試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成新3000形3051-5[3051F] 7次車 動力ユニット再整備(加速度改善:摺動抵抗低減) ※後期整備施工車

2017-12-18 22:05:37 | 京成線:新3000形
先入観。

マイクロエース製京成新3000形3051F(7次車:3051F)を入場させた。
在籍する新3000形では動力ユニット整備の最終編成となる。
リリースの迫る新3000形3002F現行仕様(1次車:3002F)の回着前に一区切りを迎えられている。


京成新3000形3051F 7次車。
3051F:3051_8-3051_7-3051_6-3051_5-3051_4-3051_3-3051_2-3051_1。

3051Fはマイクロエース製新3000形でも初期にリリースされた。
8両編成では3000番台を差し置いての登場だった。
回着後の加工は多岐に渡る。
大半は3050番台独自の配色を上手く利用したつもりである。
3026F(8次車:3026F)のPT-71系パンタグラフが折り畳めず取扱いに苦慮していた。
既に3001F前期仕様(1次車:3001F),3010F前期仕様(3次車:3010F-1)が在籍しており3000番台のパンタグラフを統一したかった。
窮余の策で3051FをTOMIX製PT-7113-D形パンタグラフへ換装し捻出品を3026Fへ移設している。
その後京成形式には似付かわしくない巨大な避雷器を3500形3520F現行仕様(3520F-3)発生品へ交換した。


3051-5 7次車(3051F:動力車)。

目立ち難い箇所ながら全車波打車輪化も行っている。
3051Fの次に回着した3001F前期仕様(1次車:3001F)はディテールインフレが進んだ時期にリリースされた。
一時期マイクロエース製品で標準採用されていた波打車輪部品装着が目新しかった。
しかし新3000形への波打車輪部品装着は3001Fだけに留まってしまい早くも3026Fでは廃止となった。
3000番台で異端編成に陥った3001Fは3051Fと車輪交換を行い非波打車輪化し3001F,3010F-1との外観統一を図った。
動力車の3001-5だけは車輪交換ではなく動力ユニット交換にて対応している。


入工中の3051-5。

その結果3051-5は3051F仕様のユニットカバーを装着した3001F仕様の動力ユニットを持つ。
入場時には当時に於ける動力ユニット整備を並行した。
現在の整備内容とは異なり清掃に近いものだった。
既に整備竣工した3001-5ではこの清掃が裏目に出てしまった。
3051-5も同じ経過を辿ると考え作業を開始した。
ところが導電板は3001-5の状態を上回っていた。
恐らくクリーナーの拭き上げ方が違ったのだろう。
加速度が下がった原因は導電板かと思っていたが外れている。


研磨を終えた導電板。

新3000形3000番台のユニットカバーは裏面に凹凸がありラプロス#2400での研磨が行い難かった。
3051-5では一転して平滑化されており作業は行い易かった。
LOTが進むに連れ雑になる成形処理は改善を望みたい。
当時の動力ユニット整備では動力台車集電板と接する導電板に角度を設け集電効率向上対策を施していた。
後に全く効果が無いと判明し現在は廃止している。
今入場で3051-5も原形に戻し珍妙な施工は姿を消した。


油脂付着が目立ったモーター軸。

モーター周りで目に付いたのはモーター軸への油脂付着である。
従来は黄金色に変色する個体が殆どを占めていたが3051-5は白濁が激しかった。
純正グリスと同じく変更されたのかもしれない。
油脂除去は従来と変わらず綿棒で行えている。
モーター単独駆動試験では低速トルクが弱く感じられた。
よってモーター軸受部には注油を施した。


純正グリスが残るFS-564動力台車(成田寄)。

モーターのトルクは極端に劣っていたわけではない。
加速度低下はFS-564動力台車の純正グリスだと思われた。
前回の整備では過剰投与分の除去しか行わなかった。
劣化した純正グリスにより摺動抵抗が高くなったと考え重点的に整備を行っている。


クリーナー清掃を終えたギアボックス一式(上野寄)。

FS-564動力台車は純正グリスの除去が甘く各所に変色した塊が残っていた。
ギア類は全谷に純正グリスが付着していた。
クリーナープールに浸け溶解を待ったが一部には残滓がある。
歯ブラシを持ち出し全ての純正グリスを除去した。


手作業で純正グリスを除去した動軸ギア(成田寄)。

小ギア類のクリーナー清掃結果を受け動軸ギアは手作業での清掃に切り替えている。
クリーナーを浸した綿棒と歯ブラシを持ち替えながら純正グリスを除去するかつての方式となった。
動軸ギア用クリーナープールを用いなかったため都合4軸のギア清掃には時間を要した。
少しでも溶解させた方が良かったかもしれない。


組立後に再清掃を行った各ギア(上野寄)。

動軸ギアの清掃具合に不安を抱いた。
FS-564動力台車を組立てロアフレームのスリットから歯ブラシを当て再度清掃を施している。
この時点で車輪回転は大幅に向上しており明らかな摺動抵抗低減を感じ取れた。
なおロアフレームへの純正グリス進出は殆ど見られなかった。
多少なり前回整備の効果があったと思いたい。


磨き出しに時間を要したスパイラルギア(成田寄)。

スパイラルギアも谷が純正グリスで埋まっていた。
再びクリーナープールを持ち出し投入した。
当初は動軸ギア用クリーナープールを使用する予定でまだクリーナーが残っていた。
スパイラルギアは金属製で多少の汚れは影響しないと考えた。
しかし純正グリスは殆ど溶解せずクリーナープールから引き上げても殆ど状態は変わっていない。
結局歯ブラシでの研磨に変更する羽目になっている。
普段は直ぐに真鍮色へ戻るスパイラルギアだったが3051-5に限っては甘かった。
なかなか曇りが取れず今までになく苦戦を強いられた。


各部の清掃を終えた動力ユニット。

3051-5のユニットカバーは前回整備で一部の嵌合爪受を破損させてしまった。
そのため嵌合順に気を配る必要がある。
破損部は全て山側である。
撤去時は海側から,装着時は山側から行わなければならず組立にも難儀している。
津川洋行製ホイールクリーナーで踏面清掃とタミヤ製グリスを馴染ませ全工程を終えた。

試験走行では加速がスムーズになり症状改善を確認できた。
性能向上を果たし3051Fが再出場した。
3051-5の加速度低下はFS-564動力台車の純正グリスに拠るものと推測している。
トルクが弱く感じたモーターも多少影響したと思う。
しかし試験走行結果を見るとFS-564動力台車が主因と考えて間違いないだろう。
これまでの動力ユニット整備で加減速不調の原因一番手は導電板かと思っていたが決め付けは良くない。
未入場の1000形,3600形では個別に対策を考えたい。