12月11日
フィギュアスケートGPFは無事終了、結果はご存知の通りですが、とにかくお客さんがたくさん入っていてくれて、まずはほっと一安心。
SPの様子では、どうなることかと心配しました。気落ちしていた私としては、祈りが通じた感じがします。
さて、期待のFSです。
羽生選手は残念な結果となり、FSは3位となりました。
やはり、緊張があったのでしょうか。
spの時の緊張は、実は、わたしには伝わってきたんです。
SP開始の場面。
リンクのセンターで開始を待つ時の、立ち位置を、羽生選手は迷ったんです。
あの時、「れれれっ? これは変だぞ」って思ったんです。
やはり最初のクワドループの着氷が乱れましたが、その後のぐるんと、ふんばって、彼は弾けたのです。
FSを終えて、直後の松岡修造さんとのインタビューがとてもよかったですね。
「ソチオリンピックのような結果になった。だから優勝しても悔しさがある。(羽生選手の望む、本当の意味での優勝ではないのでしょう)
でもフィギュアスケートはショートとフリー、二つの競技のトータルで行うもの。その結果の優勝、そしてファイナル4連覇を誇りに思う」
これは素晴らしい表現だと思います。
自分の結果を分析したうえで、よいところはちゃんと評価できること。
これを公にできる余裕が羽生選手の中に生まれてきている。
これを王者の風格と呼ばなければ何を言うのでしょう。
羽生選手が、さらに階段を上り、いちだんと高いところで輝く存在になってきたような気がします。
今後も、ゾクゾクとワクワクがとまりません。
特に今回のGPFは、男子フィギュアの新旧交代の場面をリアルに目撃しているような、そんなスリルいっぱいの戦いでした。
FSで捨て身の力を発揮したネイサンと宇野。彼らはまだ十代。17歳と18歳です。
ちょうどその真ん中、まさにセンターポールに22歳になったばかりの羽生がいて、左側に、25歳のハビエルとチャン。残念ながら、今大会では自滅の形となり、ソチの再現ドラマを見ているようでした。
まるで今後の行方を象徴しているような、暗示的な展開となりました。
羽生選手に惹かれる理由は多々あります。
一番は、その戦い方と気持ちのあり方でしょうか。
と同時に、感謝の気持ちを持ち続けていること。
そして、つねに進化を望む、闘争心。気持ちの強さと、弱さの混在。
弱さにまさる、自己克己する気持ちの強さ。なぜなら弱さがなければ、強くなれません。
自分の弱さを自覚しなければ強くなることはでくないから。
そうした姿が私たちに勇気を与えてくれる。
外野席の末端にいる者の目と心を釘付けにするのです。
(毎日新聞 より お借りしました)
ありがとう、羽生選手。
そして、宮原智子選手、宇野昌磨選手、そして出場したすべての選手たち、
ありがとうございました。
本日もお読みいただきありがとうございました。