回遊魚の旅日記

時の流れる音をききながら歩いたり歌ったり
少しづつ昔の暮らしをとりもどしつつ。

仁右衛門島へ。

2008-03-22 22:38:14 | 日帰りドライブ

「太平洋からの風が

房総半島に吹き寄せて

空にトンビを浮かばせる」

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間所ひさこの詩、多田武彦の作曲、の混声合唱組曲「太海にて」の中に詠われている仁右衛門島。

あの詩と歌の風景に魅せられて当時の合唱仲間と訪れたのは30年以上も前のことだったか。このあたりにはそれ以前にも幾度か来ている。

和船でゆく小さな漁港と島との間は、矢切の渡しよりもっと短い距離。

それがちょっと哀しいような可笑しさ。http://www.niemonjima.com/

船頭さんは真っ黒に日焼けしてその海へ漕ぎ出す。Dscn3984_2

こんないいお天気の土曜の午後に船に乗るお客さんはちらりほらり。

「岩山のてっぺんに巣があるという

東京っ子にはのぼれない高さ」

・・と口ずさみながら

一回りで30分もかからない仁右衛門島を歩けば、アシタバの生い茂る島のあちこちから鶯の声。トンビやカモメが青い海原の真上に飛び交う。

若い頃の思い出も波の砕ける音に消されそう。

お昼は海辺のお店で金目鯛の煮付け(^^)v

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横須賀・観音崎公園へ

2008-03-09 23:22:35 | 日帰りドライブ

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「ROKU」と壁面に書かれた建物は、横須賀の観音崎公園内にある画家谷内六郎の美術館。(夫ろくさんの記念館ではない^^)

絵と原稿用紙一枚分の説明文を読むたびに心を揺り動かす彼の作品がまた見たくなって出かけてみた。

「週間新潮」の表紙を長年にわたって書き続けた人である。

父が毎週買ってきたこの週刊誌。

子どもの頃であったので、その内容にはまるで関心がなく、いつしかその表紙を楽しみに待つようになったものである。

そしてその絵の風景の懐かしさや音楽が聴こえてくるような楽しさや、子どもの表情に忍び寄る寂しさのようなものを理解できるようになったのは、かなり成長してからのことだった。

もしかしたら父もその絵に今のわたしと同じようなノスタルジックな気持ちを感じて買って帰ったのかもしれない。

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海からそそり立つ小高い丘の公園からは春の海。

岩場では家族連れが潮干狩りやらワカメ採りをして賑わっている。

房総半島を望む狭い浦賀水道に面して幕末から太平洋戦争まで置かれていたいくつかの砲台が歴史を思わせる。

青い海に大小さまざまな船が往来し、白い波をけたててすれ違い、大海に乗り出すものあれば寄港するものあり・・・船が堂々と意志を持って動いているのを眺めているだけで時間を忘れる。

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六郎美術館は、中庭からも館内の窓からもそんな海が見渡せる。

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自分のデジカメを忘れて出かけたので画像はろくさんのケイタイから。鮮やかさがイマイチ!


小石川植物園へ

2008-03-02 18:15:28 | 町歩き・季節の日記・エッセイ・コラム

和太鼓の「英哲風雲の会」コンサートに行く前、少し時間があったので、小石川植物園へ。

この季節に出かけたのは初めて。

桜はまだだし、樹木の葉もまだ出ていないけれど小高い丘の上から、桃色、白の霞のように広がる梅林は見事。まだ行ったことはないが極楽浄土とはこんなものかとも思う。

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美しさと甘酸っぱいあまりにもよい香りに、酔っ払って涙が出そう。

日向の雑草地では今年、オオイヌノフグリに今年初めて再会。

また、春が来たね。

小さい男の子が「あっ、かわいい!」と声をあげて青紫の小さな花をみつけてかがみこんだ。

きっと花の名前もしらないだろうその男の子の様子が、オオイヌノフグリに負けず劣らず抱きしめたいくらい可愛かった。

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ネコヤナギもコブシもシナミズキも一斉に芽吹き始めた。

ネコヤナギの花がモコモコの灰色から小さい花火の玉のようにパチパチと飛び出している。Dscn3962

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ひと足早く寒桜が一本だけもう立派に咲いていた。

冬の間に誰にも気づかれず、脈々とエネルギーを蓄えていた花々はこの春の陽射しの中で人々から称賛され、爛漫の満開のときを迎えるのだろう。

毎年のこととは云え、頭が下がる思い・・。