「三田一族の意地を見よ（１）」 三田弾正

　史蹟見学帰りの大学生のオートバイが暴走トラックに追突された。だが、死んだはずの青年の意識は過去へ飛び、ご先祖である三田家の四男坊として転生してしまう。
　時は戦国時代、処は関東。上杉と後北條の狭間に領地を持つ三田一族は、史実どおりなら間もなく滅んでしまうのだが……。

　仮想戦記でちゃんと戦国小説はしているのだけれど、中身は想像以上にクラフト系。大半は既に下地があり、遅かれ早かれどこかで誰かがやるものがほとんどではあるけれど、それをまとめて早めに行うことで生まれるのは銭の力。
　なにか問題が起きるたびに前世知識で解決していくというより、問題を解決するための地力をつけるために小道具を使っているせいか、歴史知識が状況把握以上に役立っていないせいか、あまりチートには感じられず、普通に太閤記のような戦国立身出世譚として読んでます。

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