先週越生から拾って来た石を根気よくダイヤモンド砥石を使い、研磨して面出しを行い砥石に仕立てた。
拾って来る時点では、果たして砥石としての用を果たせる石であるかどうかなど確信はなかった。
研磨作業の途中でも、土色したドロが溢れるようにして出て砥石としては軟らかすぎるかと不安に感じた。
面出しの後、早速に一本の菜切り庖丁を研いでみた。
仕上砥としては、手元に8000番手と10000番手の人工砥石があるが、研いでみてその研ぎ心地がまるで違う。
庖丁が砥石面を滑らかに移動をする感覚。
研ぎ終えて、切れ味を確かめるべく新聞紙を切ってみて驚いた。
研ぎの技術が我が身に備わっているとは思ってはいないが、今迄と比較にならない程に鋭く切れる。
見た目では上質な砥石であるようには思えなかったが、なになに大したものだと嬉しくなった。
石質やら何という名を持った石であるのか不詳であるが、とんだ収穫。拾い物である。