を併せたという意味。
NMB48の11枚目「Don't look back!」とHKT48の5枚目「12秒」は、完全圏外の可能性があります。
乃木坂ほど、しっかり追跡していないので、100%の自信がなく、「圏外」と書かなかったんですが、かりにランクインしていても、低い順位で、1回、2回だと思います。
面白いのは、おそらく完全圏外の「Don't look back!」「12秒」と、ほぼ同時期リリースのSKE48「コケティッシュ渋滞中」が、ランクイン9回、最高31位と、結構、ナイスな成績になっている。
そして、次の時期に発売されたNMB48「ドリアン少年」は、ランクイン6回、最高19位と、かなりの上位です。
48G運営が、今回はSKE48「コケティッシュ渋滞中」、次は、NMB48「ドリアン少年」と、順番にプロモーションを仕掛けているようにも見える。
限られた宣伝費を有効に使うため、意図的にやっているんでしょうか(笑)。
ちなみに、乃木坂の「命は美しい」と「太陽ノック」は、あまりパッとしない成績です。
ゲスの極み乙女。「ロマンスがありあまる」は、ランクイン7回、最高7位で、彼らのファンや所属事務所が有線リクエストを伸ばすため、活発に動いたなんてことはないと思うので(笑)、世の中全体が曲に関心を持ち、その結果、自然と順位が上がったと見るのが妥当です。
これがヒットということなのだと思います。
乃木坂の曲で、有線とダウンロードの両方が良かったのは、「何度目の青空か?」だけで、まだまだヒットへの道のりは遠い。
ヒットさえ出れば、紅白出場の確率は飛躍的に上がるけど、ヒットを出すために、紅白に出るんだという話もあって、難しいですね(笑)。
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[地デ] 毎週金曜 24 : 12 ~ テレビ東京『初森ベマーズ』
乃木坂46が主要役を独占する初の連続「単独」ドラマ。
テレビ東京の番組公式サイト
[映画] 『悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46』が全国ロードショー中
7月10日(金)からTOHOシネマズ新宿ほか各地の映画館
乃木坂による単独主演映画。7月10日(金)と11日(土)に全国でメンバー参加の舞台挨拶。
映画の公式サイト
舞台挨拶のスケジュール
[映画] 『コープスパーティ』が8月1日(土)から全国ロードショー
シネリーブル池袋ほか各地の映画館
生駒里奈の初主演映画。7月23日(水)19 : 00より、ユナイテッド・シネマ豊洲にて、舞台挨拶付きの完成披露試写会。
映画『コープスパーティ』の公式サイト
乃木坂公式サイトの試写会に関する記事
// 星野みなみの溢れる魅力
7月18日14:18 星野みなみ
乃木坂の風 09Oct13 ~ 星野みなみが放つ紺碧の輝き、代々木ライブの魅力と今後を考える
乃木坂の風 16Sep13 ~ 「みさ、原宿行くの?」、星野みなみに激怒する衛藤美彩! in 乃木坂の「の」
乃木坂各論第3話、星野みなみ ~ 紺碧の微笑、静謐の情熱、ここにヒロインがいる
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