百首哥に　　　　　　　　摂政 荻の葉にふけばあらしの秋なるをまちけるよはのさをしかの...

同人哥ニ名字ヲヨム事 法性寺殿に會ありけるとき俊頼朝臣まひりたり けり。兼昌こうじにて哥よみあぐるにとしよりの 哥に名をかゝざりければみあはせてうちしわぶきて 御名はいかにとしのび...

題しらず　　　　　　寂蓮 さびしさはその色としもなかりけり槇たつ山の秋の夕暮 めでたし。 　　　　　　　　　　西行 こゝろなき身にもあはれはしられけり鴫たつ沢の秋の夕暮...

千五百番哥合に　　　　　　　　通具卿 深草のさとの月影さびしさもすみこしまゝの野べの秋風 めでたし。詞もめでたし。　深草の里の月を、今きて 見れば、昔住て見し時のまゝなる...

　　　　自閑 さくら花   　　　うつろふまでは   　　　　　しばしとて   　ともに眺めて ...

尾張廼家苞　四之上   　らん物をとしては、詞のうへも風流 　に餘情かぎりなき物をや。　　　　けしきといへる、此集のころの 　歌におほし。文字ごゑ...

  題しらず　　　　　　　　従三位頼政 こよひだれすゞふく風を身にしみてよしのゝたけの月を見るらん めでたし二三の句殊によろし。　月をみてあはれなる まゝに、思ひやれる...

　　　　恵慶法師 さび 　　しき　　　やへむ 　　　　　に　　　　　　ぐら 人こそ 　　　　　　　　しげれ 　　みえね　　　　　る 　秋はき　　　　やど 　　　...

尾張廼家苞　四之上       　　　水無瀬戀十五首歌合に春戀 　　　　　　　　　　　　　　　俊成卿女面かげのかすめる月ぞやどりける春やむかしの袖の...

        八月十五夜和哥所哥合に深山月 深からぬ外山のいほの寐覚だにさぞな木ﾉ間の月はさびしき だには、すらの意なり。　さぞなは、かくの如くぞといふ意也。 ...