ISLAND日記

点在する日々のつぶやき…

ショコラティエの勲章

2011-06-30 14:58:36 | 
「ショコラティエの勲章」上田早夕里 ハルキ文庫 イラスト:中村祐介
舞台は神戸、老舗の和菓子店に勤める主人公が近くの人気ショコラトリーのシェフとちょっとした事件をきっかけに知り合い、謎解きとともに親交を深めて行く連作短編集。
どれもお菓子が絡んでいる日常の謎的ミステリー。
書店で表紙のイラストとタイトルに惹かれなんとなく手に取ってしまったけど、最初の頁の語り口とあらすじ紹介で購入。面白かった。

ボンボンショコラ、ガレット、クリスマスケーキ・・出てくるスイーツの外観の描写だけでなく製法や味の説明で読者が自分なりにイメージ出来るように言葉がきちんと選ばれている。
その部分を読んでるだけでも美味しそうで楽しいけれど、ストーリーそのものは意外と甘くない。
謎として引っかかる部分があるからにはその人の人生も関わってくるという現実感と、単に謎を解けばいいのかという疑問も提起している。
それが読者に対する程よい「苦み」になってそれがこの作品の個性になっているように思えた。

このタイプの連作ものというと、どうしても北村薫氏の『円紫さん』や『ベッキーさん』のシリーズが思い浮かんでしまうけれど、それと同時にその苦みというか痛い部分が違いをはっきりと表しているのも確か。
洋菓子シリーズの次の作品が楽しみです。

さてこちらは大甘な恋愛小説。
植物図鑑」有川浩 角川書店 イラスト:カスヤナガト

料理が苦手な女の子(?)家事OKしかも食べられる植物に詳しい青年を道ばたで拾って同居しちゃうという話。
ここにはいわゆる『雑草』と呼ばれている草花がいっぱい出てくる。
レンゲ、シロツメクサ、ツクシ、フキノトウ、フキ。イタドリ、タンポポ、スベリヒユ、ユキノシタ・・etc
それらの中で食べられるもの食べられる部分は食べちゃおうというコンセプト&恋愛話。
こちらもなんとも美味しそうな描写がたくさんで各植物の説明もしっかり描かれてる、しかも簡単なレシピつき。(笑)
読み物の植物図鑑としても面白いかもしれません。
図書館で借りたんだけど・・う~ん、文庫になるのはいつ?
web KADOKAWA 「植物図鑑」

はらっぱ便り
ただいま豆盛り。。

《ラッセルルピナス》 豆科 ハウチワマメ属

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4 コメント

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はらっぱ (桜 源八郎)
2011-07-01 23:16:15
SHIMA殿にははらっぱでもウサ田だとジャングルですね。

ショコラティエって何?って思って検索してみたらチョコレート専門の職人のことなんですね。
知らなかった~
桜殿 (SHIMA)
2011-07-02 11:13:37
ウサ田をここに放り込んだら見つけるの大変です

「パティシエ」「パティスリー」はだいぶ一般的な名称になりましたけど、「ショコラティエ」「ショコラトリー」は耳慣れないですよね。専門店ってそんなに無いし。
けど本読んだら行ってみたくなりました。(笑)
菓子類摂取抑制月間 (ちゅよっぴ~♪)
2011-07-02 20:08:14
「ショコラティエの勲章」は読んだら食べたくなるでしょうねぇ、  現在血液粘度が上がりそうな物を極力控えようと努力中なので、、  やばいですね(笑)

「植物図鑑」の方は食べれる草のお勉強にもなりそうなので良いですね、、  この本 恋愛小説なの?


はらっぱは食べれる草が一杯ありそうじゃないですか    うらやましい~♪
ちゅよっぴ~♪さん (SHIMA)
2011-07-03 09:57:11
そう、食べたくなります、または食べた気にもなります。(笑)
「植物図鑑」は恋愛ものとしてはまぁまぁだけど食べれる草図鑑としてはとってもいいです♪

うちの原っぱ・・確かに・・
来年は試してみます。。^^;

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