付け焼き刃の覚え書き

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「私、能力は平均値でって言ったよね!(1)」 FUNA

2016-06-20 | 異世界転生
「アデルです。特技は特にありません。どこにでもいる、ごく普通の平凡な女の子です」
 魔法でも剣技でも身体能力でも他の生徒より頭1つ以上は軽く抜きん出ているのに、それに気づいていないのは本人だけだった。

 前世を思い出した10歳の少女、アデル・フォン・アスカムは王都の学園へと旅立った。子爵家の名を名乗ることも禁じられ、仕送りも支度金もないままの旅であるが、このまま家に残っていれば父や義母に殺されかねないのだ。
 天才ともてはやされた美少女だった前世では何も良いことがなかったので、今度こそは「能力は平均値でお願いします!」と神様に願ったアデルだったが、神様の考える「平均」はかなり杜撰な計算だった……。

 学園篇、早っ! ハンター篇、早っ! 養成学校篇、早っ!……と、テンポ良く進む異世界転生譚。
 平凡で普通な人生を願ったのに、普通の「基準」がおかしかった話。身分制が王族・公爵・侯爵・伯爵・子爵・男爵・騎士爵・平民・奴隷だから、真ん中の子爵!とか、平均値も中央値も最頻値も関係ない子爵家に生まれた設定とか一事が万事の平均設定を隠そうとしながら、ぜんぜん隠しきれないまま暴走する物語です。ウェブ連載とほぼ並行しての刊行なので書きためは少なく、うまく着地して欲しいなと思います。
 イラストも活き活きと動きのある各シーンを描いていて最高。名乗りの爆破シーンをちゃんと決めてるってだけで期待以上です!

【私、能力は平均値でって言ったよね!(1)】【FUNA】【亜方逸樹】【異世界転生】【小説家になろう】

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