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博物館のアイヌ遺骨慰霊 北海道、伝統儀式で

2017-11-14 | アイヌ民族関連
産経ニュース2017.11.13 13:02

北海道アイヌ協会のメンバーによって営まれる先祖供養の儀式「イチャルパ」=13日午前、札幌市厚別区の北海道博物館
 北海道は13日、道立の北海道博物館(札幌市)で保管されているアイヌ民族の遺骨7体の慰霊式を行った。文部科学省が昨年11月にまとめた調査の過程で、アイヌの遺骨であることが判明。式ではアイヌの先祖供養の儀式「イチャルパ」も営む。
 北海道博物館によると、昭和40~50年代に複数の個人が同博物館の前身、北海道開拓記念館に7体を寄贈した。出土地などを調べている。
 アイヌ遺骨は、かつて研究名目で各地から持ち去られ、北海道大など全国12大学に1600体以上が保管されていた。文科省は博物館などを対象とした調査も実施。北海道博物館や伊達市噴火湾文化研究所、東京国立博物館など計12施設で、少なくとも76体の保管が判明した。
 アイヌの有志は平成24年以降、保管数が最も多い北大に対して遺骨返還を求めて相次ぎ提訴。3件で和解が成立し、返還や再埋葬が進められている。
http://www.sankei.com/life/news/171113/lif1711130019-n1.html

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初の慰霊式 アイヌ民族の遺骨7体保管(動画)

2017-11-14 | アイヌ民族関連
毎日新聞 2017年11月13日 18時32分(最終更新 11月13日 20時37分)
 北海道は13日、アイヌ民族の遺骨7体を保管している北海道博物館(札幌市厚別区)で慰霊式を実施した。高橋はるみ知事は「遺骨の保管に至った経緯を詳しく調べ、尊厳ある保管とアイヌ文化の振興・継承に努める」とのメッセージを寄せ、哀悼の意を示した。同館での慰霊式は初めて。
 苫小牧アイヌ協会の沢田一憲会長が儀式の祭司を務め、民族衣装をまとった協会関係者ら約20人が神酒や果物を供えて、カムイノミ(神への祈り)やイチャルパ(先祖供養)を営んだ。道、内閣官房アイヌ総合政策室の関係者らも参加した。
 アイヌの遺骨は研究名目で収集され、文部科学省が2011年以降、全国の大学や博物館などを対象に調査を実施。北海道大や札幌医大など12大学に1630体以上が保管されていたことが分かり、北海道博物館にも7体の遺骨があった。
 同館によると、遺骨は1970~80年代に持ち込まれたものだという。遺骨の収集場所などを調べており、身元が判明すれば遺族らに返還する考え。来春以降に結果を公表する方針。【藤渕志保】
https://mainichi.jp/articles/20171114/k00/00m/040/015000c

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アイヌ民族遺骨を慰霊 北海道博物館保管の7体

2017-11-14 | アイヌ民族関連
北海道新聞11/14 03:30 更新

北海道博物館に保管されているアイヌ民族の遺骨の慰霊行事で行われたカムイノミ
 北海道博物館(札幌市厚別区)に保管されているアイヌ民族の遺骨7体の初の慰霊行事が13日に行われ、道や北海道アイヌ協会の関係者ら約50人が鎮魂の祈りをささげた。
 文部科学省が2015年度から全国の博物館などを対象に遺骨に関する調査を行い、昨年12月までに道内外12施設で76体を保管していることが判明。北海道博物館の7体は道内の郷土史家らが1970~80年代に寄贈した遺骨で、出土地域や発掘時期が分かった一部を除いて、詳しい経緯は不明という。
 北海道アイヌ協会の沢田一憲理事(苫小牧)が祭司を務め、厳粛な雰囲気の中でカムイノミ(神々への祈り)やイチャルパ(先祖供養)を行った。
 北海道博物館は遺骨の発掘経緯に関する調査を本年度中に終え、来年度の早い時期に結果を公表する方針。
※イチャルパの「ル」は小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/144740

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木彫家親子の作品も展示。 私設民俗資料館のある民芸品店へ

2017-11-14 | アイヌ民族関連
ニフティニュース2017年11月13日 11時00分

阿寒湖アイヌコタンにはおみやげ物店がズラリ。その中で異彩を放っているのが「熊の家(くまのや)」です。お土産として購入できる民芸品の種類もさることながら、店主であり木彫家でもある藤戸竹喜さん康平さん親子の作品も鑑賞可能。地下には私設の民俗博物館まであるという、お土産を買うだけではない濃い時間を過ごせます。
熊の家(くまのや)は、木彫家の藤戸竹喜さんが1964年にはじめたお店です。入口では竹喜さんの作品が迎えてくれます。クマとそれを捕まえる人々が生き生きと表現されています。
現在主にお店に立っているのは息子の康平さん。康平さんも木彫家で、店内には作品のiPhoneケースなどが飾られています。作品を彩るターコイズは、アイヌの女性が儀式の時に身に付けたタマサイ(ガラス玉などを連ねた首飾り)にインスパイアされたものだそう。康平さんの作品は大阪の国立民族学博物館や千葉の国立歴史民俗博物館にも納められています。
熊の家では気軽に買えるお土産も多数扱っています。やはり気になるのは木製のもの。
阿寒周辺で作られたものはもちろん、他地域の工芸品を購入することもできます。人気は伝統的工芸品に指定されている平取町二風谷のお盆、イタ。作り手不足で今後手に入りにくくなることが予想される旭川市の優佳良織の商品もあります。
熊の家オリジナルの商品も多数あり。人気は康平さんがデザインしたTシャツ(3024円)やタオル(864円)。
近年被害ばかりが強調されているエゾ鹿ですが、皮で作ったお財布は柔らかく使い心地のいいものに。色やデザインのバリエーションも豊富です。
地下には私設の民俗資料館があります(見学を希望する場合はその旨を伝えてください)。主に竹喜さんの作品と民具などが展示されています。奥にある人物像は実在の人をモデルにしています。もちろんすべて木製なのですが、まるで体温を持っているかのよう。
手前には様々な種類の犬がずらり。
10月14日から12月17日までは、札幌芸術の森美術館で「木彫家藤戸竹喜の世界」を開催。そちらでもまとまった数の竹喜さんの作品を見ることができます。
お店にはほか、アイヌ音楽CDの視聴スペースもあり、購入も可能。アイヌ関連の書籍も販売しています。康平さんはお店をアイヌ関連のいろいろなものに触れ、好きなものを見つけてもらう場所にしたい、と話します。かつての、だけでなく現代のアイヌ文化も感じられる場所になっています。
熊の家(くまのや) ■住所:釧路市阿寒町阿寒湖温泉4-7-12 ■電話0154・67・2503 ■時間9:00~22:00 ■休み:不定休 
【北海道ウォーカー編集部】
https://news.walkerplus.com/article/125548/

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【台湾】ゴンドラで猫空へ。抜群の展望!台北のほっこりスポットでスイーツを

2017-11-14 | 先住民族関連
エキサイトニュース2017年11月13日 12時00分 (2017年11月14日 08時23分 更新) TABIZINE

猫空」へゴンドラで出かける!
「猫空(マオコン)」は台湾の観光スポット。誰でも、猫空と聞けば「猫がいっぱいいて、空がぽっかり晴れていて癒されるなぁ」というイメージが頭に浮かぶと思います。半分正解です!
「猫空」という土地の意味は「猫の盆地」。お茶の木が植えられた山に囲まれた場所です。その山からは、遠くまで広がる空、その下に広がる台北の街並みを眺めることができて、とっても癒されます。先住民族がすんでいたころから「猫空」といわれていたそうですが、実際には猫はいないんです。
でもいいんです。1980年以降、茶畑をフィーチャーした観光地として整備されると、地元の人たちがハイキングに訪れたり、お茶を楽しんだりする場所として人気になりました。今では日本や世界各地からも訪れる人たちが増えています。
「猫空」への行き方。
猫空へ行くには、台北の中心地から地下鉄で30分ほどの動物園駅で降りて、ゴンドラに乗ります。動物園駅を降りれば右が動物園で、左がゴンドラの駅。ゴンドラ乗り場には、右側に長い列、左側に短い列ができています。右側が床が透明なゴンドラ、左が一般のゴンドラです。
明なゴンドラに乗れば、足の遠く下のほうに木々が茂っていて、かなり高さを感じることができます。高いところが苦手な人は一般のゴンドラのほうがいいかもしれません。
このゴンドラは、途中で80度の角度で曲がるんです。どんなふうになっているかは、乗って確かめてみてくださいね。
そうそう、この日は、オープンエアで気持ちよさそうなメンテナンスのゴンドラとすれ違いました。なぜか、何かいいことがあるような気がしてしまいます。
「猫空」にあるもの。
ゴンドラに揺られて30分の空の旅。猫空駅に到着です。この地区に点在するいくつかのお寺を巡りながらハイキングを楽しむ地元の人も多いようです。地図で見るより実際には距離があるらしいので、時間があればぜひ。
駅を降りると、いきなり台湾料理の半屋台のレストランがあります。それを右に見ながら通りを進んでいけば、お茶畑、お茶屋さん、レストランやカフェ、お土産屋さんがいくつか。市場のような忙しさはなくって、とてものんびりした雰囲気です。
「猫空」のカフェでまったり!
カフェもいくつかありますが、「猫空間」はコーヒーのお店。高台のパラソルだけの席からは、遠く台北の市街地を見降ろすことができます。残念ながらこの日は曇っていましたが、台北101も見えました。
「Cafe巷」では、店内でいわゆるカフェ飯やドリンクを楽しめるお店。
ここで買って食べたいのは、猫のクッキーがのったソフトクリームです。味は抹茶と鉄観音。鉄観音のほうをいただきましたが、確かに香ばしくっておいしい。
空を背景に写真を撮りました。
「Ice Climber」は自家製ケーキのお店。昨年開店したばかりです。
おすすめを聞いてみたら、意外にもシンプルなレモンタルト。でも、食べてみれば納得です。ちょうどいい酸味と甘さ、レモンの果肉を感じることができるクリームが爽やかです。
この猫空にぴったり。旅の疲れも癒されます。
「猫空」でお茶を買う。
「清泉茶園」はお茶屋さん。近隣で取れたお茶を売っています。
店頭でお茶のテイスティングを体験できるので、自分好みのお茶を納得するまで探すことができます。
すぐそばの「マウコンお茶屋」では、猫のイラストがプリントされた色とりどりの缶に入ったお茶屋や、茶器、茶菓子などが売られています。
おすすめはパンダのカップ。パンダって感じなら「熊猫」でしたよね。
忙しい台北の町中からほんのちょっとで、こんなに待ったりできる場所がありました。気持ちのいい空気と景色、すれにスイーツを楽しみながら、ちょっとほっこりするにはいいですよ。
[All Photos by Atsushi Ishiguro]
https://www.excite.co.jp/News/travel/20171113/Tabizine_160148.html

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「アレンテの人々のために歌い祈るつもりで入った」

2017-11-14 | 先住民族関連
日豪プレス 2017年11月13日
パインギャップ共同防衛施設侵入男、裁判で陳述
 アリス・スプリングスの南にあるパイン・ギャップ共同防衛施設はアメリカとオーストラリアの通信傍受施設で英米系5か国が共有するエシェロンという情報システムの施設の一つと言われている。
 2016年にこの施設に侵入した男の裁判がアリス・スプリングス最高裁で開かれており、男は、「地元アレンテの人々のために歌い祈るつもりで入った。害を与える意図はなかった」と陳述している。
 ABC放送(電子版)が伝えた。
 ケアンズ在住のポール・クリスティー(44)は、「防衛特別事業法」に基づき立ち入り禁止区域に入ったとして起訴されている。
 連邦警察(AFP)の警備官として施設に勤めているロイド・アダムズ氏が証言台に立ち、「逮捕時、クリスティーは、ポケットナイフ、棒、地図の入った袋を携帯していた。また、施設に入る許可を持っていなかった」と証言している。
 2016年10月3日午前6時30分、赤いフード・ジャケットを着た人物がパイン・ギャップ構内のCCTVに映った。
 検事のマイケル・マクヒューSCは、「被告人は、構内の北フェンスから1.5kmのところで逮捕された。逮捕時、被告人は、水の枯れた河原を伝って侵入した。パイン・ギャップの土地は先住民族アレンテの人々から盗まれた土地であり、自分はアレンテの子供達のために歌い、祈るためにここにいると語った」と証言している。
 裁判の間、裁判所建物の外では、抗議グループが、「戦争を裁判に、パイン・ギャップ閉鎖」と書かれたプラカードを掲げ、歌ったり、シュプレヒコールを叫ぶなどの抗議行動を行った。
■ソース
Man accused of trespassing at Pine Gap allegedly went there to sing
http://nichigopress.jp/ausnews/law_news/153089/

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「シェアリングポリティクス」という新潮流 --- 蒔田 純

2017-11-14 | アイヌ民族関連
アゴラ 11/13(月) 16:58配信
民泊やライドシェア等の「シェアリングエコノミー」が拡大しつつある。この背景には「所有から共有へ」という社会の大きな流れがあるが、政治分野でもこの動きは出てきている。以下では政治における新潮流、「シェアリングポリティクス」について検討したい。
「シェアリングエコノミー」は、使われていない資産(遊休資産)を持つ貸し手とそれを使いたい借り手がウェブ上のプラットフォームでマッチングされる仕組みだが、「シェアリングポリティクス」では、使われていない権力(遊休権力)が選挙というプラットフォームを通じてシェアされる。使われていない権力とは「政治に反映されていない声」のことである。政治には多様な立場の声が反映されるべきだが、それに照らして適正に反映されていない声があるとすると、それは権力の中に使われていない部分があると考えるのである。
例えば、世の中の男女比は概ね5:5であるが、日本の国会では9:1程度である。この時、極めて大きな割合の女性の声が議席に反映されていないのであり、女性の声に基づいて行使されるべき権力が「使われていない」ことになる。この遊休権力を、本来これを持つべき「女性」というアクターとシェアするのが、シェアリングポリティクスである。
いくつか具体例を挙げたい。まずはナイトメイヤー(夜の市長)である。これはクラブ等の夜の経済(ナイトタイムエコノミー)に関して行政に提言する役職であり、欧米で広まりつつある。例えばアムステルダムでは市民のオンライン投票を踏まえて選考委員会が選出したナイトメイヤーが市と業界から資金提供を受けながら関連施策に関する双方の窓口として機能している。夜の街は重要な観光資源であり、新たな文化が生まれる源泉でもあるが、行政からは規制の対象になりがちである。言わば、ナイトタイムエコノミ―を適切に振興するという「権力」が使われていないのであり、これを行政とシェアする試みがナイトメイヤーなのである。
ヤングメイヤー(若者市長)も代表例である。これは英国の自治体で導入されており、13~18歳の青年が投票によって自分たちの中から選出する。ヤングメイヤーは市長に対して政策提言を行い、市の特定予算の執行権が与えられる。選挙権を得る前の若者は政治に特に声を届けにくい層であり、若者目線の施策を行うという「使われていない権力」が市当局とヤングメイヤーでシェアされているのである。
このような「シェアリングポリティクス」の事例は日本においても見つけることができる。例えば山形県遊佐町は「少年町長・少年議会」という制度を2003年より設けている。これは、「有権者」である町在住・在学の中高生が、自分たちの中から、少年町長1名、少年議員10名を選挙によって選出するというものである。少年町長は少年議会で承認された政策に関して遊佐町長に提言を行い、それが採用されれば町の正規の政策として予算化される。少年町長は遊佐町長より特定予算の執行権を与えられており、例えば2015年4月~12月には45万円が割り当てられている。
また、2016年4月には東京都渋谷区が「ナイトアンバサダー(夜の観光大使)」を設置し、初代アンバサダーにはヒップホップアーティストのZeebra氏が任命された。「ナイトアンバサダー」は「ナイトメイヤー」とは異なり、あくまで地元観光協会の任命による観光大使として渋谷区の夜の魅力の発信等を担うものだが、一方で、「夜の街」に特化した初の公的な試みであること、任命されたZeebra氏は昨年6月の改正風営法施行で実現したクラブの深夜営業解禁を主導してきた中心人物の一人であること等から、ナイトタイムエコノミーに関する政策提言を含めた、「ナイトメイヤー」に近い役割を担うことができるのではないかと期待されている。実際、Zeebra氏は昨年6月にアムステルダムで開催された「ナイトメイヤー・サミット」に日本代表として参加しており、風営法改正や渋谷の夜の魅力について基調講演を行っている。
「シェアリングポリティクス」は、「所有から共有へ」という近年における人々の価値観の変化に伴う動きの中の一つであり、「シェアリングエコノミー」同様、今後ますます拡大していくものと考えられる。社会の中にあまた存在する「声」をいかにして反映させるか、は政治が抱える普遍的な課題であり、その現代的な解の一つとして、このような潮流を位置づけることができる。
今後、日本においても「シェアリングポリティクス」の動きは確実に広がっていくと想定される。LGBT、アイヌ、婚外子等、現在必ずしも政治に反映されていない声を持つ層は我が国にも多数存在する。多様化・複雑化する社会にあって、限られた人間のみが公的な課題解決を行うのはそもそも無理があり、様々な分野の様々な意見をいかに取り込んでいくかが、今後の政治における基礎となる。現代において政治は、「与えられた権力を行使する主体」から「多様なアクター間にシェアされた権力を総合的にマネージする主体」に脱皮することが求められているのだと言えよう。
蒔田 純(まきた・じゅん)法政大学大学院公共政策研究科 兼任講師
1977年生。政策研究大学院大学博士課程修了。博士(政策研究)。衆議院議員政策秘書、総務大臣秘書官、筑波大研究員等を経て、現在は上記の他、新経済連盟政策スタッフ、北海道厚沢部町アドバイザー等を務める。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171113-00010006-agora-pol



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創作・評論部門本賞は沓沢さん 詩部門本賞に藤田さん

2017-11-14 | アイヌ民族関連
北海道新聞11/11 09:00
 第51回北海道新聞文学賞は創作・評論部門の受賞作に沓沢久里(くつざわくり)さん(85)=本名・中村久子、札幌市、主婦=の小説「通天閣の消えた町」(亜璃西(ありす)社)が選ばれた。詩部門は受賞作に藤田民子さん(71)=本名・小林民子、釧路市、詩人・釧路文学団体協議会副会長=の詩集「少女の家」(私家版)、佳作に草野理恵子さん(58)=横浜市、主婦=の「黄色い木馬/レタス」(土曜美術社出版販売)、土橋芳美さん(70)=札幌市、自営業=の「痛みのペンリウク 囚(とら)われのアイヌ人骨」(草風館)に決まった。両部門の選考経過や受賞者の横顔などを紹介する。受賞作には正賞(ブロンズレリーフ)と副賞(創作・評論100万円、詩50万円)、佳作は記念品と副賞(詩15万円)が贈られる。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/144684


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<詩部門>候補作と選考経過

2017-11-14 | アイヌ民族関連
北海道新聞11/11 09:00
候補作
(作者の50音順)
「夢のあぶく生まれる深き沼から」 金谷直美
「黄色い木馬/レタス」 草野理恵子
「黒本」 柴田望
「痛みのペンリウク 囚(とら)われのアイヌ人骨」 土橋芳美
「少女の家」 藤田民子
「る」 吉田正代
選考経過
 本賞「美しさ群を抜く」
 応募は昨年から7点増えた19点。このうち6点を候補作とし、笠井嗣夫、工藤正廣、松尾真由美の3氏による選考会を10月17日、札幌市内で開いた。
 選考委員全員が「少女の家」を高く評価。「詩でしかできないことを表現している」「詩の純粋性、美しさ、どれも群を抜いている」などと本賞に決まった。
 「痛みのペンリウク」には「民族の声が聞こえてくる」「北海道でなければ生まれない作品」と社会的メッセージの強さをたたえる声が相次いだが、本の構成に意見が分かれた。「黄色い木馬/レタス」は「不気味な面があるが、社会のきれいごとへの否定感が根底にある」「私たちが見えていない、この世界の残酷さを表現した」と評価され、いずれも佳作となった。
 「る」には、「公共の言葉に対する疑問などを提示できる貴重な人」との声が出た。「黒本」は「勉強熱心だが、散文やビジュアル的な要素も盛り込み過ぎた」との指摘があった。「夢のあぶく生まれる深き沼から」は及ばなかった。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/144694

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<詩部門>選評

2017-11-14 | アイヌ民族関連
北海道新聞11/11 09:00
笠井嗣夫 悼みと祈りが輝き生む
 今年は、例年にもましてすぐれた応募作が多く、順位をつけるのはとても困難だった。
 『少女の家』は、飛躍するイメージと微細に変化するリズムが複雑かつ緻密に関係しあって、未知なる言葉の世界(=詩)を現出させる。底流には亡きひとへの悼みと祈りがあり、哀切さに、詩は輝く。『黄色い木馬/レタス』は、ゆがんだ現実の残酷さ、残忍さを体感させる。二元的な構成と視点が、幻想的でありながら、出来事のただなかにおかれるような、強度とリアルさをもたらしている。
 『痛みのペンリウク』では、情念の強烈なほとばしりが衝撃的だ。後の世代へのやさしい語りかけも胸にしみる。散文を別冊にすると、詩篇(へん)がより際立つだろう。『る』では、身体のなかでも特異な部位としての「爪」を徹底して凝視することにより、ありふれた日常がさまざまに変容する。後半、公共言語への鋭敏な感覚と併せ読むとき、吉田正代のもつ、繊細だが強くしなやかな詩の世界が見えてくる。

工藤正廣 ユカラの声よみがえる
 藤田民子さんの『少女の家』。描写の修辞が冴(さ)える。家族、母や弟の死を悼み天空に転位させる。そのとき自分の少女期への回帰。北方的(吉田一穂(いっすい)を想起させるような)硬質なリリシズムによって、釧路の地が宇宙的な幻想空間に一変する。「氷河」の母像とセルゲイの声は絶唱であった。
 次に土橋芳美さんの『痛みのペンリウク 囚われのアイヌ人骨』は、ページを惜しみつつ一気に読み終える。魂の底から、ついにユカラ(英雄叙事詩)の声が今によみがえった。久しく排除されてきた歌の復活。主題は〈静かな大地〉、アイヌ・モシリのカムイの精神で歌われる。遺恨ではない。人としての良心ゆえに。ペンリウクの声が作者にのり移って語りだす。切なる隣人愛と寛大さ。ペンリウクによって救われる思いが湧く。
 以上この二詩集で選考に臨んだ。ペンリウクの歌は今、世界の何処(いずこ)でも必要な声に違いない。

松尾真由美 真摯さに感じた将来性
 藤田民子の『少女の家』は作者独自の言語感覚によって、看取(みと)っていく側の慟哭(どうこく)も詩の昇華として提示される。予測できない終わりをむかえる作品が多いのは、それだけ詩的飛翔(ひしょう)に満ちている証左だが、作り事にならないのは対象に対しての実感を主体が手放していないからだ。女性らしい柔らかな形容やカタカナの使い方も詩の膨らみとして享受しつつ、完成度の高い詩集という感触を持った。
 草野理恵子の『黄色い木馬/レタス』は不気味なものや不条理的なものを描き、そうしたところが常識的な感覚も覆す。普通ではないことの肯定が根幹にあり、それは表面的な綺麗事(きれいごと)や詭弁(きべん)的なものの否定に通じ、真摯(しんし)さが筆力を支えていることに将来性を感じた。土橋芳美の『痛みのペンリウク』は副題にある「囚(とら)われのアイヌ人骨」という事件の当事者としての叫びが凝縮されている。北海道の歴史の一端を我々(われわれ)が噛(か)みしめるための詩集でもある。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/144697

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<詩部門>受賞者インタビュー

2017-11-14 | アイヌ民族関連
北海道新聞11/11 09:00
<本賞>藤田民子さん「少女の家」
夫と母への思い込め
 「小林東(あずま)との約束のために一本を出港させる」。あとがきにこう記した。
 釧路新聞の記者を経て、18歳で知り合った小林さんと1969年に結婚。それから名物ジャズ喫茶「ジス・イズ」を共に経営してきた。2012年に母親が入院し、夫も脳梗塞で倒れて発語が不自由になった。2人を看(み)るうち、自身も急性骨髄性白血病で伏した。退院後、病床の夫に「前の詩集から14年ぐらいたったので、そろそろ(新詩集を)作ろうかなと言ったら、うんうん、とうなずいてくれた」。亡き母と今年1月に惜しまれて逝った夫への思いを込めた一冊になった。
 詩は10代のころから書いてきた。第2詩集の「ゼリービーンズ岬の鳥たち」が道詩人協会賞を受賞、北海道新聞日曜文芸欄で94年から22年近くにわたって詩の選者を務めた。紛れもなく道内の重鎮詩人の一人だ。それでも応募を思い立ったのは「長年選者を続けて、作品を手に握りしめてポストに投函(とうかん)する人の気持ちに触れた。詩というのはかけがえのないものとして生み出されるんだな、と痛切に感じた」からだ。
 詩作に当たっては「前衛と即興」を旨としてきた。「揺るぎない個があって、しかも飾らず素のままの言葉で書いていく」のが理想で、周囲からは「分かりにくい詩と言われてきた」。それでいいとも思ってきたが、今回は少し心が揺らいだ。詩集前半では、初めて家族や自身の少女時代の経験をモチーフとし、「物語」を意識した。家族同然に暮らしていた犬と並んだ6歳ごろの写真も、控えめな大きさで載せた。
 折り重なるようにやってきた家族の不幸や自らの病を経て「少し優しい気持ちになったのかなあ」と、ぽつり。「仲間たちが(藤田さんの詩には)釧路の風土があるって言うのさ」と笑う。「もっと根源的なものを書きたいと思ってはいるけど、釧路を離れたことがなくて、先輩たちに『好きにやればいい、これでいいよ』って育てられてきたことは、まさしく事実なんです。感謝しています」

<佳作>草野理恵子さん「黄色い木馬/レタス」
「千葉県の特別支援学校に勤め、障害のある子たちと触れ合ったのも大きな経験でした」と話す草野さん
 「生きにくさ」に共鳴
 室蘭栄高在学中に詩を書き始め、北海道新聞の日曜文芸欄を手始めに、詩誌に投稿を続けてきた。2014年刊行の第1詩集「パリンプセスト」が横浜詩人会賞などを受賞。今回、佳作を受賞した第2詩集も高く評価された。平易な言葉を選んでいるようで、体の一部が欠落した人などグロテスクな表現も見られる。「生きにくさ」を持つ人に共鳴する。
 次男の耕也さん(23)が幼いころに難治性てんかん(ドラベ症候群)を発症したことが背景にある。「1日に100回も発作が起きる」ほど重い症状と向き合った経験が「意識していなくても、ベースにはなっていると思う」。現在では平日に作業所に通えるようになり、「自慢の息子です」と笑顔を見せる。
 詩集の題は童謡の「きいろい木馬」に想を得た。木馬が折れた足をきこりに付け直してもらう話で、耕也さんが好きな曲という。
 二つの言葉をスラッシュで結んだ題が印象的だ。収載した25編の題も「朝/自動販売機」などと統一。「いろんな読み方ができて、読む人がそれぞれ違う話を想像してもらえるとうれしい」と話す。
 室蘭出身で、名古屋大教授の夫も同郷。父が市立室蘭水族館の職員だったため「3歳から12歳まで水族館内の宿舎に住みました。閉館後に館内で一人遊び自由に空想を広げていた。楽しかった。それが詩の原点なのかも」。横浜市在住。

<佳作>土橋芳美さん「痛みのペンリウク 囚われのアイヌ人骨」
読み返して「ユカラ(英雄叙事詩)やヤイサマ(叙情歌)のリズムだな、と感じた」と話す土橋さん
 民族の尊厳書き残す
 平村ペンリウク(1833~1903年)は日高管内平取町のアイヌコタンの首長で、著者の曽祖父の兄。宣教師ジョン・バチェラーとも交流があった人物だ。
 1970年代に仲間と月刊紙「アヌタリアイヌ」を創刊し、民族自立の問題に関心を寄せてきた。「ペンリウクとバチェラーの交流のことを書き残したい」という長年の願いを果たすため、思い立って2016年の初めから文章講座に通った。「一緒に受講する方がスマホで調べ、『北大にペンリウクさんの遺骨があるらしい』と教えてくれた。初めて聞いた話で、ものすごく驚いた」。夏に「平取1号」の名で北大に保管されていた遺骨と対面する。返還を求める中で9月に北大の説明が「別人の可能性がある」と変わり、「心が折れて」寝込んだ。
 本書に収めたのは「そのころ、わき出すように聞こえてきたペンリウクの怒りの声を、泣きながら書き取ったもの。詩と呼ぶのかどうかも、私には分かりません」。周囲が長編叙事詩と認めて応募を強く勧め、結果として評価されたことを「光栄に思う」と話す。
 今は「平取1号」がペンリウクの遺骨かどうか、北大の詳細な調査の結果を待つ。北大のアイヌ納骨堂に並ぶ千体以上の遺骨が「何らかの形で安住できるまで(返還運動に)かかわっていきたい」と決意を新たにする。札幌市在住。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/144698

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旧社台小の運用、展示物の保管も 象徴空間準備で活用-白老

2017-11-14 | アイヌ民族関連
苫小牧民報2017/11/11

 2020年4月に白老町に開設する民族共生象徴空間の準備に向けて旧社台小学校の運用方針がまとまった。来年4月1日から20年3月31日まで、象徴空間の運営を担うアイヌ文化振興・研究推進機構が開説準備と展示物の保管のために活用。これに伴う改修工事は国が費用を負担し、町が地元発注する。
 旧社台小校舎の活用をめぐっては、象徴空間開設準備のために活用することが決まっていたが、老朽化した施設のため改修工事などが必要となっていた。
 町によると、建築基準法、消防法に基づく改修と展示品保管のための空調整備が必要で、改修工事費約3300万円は国が負担する方向で協議を進めているという。また、工事については今年度内に完了させることとし、町が発注する。懸念されている建屋の雨漏りに関しては、事前調査で問題ないと判断しており、屋根の改修は行わない。貸付料は年間600万円。
 7日の町議会特別委員会で町からの説明に対し、議員からは2年後の活用について説明を求める声が上がった。町側は「開設以降も利用してほしいと国には要望しているところ」と説明。今後も継続して旧校舎の活用を国に積極的に働き掛けていく考えを示した。
 また、開設までの2年間、旧校舎を拠点とした情報発信や観光客への対応拠点としての活用については「不特定多数の人を入れるには法令上の改修が必要で、国においてはその改修はできないとのこと」と説明。そうした場合の対応についてはコミュニティセンターや生活館を活用していく意向だ。
https://www.tomamin.co.jp/news/area2/12576/

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