トモちゃんといっしょ ~認知症の母と暮らして~ 中年プーのぐうたら日記(再会)

実家に戻って3年目。母は中期の認知症。今年から仕事をやめて中年プーに突入。誰にも言えない胸の内を綴ります。

最近のトモちゃん( ^ω^)・・・

2018-04-17 00:44:27 | 日記

4月16日

10日以来、6日ぶりの投稿になります。

早いです。

仕事をはじめてから、1日の推移が早いです。

 

田舎に帰ってからの4年間。

これが、特に早いです。

今までそんなこと思ったこともありませんでしたが。 

 

それはさておき、

明日は調査員さんが訪問されます。

 

トモちゃんの、介護認定の更新が来るからです。

そのために、トモちゃんとのここ数日の暮らしを整理してみます。

 

 

今日は残業になり、帰宅が5時を過ぎました。

 

台所に入ると、

トモちゃんが、夕ご飯を作ってくれていました。

こんなメニューです。

 

 

 シャケは、すでに半分食べています。

ご飯はてんこ盛り。

150グラムはあります( ^ω^)・・・

 

血糖値は196。

味見をしながら、いろいろ食べているのでしょう。

それも料理の楽しみの一つですね。

 

さらに、リンゴとトマトのマヨネーズ和え。

そしてカボチャの煮つけ。

カボチャは、まだ固いところがありました。

 

トモちゃんは、時間が待てません。

待つことができないので固くなる。

反対に時間を忘れると、焦げてしまうのですが……

 

こんなことをしてくれると、かわいいなあと思います。

 

ところが、

土曜日はたいへんでした。

 

金曜日、わたしは歓送迎会で帰宅が9時を過ぎました。

そのあいだに、トモちゃんの親戚から

「旅行に行くので、裏に車を止めさせてほしい」という電話があったようです。


それが「土曜日」だというのです。

そんなこと、わたしは全く知りません。


そして土曜の朝、その話を突然聞かされました。

半信半疑で裏に回ると、なんと「青いタント」が止まっています。

見たこともない車です。

 

親戚の車が青いタントかトモちゃんに聞くと、そうだと言います。

ふーん、そうだったのかと思います。

 

ところが。

その車が、昼過ぎに消えていました。

それをトモちゃんが知り、車がなくなったと騒ぎ出しました。

 

「一泊のはずなのに、ない。誰かが持って行った」というのです。

 

本人の携帯に電話をすればいいとアドバイスすると、

ああだこうだと理屈を言って、絶対に電話をしません。

 

そうこうするうちに、夜になり、激しい雨になりました。

 

わたしは翌日の日曜日。

トモちゃんに内緒で、予定を組んでいて、早々と洗濯をしていました。


そのあいだに、トモちゃんが消えていました。

慌てて裏に回ります。

 

案の定、傘もささず、暗闇に、トモちゃんの影が動きます。

「お母さん!」

 

声をかけるとトモちゃんが逃げ出し、仰向けに倒れました。

「何やってんの!」

思わず声を荒げます。

 

「うるさい、隣に聞こえるやないか」とトモちゃん。

「なんでこんなことするの。車なんかないって言ったやん!!」

 

車を探そうと駆け出すトモちゃんをひきずって、

自宅に戻りました。

 

なんてことを。

また、転んでしまった。

どうしよう。

 

親戚の携帯に電話をすると、旅行は月曜日だと言います。

なんてこった。

また、振り回された。

 

トモちゃんと、親戚に。

 

親戚は、トモちゃんが認知症だと知っています。父の3回忌の後に話しました。

でも、約束事ができない、日時の確認ができない、

それが認知症というものだというのが、わかっていません。

 

そのせいで、とばっちりが、全部わたしにくるのです。

誤解と、混乱と、その後処理をわたしが背負うことになります。

 

 

いろんな思いが瞬時に錯綜します。

さらに、今回。こともあろうに、わたしには、大切な日でした。

 

実は、日曜日

わたしは羽生選手の凱旋公演「Continues With Wings」の

ライブビューイングに行くつもりで、内緒で準備していました。

 

これです。

 

 

羽生選手の凱旋公演は東京です。

 

東京までなんて、とても出掛けられません。

でも、この日。

最終公演は、全国のイオンシネマ系列の66か所の映画館で、

ライブビューイングが行われ、生で観ることができるのです。

 

行ったことないけど、岐阜の一番近くの映画館なら、

 高速道路を使って朝早く出かけられます。

 

おばさんの、久々の大冒険をするつもりでひそかに画策していました。 

 

 

でも、大人の冒険は、

おじゃんになりました。

 

わたしは、行きませんでした。


トモちゃんはこの夜、裸足で出ていたのです。

倒れたとき、足の爪が割れてしまいました。

 

そのほか、どこを打っているか、わかりません。

そんな人を置いて、朝早くから出かけるわけにはいきません。

 

 

親戚に振り回されるのがトモちゃんの人生です。

振り回されるのが生きがいなのです。

 

そんなトモちゃんの楽しみに家族を巻き込み、特にわたしを巻き込んで、

わたしの楽しみを奪うのがトモちゃんの常です。

 

 

それだけではありません。

もっと、苦しいことがありました。

 

いろんな思いが錯綜し、わたしは泣いてしまいました。

 

するとこの夜、トモちゃんは、泣いているわたしを罵倒し、

「なんで泣くんや」と責め続け、威嚇し、

鬼の形相で、ののしりました。

 

実はトモちゃんは、他者の「かなしみ」を土足で踏みつける。

そんな人でした。

 

認知症だからそんな人になったのかと言えば、そうではなく、

昔からそうだった。

 

子どもの頃、泣いているわたしを見ると、

「なんで泣くんや。何が面白いんや。わしをバカにしとるんか」

そう言って、罵倒し続けました。

 

……そうなんだ。

と改めて気が付き、愕然とし、しばらく言葉を失ってしまいました。

 

人のかなしみを踏みつけることができる、って

どういう心性なんだろう……どんな心が、そうさせるのだろう。

 

きっと、泣く人が、そして涙が、死ぬほどこわいのでしょう。

足を踏み鳴らさなければならないほどに。

いじめたくなるほど、怖いのでしょう。

 

わかりたくないので、そんな人のことはわからないと、距離を置くことにしました。

そして、忘れることにしました。



忘れようと思ったら、忘れることもできるのですね。

それは、昨日かおとといのトモちゃんが、したこと、です。


今日は違うトモちゃん……です。ケロッと夕ご飯を作っています。

 

わたしがトモちゃんとは違う、それだけです。

わたしは自分の悲しみを大切にする人なのです。

 

それに気が付いただけでも、まだよかった。

 

羽生選手のこんな記事がありました。

   ダ・ヴィンチニュース「僕はプラスとマイナスの差が激しい」

 

本日もお付き合いいただきありがとうございました。

 

 


2 コメント

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こんばんは (楽)
2018-04-17 23:54:10
仕事と介護の日々…ビビアンさん、近くにいたら、ハグして肩をトントンとさわりたい気持ちになりました。辛くて悲しくて虚しくて… あたし達、ちゃんと頑張っているから、きっと良いことがあるはずですよね?
楽さーん (ビビアン)
2018-04-18 20:25:34
楽さま
ありがとーう。わたしもハグをお返ししたいです。
そうね、そうよね。もうね、頑張ってるんですから。
仕事は、それこそボランティア価格の賃金ですが、面白いことに、わたしが働いているとほんとうにトモちゃんが喜んでいるの。それがありありとわかるのです。今日も、お浸しを作って待ってくれていました
うーん、理解はなくても、相手が望むことをしていれば、相手は喜ぶ。それがいつかは、理解につながる……そういうことなんでしょうかねぇ。
ようやく晴れの日が続きます。そちらも春になりますね

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