くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「おいしいベランダ。」竹岡葉月

2017-12-10 09:05:48 | YA・児童書
 月曜日、近隣の図書館は軒並み休館なのですが、H図書館だけは開館しております。(水曜日が休館)
 ここは妙に少女小説が充実していて、ついつい借りてしまうのですよね。
 今回も、書店で毎回買うかどうか迷って結局買わない(ひどい……)本を見つけて小躍りしました。
 それが、「おいしいベランダ。」(富士見L文庫)。三冊とも一気に読みました。
 わたしは結構農業に関わってきたので、野菜ものが気になっていたのですが、うーん、なぜ買えずにいたかはこのシチュエーションが好みじゃないからなのかも。
 主人公の栗坂まもり、十八歳。相手役の亜潟葉二、二十九歳……。年の差カップルですね。しかも、まもり、未成年なのにへべれけに酔っ払うのはどうなのか?

 いやいや、この調子だと誤解させそうですね。おもしろかったのですよ。
 「午前1時のお隣ごはん」では、ストーカーに狙われたまもりが、マンションの隣人・葉二に助けを求めます。すごいイケメンで、仕事も忙しそうな葉二は、警察に付き添ってくれ、自室のベランダから野菜をとってきて食事まで作ってくれます。海鮮サラダ丼、味噌汁、蕪とミニキャロットの蒸籠蒸し。
 それを食べながら葉二は、会社を辞めてきたと宣言。フリーランスのグラフィックデザイナーとしてやっていくというのでした。
 会社に勤めているときのスーツ姿と、自宅にいるときのジャージに瓶底眼鏡のギャップ。沼にはまるように野菜づくり(とそれを使った料理)を続けるオタクぶり。
 さらに、ムキムキだけどオトメチックな志織さん(園芸店経営)や、葉二の元彼女の千鶴さん(イチジク農家。わたしはイチジク大好きなので、食べたくてたまらない)、友人の湊ちゃんなと、いきいきとしたキャラクターで楽しいですよ。
 「2人の相性とトマトシチュー」では、つきあうことになったものの、なかなか気持ちに応えてくれない葉二への苛立ちと、誕生日のサプライズ。
 「3月の桜を待つテーブル」(話の時期は年末年始ですが)では、まもりの家族に葉二のことが発覚してしまうてんやわんやです。