魔界人の妄想録

思いついたお話しや物語を書いています

山の神としての蛇

2020年06月18日 16時11分00秒 | 信仰
メモ
『山の神』の吉野裕子への疑問

蛇が祖先神として信仰された理由として
1  外形が男根相似
2 脱皮による生命の更新
3 一撃にして敵を倒す毒の強さ
をあげている。
このうち1と2については大いに疑問がある。

1について
確かに似ていると言えば似ているし、以前はそうかなあ、と思っていた。しかし今は蛇は女性性ではないかと考えている。彼女が示す世界の蛇信仰で、例えばギリシャ神話の有名なゴルゴンやメデューサは女性だし、また、彼女が例示する古語拾遺において大蛇のことを「ハハ」とか「カカ」というとあるが、それらはまさに女性。また、縄文土器では女性がマムシをトグロの状態で載せているものがあるというから、やはり女性を表すのではないかと思う。
3の毒だが、日本では毒蛇はマムシ、ヤマカガシ、そしてハブだと思うが、日本で最大のアオダイショウには毒はないから蛇イコール毒蛇ではない。ただ毒蛇には古代人も恐れていたものと思われる。
2についてだけは納得できるものとして残る。
僕は蛇の神格化は境界の神としてあるのではないかと思っている。しめ縄なんてそういう意味だと思う。