魔界人の妄想録

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【夜泣き岩伝説と鬼】

2022年09月07日 22時41分26秒 | 紀行
片埜神社の鬼に巡り合って、いろいろなことを考えているのですが、実は鬼とは縄文人の事ではないかと思っており、この神社の鬼もそういうことかと一時おもったのですが、いや秀吉により鬼門鎮護の社とされたことに起源があるなら縄文人なんて関係ないとすこしがっかりしていました。しかし大阪城の丑寅の方向ならばこの神社だけではないだろうから、やはりそもそも鬼に関するものがあったのではないかと再度思い直し「鬼」について調べることにしました。そこで「鬼」といえばやはり馬場あき子氏の『鬼の研究』で、関係ありそうな「土蜘蛛」のところを読んでいました。その中で折口信夫の説として、「オニとは大人(おおひと)のことで征服された先住民族の事ではないか」と述べていたとのこと。そして馬場氏は「古代的なオニの一種として土蜘蛛もみることができよう。」と書いておられます。なぜ土蜘蛛かというと穴居することから、またナガスネヒコのように手足が長かったのかもしれません。馬場氏は次のようにも述べます。「滅ぼされた女土蜘蛛のなかには明らかに巫女的横顔を持っている者も多く」「巫女の支配がひじょうに大きな力をもっていたこと思わせる」ということです。
これを読んで思い出したのが「源氏の滝」の「夜泣き岩」の悲しい伝説です。山賊の頭としての女性は巫女とはされていませんが乱暴な男たちをまとめていたことには違いないように思えます。だとすれば交野地方の山々には、土蜘蛛としての縄文人について長く伝えられているとも考えられるのではないでしょうか。
夜泣き石伝説はこちらをご参考ください。
交野の民話 | 交野市 (city.katano.osaka.jp)