《1977年、エストニアに生まれたラウリ・クースク。コンピュータ・プログラミングの稀有な才能があった彼は、ソ連のサイバネティクス研究所で活躍することを目指す。だがソ連は崩壊し……。歴史に翻弄された一人の人物を描き出す、かけがえのない物語。》
始めは分かり難かったけれど・・、半分程読み進めた頃、視界が広がり、その後は結構夢中に読みました。
ゴルバチョフ、エリツィンの名前が躍る時代に翻弄された若者は・・、挫折し・・、やがて、ITを主軸に置くエストニアの中に居場所を見つける・・。
ブロックチェーンとかの技術的な内容は理解出来ないが、エストニアは独立直後からそれらのIT技術の重要性を認識し、基幹技術に位置付けたらしい。
「わたしの人生はわたしの人生。わたしを不幸だと決めつける権利なんか誰にもない」
「・・親友と会うのに理由なんかいらねえ。何年ぶりか知らねえが、話題なんかなくたっていい。二人で空でも見てればいいのさ。・・」
「この国でまっすぐ生きるのは難しい。まっすぐ行きたいと思ったら、多かれ少なかれ、ロシア人連中のいうことを聞かなきゃならんからな。」
「つまり、独立を経たいまも、この国の人口の四分の一ロシア系の住民である。そのなかには、無国籍状態のままの者もいる。」
「皆、英雄の話には飽き飽きしている。・・でもそうではなく、わたしは、きみのような人の話を読みたいんだ。・・」
(画像借りました。)