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SKE48が3作連続の初動前作割れも、「不器用太陽」握手会日数削減は乃木坂も検討すべき英断 [10Aug14]

2014-08-10 15:00:00 | 芸能
ビデオリサーチ社による、関東、関西、名古屋、3地区における2014年上半期調査によると、タレント別テレビCM露出量で20位以内に入ったAKB48のメンバーは、関東地区における渡辺麻友の20位のみだったそうです。

昨年同期には、元メンバーを含む7人がランクインしていたそうで、最近、テレビでAKBを見かけなくなったという実感がデータで裏付けられた形になりました。

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興味深いのは、この内容を報じるネット記事が、アップされた数日後に一部サイトから削除されたことで、現在、例えば「Yahoo!ニュース」では記事がなくなっています。

「記事削除」に関するネット記事

何があったのか分かりませんが、「AKB人気に陰り?」というニュースであっても、AKB48の一種の宣伝なので、それが削除されたことは、ますますメディア露出が減少して、グループへの関心が低下していく象徴のような出来事に思えます。


もちろん、AKB48のCMが減少している状況は、乃木坂にとって他人事ではなく、「乃木坂って、どこ?」を始めとして、どうやってスポンサーを呼び込んでいくか、正念場を迎えつつあると言っていいでしょう。

有効な解決策は、音楽的なヒットを飛ばし、NHK紅白歌合戦などの年末大型歌謡祭に出場して、グループの本体価値を高めることで、だからこそ10枚目は「勝負になる」という言葉がメンバーからも出てくるのだと思います。

白石麻衣の2014/08/05_23:48ブログ


しかし、最近のシングルは、前作の特典イベントが終わっていない段階で発売する「前倒し」になっていて、そのため、この秋は握手会が次々に切れ目なく入ってきます。

積極的にメディア露出を仕掛けて、紅白に向けて外向きの発信力を強めなきゃいけないときに、休日を何日も握手会で潰すのはもったいない話です。

紅白の出場は、事務所同士の勢力争いといった面があるようなので、一般層へのアピールとか、本格的なヒット曲とか、あまり関係ないという意見もあるけど(笑)、海外で大成功を収めたBABYMETALが選考レースに名乗りを上げたりすると、アイドル枠は超激戦になる筈で、結局、原点に帰って、グループの一般人気が重視される可能性もある。

乃木坂46として、盛んなメディア発信を期待したいですね。


乃木坂が、絶えざる握手会日程に直面する中、AKB48Gの方で、注目すべき動きがありました。

SKE48が、7月30日(水)発売の15枚目「不器用太陽」に関して、個別握手会の総日数を、前作の7日から5日に減らしています。

(表1) 特定流通CDに対する特典サービスの内容

凡例
シングル番号 : 個別握手会の総日数 (会場地域別の日数) [個別握手会による第1週売り上げ枚数を総日数で割った数値]

#「個別」は個別握手会を意味する
# [ ]内は「万枚/日」の単位で、小数点以下2桁目を四捨五入

12枚目 : 6日(関東3、名古屋2、大阪1) [5.7万枚/日]
13枚目 : 6日(関東3、名古屋2、大阪1) [5.0万枚/日]
14枚目 : 7日(関東2、名古屋3、大阪2) [4.0万枚/日]
15枚目 : 5日(関東2、名古屋2、大阪1) [4.4万枚/日]

CD発売、第1回個別、最終個別の日程的関係

12枚目 : 発売 =25日=> 第1回個別 =63日=> 最終個別(第6回)
13枚目 : 発売 =53日=> 第1回個別 =35日=> 最終個別(第6回)
14枚目 : 発売 =02日=> 第1回個別 =71日=> 最終個別(第7回)
15枚目 : 発売 =24日=> 第1回個別 =78日=> 最終個別(第5回)


5日というのは、12枚目、13枚目での6日より少なく、個別握手会の思い切った規模縮小と言えます。


「不器用太陽」のオリコン初動は、以下のように、32万4千枚で、14枚目「未来とは?」から7万4千枚の減少で、大幅な前作割れとなっています。

(表2) SKE48の3シングルに関する、オリコン第1週の売り上げ枚数、いわゆる「初動」の推移

凡例
シングル番号 : 初動枚数 (現在の累計枚数)「タイトル」発売日

12枚目 : 51.1万枚 (66.2万枚)「美しい稲妻」2013/07/17
13枚目 : 44.9万枚 (56.9万枚)「賛成カワイイ!」2013/11/20
14枚目 : 39.8万枚 (50.3万枚)「未来とは?」2014/03/19
15枚目 : 32.4万枚 (32.4万枚)「不器用太陽」2014/07/30


32万4千枚の内訳を見ると、サウンドスキャン第1週が10万3千枚で、これは初回盤AからDの4タイプの合計で、通常盤AからDはトップ20に入っておらず、店頭販売CD、つまり一般流通CDの正確な第1週売り上げ総数は不明です。

ただ、通常盤セールスが小さいとして、一般流通CDの売り上げを10万3千枚とすれば、次の表に示したように、特定流通CDは22万1千枚で、14枚目から5万8千枚の減少となり、やはり初動前作割れの大部分は、握手会によるCDセールスの低下によって引き起こされていることが分かります。

(表3) 一般流通CD特定流通CDの売り上げ推移

凡例
シングル番号 : サウンドスキャン第1週合計枚数 [初動(SS/OC)比] 初動(OC-SS)差「タイトル」
# 初動(SS/OC)比は、サウンドスキャン第1週をオリコン初動で割ったもの。数値が小さいほど、CDセールスの個別握手会依存が高いことを示す
# 初動(OC-SS)差は、オリコン初動からサウンドスキャン第1週を引いたもの。店頭販売していない「特定流通」CDの売り上げ枚数にほぼ等しく、多くの場合、個別握手会によるCDセールスと見なすことが出来る

12枚目 : 16.7万枚 [32.6%] 34.5万枚「美しい稲妻」
13枚目 : 14.8万枚 [32.9%] 30.1万枚「賛成カワイイ!」
14枚目 : 11.9万枚 [29.8%] 27.9万枚「未来とは?」
15枚目 : 10.3万枚 [31.7%] 22.1万枚「不器用太陽」


これでSKE48は、13枚目、14枚目、15枚目と、3作連続での初動前作割れですが、今回は、握手会日数を減らし、覚悟の上での意図的なCDセールス低下であって、個別日数を増やしたのに、逆に落ちてしまった前回とは全然、意味合いが違います。

握手会はあくまで「おまけ」の無料イベントであるのに、大きな開催費用が必要で、AKB48襲撃事件後は、警備費が高騰して、さらに採算を取るのが難しくなっている。

それにも関わらず、総部数や日数を増やすとなると、それに合うだけの見返りがなければなりません。


しかし、握手会でCDを何十万枚と売っても、最近、それを楽曲の人気に結びつける意見はほとんどなくなり、グループの人気と見なす雰囲気すら失われつつあります。

多額の費用を掛けて握手会を開き、オリコンの数字を上げても、グループの評価につながらず、スポンサーが呼び込めないのであれば、売り上げ枚数が多少減っても、握手会の規模を縮小した方が、収支が改善されて、経営的にはむしろ動きやすくなるでしょう。

さらに、握手会を減らせば、使える休日が増えるので、全国ツアーのライブを平日に行うといった度外れにタイトなスケジュールを正常化することが出来ます。

AKB48グループは、CDの売り上げ枚数を度肝を抜くくらい多くすることで、自らの人気を誇示してきた部分があるので、握手会日数を減らすのは、勇気のいる決断だったと思います。

SKE48が従来の発想を打ち破って、15枚目で大胆な方針転換を行ったことは、今後の活動へつながる賢明な一手で、高く評価して良いんじゃないでしょうか。


「不器用太陽」は、一般流通CDも前作割れの可能性が高いですが、実は、初回盤の特典イベントの内容や日程は、まだ発表されておらず、その中での10万3千枚なので、むしろ、グループを支えるコアファン層は依然として分厚いというのが正直な印象です。

熱心なファンがいる間に、経営的にも、日程的にも身軽になって、SKE48独自の音楽を追求すれば、6枚目「パレオはエメラルド」を越える、大きなヒットに辿り着く可能性は十分あると思います。

ただ、SKE48は「組閣」による「兼任」に大きく影響されていて、この制度を拒否して、グループの人的アイデンティティをまず固めなければ、なかなか飛躍は見えてこないでしょう。

例えば、松井玲奈ほどの逸材が、乃木坂との間を行ったり来たりしているようでは、グループの表現力が顕著に下がってしまう危険がある。

乃木坂にとっても、「夏のFree&Easy」新曲キャンペーンのために出演したフジテレビ「MUSIC FAIR」に、「兼任」メンバーが二人とも欠席して、選抜が揃わないという、ちょっと信じられない失態が起こっています。

「組閣」が、マイナスしかない愚策というのは明白なんですが、誰が進めているんでしょう、本当に困ったものです。


実は、乃木坂46の10枚目も、個別握手会に関して、ちょっとした変化が見られます。

まだ関東の1会場が発表されていないので、詳細はこれからですが、発表された5会場について、設置される部数を調べてみると、以下のように、合計640部となります。

(表4) 10枚目個別握手会各会場で設置される部数

凡例
[識別記号] 設置される全部数 (=レーン数*1レーン当たりの部数) 会場名 開催日時

[A] 130部 (=26レーン*5部) パシフィコ横浜 11月02日(日)
[B] 135部 (=27レーン*5部) 幕張メッセ 11月24日(月祝)
[C] 120部 (=24レーン*5部) ポートメッセ名古屋 12月23日(火祝)
[D] 115部 (=23レーン*5部) 京都パルスプラザ 12月28日(日)
[E] 140部 (=28レーン*5部) パシフィコ横浜 01月18日(日)

[A]から[E]の合計部数は640部


残りの関東会場が、[E]のように28レーン140部という大きな規模であっても、総部数は780部です。

乃木坂の個別総部数は、3枚目以降、一貫して増加し、とくに6枚目からは、シングル毎にかなりの積み上げが行われています。

(表5) 歴代シングルの個別握手会で行われた総部数

凡例
シングル番号 : 総部数 (個別総日数)

1枚目:300部 (3日)
2枚目:300部 (2日+ミニ4日)
3枚目:330部 (4日)
4枚目:430部 (5日)
5枚目:437部 (5日)
6枚目:630部 (6日)
7枚目:664部 (6日)
8枚目:759部 (6日)
9枚目:786部 (6日)


ところが、もし10枚目個別の総部数が780部以下となると、初めて前作を下回ることになる。

また、今回は、オリコン初動に流し込む応募次数も前作と同じ第9次分までのようで、変化がない。

つまり、個別握手会によるCDセールスに関しては、今回、前作を越える仕掛けを、運営は特別打っておらず、これは結構珍しいことですね(笑)。

多分、警備費が跳ね上がったこともあり、開催費用を抑えるために、部数を増やすことを止めたのでしょう。

従って、CDセールスを上げるためには、初回限定盤が重要になってきますが、全国握手会のミニライブがなくなる可能性があって、特典の魅力で売り上げ枚数をアップするのは、今のところ、期待薄の感が否めない。

そうなると、もう曲やMVそのものの魅力で勝負するしかないわけです。


秋元康氏によると、10枚目の表題曲は「神曲」らしいので(笑)、大いに期待したいのですが、発表前から、楽曲の出来に言及するのは、特典による売り上げアップが、いよいよ万策尽きてきたことを表していると思います。

また、かりにオリコンの数字を上げても、それでスポンサーがついてくれる時代ではなくなってきて、「何十万枚売れた」ではなく、「凄く良い曲でヒットした」と主張する以外、グループへの評価を上げる手段がなくなってきているのでしょう。

しかし、ヒットは時の運という面があって、「神曲」だから必ずヒットするわけではない。

また、いきなりヒットというよりは、連続で二曲ほど評判の良い歌を出して、音楽シーンで一定の注目を集め後、ど~んと大きなヒットが生まれる場合が多い気がします。

「今評判の美味しいレストラン」も、二回目、三回目と、繰り返しやって来てくれる客の数で勝負が決まるように、11枚目、12枚目のランキングこそ、10枚目の出来不出来を判断する指標になるんじゃないでしょうか。

結局、いつヒットが出るかは分からないので、毎回、歌とダンスに優れたメンバーを選抜し、渾身の「神曲」を書き(笑)、丁寧にMVを作り込んで、良いシングルを出し続けるしか道はないと思います。

たまに美味しい料理を出す店って、繁盛しないですから(笑)。


生田絵梨花のブログによると、表題曲のレコーディングが終わったそうです。

今回の表題は壮大な曲!
乃木坂らしくて他とは少し違う感じと思ってもらえるんじゃないかなぁ...♪

楽しみですね、10枚目。

生田絵梨花の2014/08/10_12:36


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# 記事中の青字部分は、テレビ番組、公式サイト、書籍、歌の歌詞などに、掲載されたものを、そのまま抜粋引用したことを表しています

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