カブトビール屋

明治時代に半田赤レンガ建物で作っていた『カブトビール』の販売情報をお届けします

復刻カブトビールの特徴 その壱

2018年07月27日 | グルメ

  復刻『カブトビール』は、明治時代のカブトビールを忠実に復刻したビールです。明治時代のビールの味の最大の特徴は、炭酸ガスが少ないため、やや気の抜けた味で清涼感が欠けていたことでした。この原因は、貯蔵樽が現在のように金属製タンクではなく、木造樽であったので気密性が良くなかったことが主要因でした。せっかく生成した炭酸ガスが外部に逃げてしまい、ビールに溶け込まなかったからです。そのため復刻『カブトビール』も明治時代同様に炭酸ガスは現在のビールに比べて3割以上も少なく製造してあります。是非、味わってみてください。


パリ万国博覧会 金牌賞受賞

2018年07月22日 | グルメ

 1900年パリ万国博覧会で『カブトビール』が金牌賞を受賞した時の審査報告書が残っている。その一部を紹介しよう。「ビールは我が国からは、わずかにアサヒビール、エビスビールそしてカブトビールの3種だけであったが、他の各国からは多数の出品があってその品評には最も熟練した審査官一同が全力を尽くした。特に金賞、銀賞については各々所見を主張して決定したものであるが、我が国から出品した3種についてはドイツの製品に比べるとやや及ばないところがあるものの、その他の各国の製品に対しては遜色なく、3種の内アサヒビールとカブトビールは同点で、エビスビールは若干低い点数であったがいずれも金牌賞の評決となった。・・・」とのこと。

 

カブトビール復刻秘話 その八

2018年07月20日 | グルメ

 『カブトビール』の復刻には、赤煉瓦倶楽部半田と知多麦酒㈱の他にも影の立役者がいます。中埜酒造㈱です。半田市に本社を置く酒造会社で、清酒「國盛」などで知られています。もちろんカブトビール創業者の一人中埜又左衛門の中埜酢店(ミツカン酢)のグループ会社です。実は、『カブトビール』の商標権は、この会社が所有しています。まちおこしのため一生懸命頑張っている赤煉瓦倶楽部半田の活動に理解を示していただき、無償で『カブトビール』の商標権の使用を認めて下さっています。ありがとう、中埜酒造。ありがとう、清酒「國盛」。


カブトビール復刻秘話 その七

2018年07月18日 | グルメ

  復刻『カブトビール』は、明治時代の『カブトビール』を出来る限り忠実に復刻することにこだわっています。しかし外観上どうしてもかなわなかったことが1つだけあった。ビンである。もう少し詳しく言えばビンの注ぎ口である。明治時代のビールは、今のワインのようにコルク栓だったのだ。大正時代の末期頃に王冠に変わったのである。しかし、努力はしてみた。特注でビンを作るとその注文ロットといい費用といい予想をはるかに超えていたのです。というわけで復刻『カブトビール』のビンは、某地ビールのビンを使わせていただいてます。すいません。


カブトビール復刻秘話 その六

2018年07月17日 | グルメ

 復刻『カブトビール』のこだわりをもう一つ披露しよう。復刻『カブトビール』には、全部で4枚のラベルが貼られている。ビンの首のまわりとビンの真ん中やや上に各1枚と胴の表にカブトビールの大きなロゴ入りラベル、裏に成分表示等のお決まりのラベルである。当然ながらカブトビールのロゴ入りラベルは、明治時代に売られていたときのラベルをそのまま復元したものである。こだわっているのは首のあたりを一周している水色のラベルとその少し下にある小型のラベルの2枚である。本当は、この2枚のラベルを貼るのをやめておけば、製造コストをさげることができ儲けられるのだ。しかし、何度も書くが、明治時代の『カブトビール』を出来る限り忠実に復刻することにこだわっている。今日もパートのおばちゃんが一生懸命ラベルを一枚一枚心を込めて手で貼っているのだ。おばちゃんありがとう。(添付画像は、明治時代のカブトビール)


カブトビール復刻秘話 その五

2018年07月15日 | グルメ

  復刻『カブトビール』は、半田赤レンガ建物へ一人でも多くのお客様に来場いただき保存活動の機運が盛り上がるようにと赤煉瓦倶楽部半田が企画した商品です。自分達で言うのもなんですが、金儲けを考え企画したビールではないのです。半田赤レンガ建物で一本600円の復刻『カブトビール』を購入していただけると一本に付き50円が半田赤レンガ建物の保存活動に使われることとなります。赤煉瓦倶楽部半田は、これまでに半田市へ赤レンガ建物の保存と周辺整備のためにと合計200万円の寄付をしています。またリニューアルオープンの際には、カブトビールの大きな飾り棚を寄付しています。時々ビール売場で「兄ちゃん。よー儲かるなぁ。」と冷やかすあなた、違うんですよ。


カブトビール復刻秘話 その四

2018年07月13日 | グルメ

 復刻『カブトビール』には、どうしても譲れないこだわりがいくつもある。その一つが貯蔵期間90日間へのこだわりである。今のビールは、一週間待たずして製品として出荷される。明治時代は、90日間ビールを貯蔵したと文献にあった。何が何でも90日間必ず貯蔵してからしか出荷しない。このこだわりが『カブトビール』のコクと苦味とまろやかさを創出していると信じている。だから明日や明後日に『カブトビール』の注文をいただいても対応できないのである。どうか90日お待ちください。


カブトビール復刻秘話 その参

2018年07月10日 | グルメ

 復刻『カブトビール』は、地ビールと言われたくありません。確かに知多半島の地ビール会社が製造しているという意味においては、地ビールです。『カブトビール』を復刻する際、いろいろな所から『カブトビール』の文献を収集するとともに、明治時代のビールについても研究しました。そこで明らかになった製造工程や味・品質について忠実に再現したビールが復刻『カブトビール』なのです。あえて言わせていただければ“本格ドイツビール”と呼んでください。愛知万博の年に半田赤レンガ建物に来たドイツ人が言ってくれました。来日してから、日本で飲んだビールの中で一番ドイツのビールに近いと。でも当たり前なんです。半田赤レンガ建物(旧カブトビール工場)もドイツのケムニッツから輸入された部材が使用されていますし、『カブトビール』製造技術もドイツ人技師の手によるものですから。


カブトビール復刻秘話 その弐

2018年07月09日 | グルメ

 『カブトビール』の復刻にあたり、アサヒビールと色々情報交換をしていたこともあり、当初の製造委託をアサヒビールに打診した経緯がある。もちろん『カブトビール』の資本の流れを受け継いだのもアサヒビールであったこともあり・・。しかし、さすが大手メーカーである。数千本単位の注文には、対応しかねますとのこと。さて困った。そこに救世主のように現れたのが、知多麦酒㈱である。地元知多半島のメーカーでもあり、製造委託先として決まったのである。『カブトビール』は、「赤煉瓦倶楽部半田」が企画し、知多麦酒㈱が製造している商品なのです。


カブトビール復刻秘話 その壱

2018年07月07日 | グルメ

 復刻『カブトビール』は、何のために復刻されたのか知っておいて下さい。半田赤レンガ建物の保存団体である「赤煉瓦倶楽部半田」が、建物保存の機運が高まるよう、一人でも多くのお客様に半田赤レンガ建物へ来場していただくために動機付けとなればと考え復刻されたのが『カブトビール』です。ですから『カブトビール』は、半田赤レンガ建物以外では滅多に販売しないのです。赤レンガに興味がなくても『カブトビール』が飲みたいから、半田赤レンガ建物まで来てくれたあなた、そういうあなたのためのビールこそが『カブトビール』なのです。