先日。日曜日の夜。
NHKの番組『大往生』を見ました。
トモちゃんはゴロンと横になって一緒に見ていました。
森鴎外のお孫さんがドクターで、東大病院を退職後、
在宅医療の道に進まれ、20年間で診た患者さんが700人とか。
自宅で最期を迎える患者さんと家族を追ったドキュメンタリーでした。
102歳のおばあさん。
とても102歳とは思えない、たたずまいの穏やかな女性です。
撮影が進むあいだに認知症を発症し、
あれよあれよという間に進行してしまうんですね。
おしもの方が立ち行かなくなり、介護する70代のご夫婦の負担を考え
施設に入所されました。
それから、しばらくして。あっというまに亡くなりました。
ほとんど自宅で亡くなったようなものです。
なかでも、末期の肺がんの父親と全盲の一人娘の家族のドラマが、
胸に突き刺さりました。
突き刺さるというか、痛いというか、
涙が止まりませんでした。
母親は脳梗塞で早くに亡くなり、今度は父親が末期の肺がん。
全盲の娘さんが立派に最後を看取られました。
「お父さん、息していません」という彼女の声が、
あまりにも自然というか、濁りがないというか、平常で、普通で・・・
まるで天から舞い降りた天使の声。
トモちゃんが大騒ぎしていた私の父の最後と全く対照的で、
涙が止まらないのです。
彼女のお父さんは本当に幸せだったんだろうな。
そう思います。
天使のような娘さんがそばにいてくれたから。
究極の受容を知った彼女がいつもそばにいてくれたから。
ドクターと柿の話をしたのが最後でした。
彼女はこれからどう生きていくのだろう。
いろんな存在に守られて生きていくんだろうな。
誰も疑うことなく、まっすぐに前を見て。
本日もお読みいただきありがとうございました。