京のおさんぽ

京の宿、石長松菊園・お宿いしちょうに働く個性豊かなスタッフが、四季おりおりに京の街を歩いて綴る徒然草。

少年は大志をいだき

2009-10-31 | インポート

     いのち短し 恋せよ少女(おとめ)

 

 このフレーズを知っているという人は多いと思います。

 しかし、多くの人は何となく知っている、という感じではないでしょうか。

 特に今の若い世代にとっては。

 年輩の方になると、黒澤明の映画で知った、という人もいるかもしれあせん。

 それでも、元々はどこからきたのか、ということについては、知らない人もいるかと思います。

 最近では、これをもじった「夜は短し歩けよ乙女」という小説がはやりましたが。

 さて、このフレーズは「ゴンドラの唄」という大正時代に流行した歌の詩なのです。

 それを作詞したのが、歌人として知られている、吉井勇です。

 この吉井勇というのが、京都にゆかりの深い人物でもあります。

 中でも祗園は、歌碑が建てられるほど、縁のある街です。

 その歌碑に刻まれている短歌が、

 

     かにかくに祗園はこひし寝るときも枕の下を水のながるる

 

 というものです。

 祗園で遊び倒したという吉井勇らしい一首で、また、祗園という街に相応しい一首でもあります。

 この歌碑にちなんだ「かにかくに祭」というのが、毎年11月8日に行われています。

 11月8日というのは、歌碑が建てられた日です。

 祭といっても、仰々しいものではなく、規模としたら祗園の町内行事といった体。

 それでも、正装の舞妓さんが歌碑に花を供える場面は、雅な風情。

 アマチュアカメラマンが大勢やってきて、シャッターチャンスを狙います。

 4人もの舞妓さんを一度に見られる機会というのは、そうそうありませんから。

 今年は11月8日が日曜日なので、たくさんの人がやってきそうです。

”あいらんど”


昔日

2009-10-30 | インポート
昔日
今日お泊りの学校様が当館へお越しの際、加茂・当尾の浄瑠璃寺からのコースがあり、出発の連絡があってから約1時間で到着されました。まさかと思い、実際に走ってみることにして実行、いやー驚きました。50分少しで着いてしまいました。昔、近鉄奈良駅からバスにゆられて相当かかったように思うのですが。この辺りも変わりました。バス停周辺は竹藪だったと思うのですが、駐車場になり、土産物屋が建ち食事処ができています。このお寺に行ったのは、岡部伊都子さんの「観光バスの行かない」を読んだからですが、今では修学旅行生が寄り、奈良の定期観光バスのルートにもなっています。まさに隔世です。この本で見返り観音の優しさを書かれた永観堂はいまやなにしおう観光寺院です。時と共に静寂が失われていくのはやむを得ないことでしょうか。 〓K.Sasano〓


秋麗

2009-10-29 | インポート
秋麗
秋らしい快晴、紅葉の具合を見に近郊へ出かけてみました。近郊と言うと大原でしょうか、このあたりはまだまだ、古知谷の阿弥陀寺山門、駐車場付近の楓が半分程度色づいていました。鮮やかさには少し欠けますが、後10日もすれば見事な色付きを見せてくれる事でしょう。 この阿弥陀寺、昔は知る人ぞ知る紅葉の穴場だったのですが、随分と訪れる人がふえました。 さて、大原からは江文峠を抜け貴船へ。ここも紅葉の名所ですが、今日の所はまだまだ、だいぶ先という感じです。 来週から冷え込むという予報です。これで紅葉も進むのでは? 〓K.Sasano〓


あるべきところにある

2009-10-28 | インポート

 京都では、今年の秋も、様々な寺院などで特別公開が行われています。

 両足院は、建仁寺の塔頭、つまり院内末寺です。

 <リョウアシイン>ではなく、<リョウソクイン>です。

 変わった名前で、覚えやすいですね。

 このお寺が、短い期間ですが、特別公開されています。

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 ここには様々な寺宝があって、中でも有名なのが伊藤若冲の掛け軸。

 若冲といえば、江戸中期の画壇で、異彩を放った人物。

 動物を描いた絵が多いことで知られ、特に鶏の絵が有名です。

 鶏を描いたものはいくつもあって、そのうちの一つがこの両足院にあります。

 ですが、残念ながら今回の特別公開では展示していません。

 今回展示しているのは、長谷川等伯筆の屏風です。

 ここには等伯の襖絵もあるのですが、そちらは今回は展示されていません。

 二年前くらいの特別公開では、若冲と等伯の襖絵を展示していました。

 おそらく、そのたびごとに展示内容を変えているのでしょう。

 若冲の掛け軸には感動しました。

 美術館などで見る場合、どうしてもガラスケース越しに見ることになります。

 それが、ここでは、目の前に、手で触れられる状態で見られます。

 もちろん、実際に触れてはいけないのですが。

 そして、それが床の間に飾ってあるわけです。

 しかるべき場所にあるものを見る、と言った趣でしょうか。

 その所有者になった気分にもなれないことはない、といっては大袈裟でしょうか。

 ですが、描かれた目的のままに置かれているのは、感動に値するといえましょう。

 それは美術館などでは味わえないものといえるのではないでしょうか。

 今回展示してある等伯の屏風にしても、同じです。

 署名、落款を数センチの距離で確認することができるのは、やはりうれしいものです。

 お寺の特別公開などでは、そういう楽しみもあります。

 両足院は、絵だけではなく、庭も素晴らしいお寺です。

 これも寺宝の一つといって良いでしょう。

 ぜひとも訪れてみてください。

”あいらんど”

 


鐘は鳴ねど柿はなる

2009-10-25 | インポート

 

   柿ぬしや梢はちかきあらし山

 

 京都、柿、で思い浮かぶ名所といえば……法隆寺ではありません。

 法隆寺は、奈良のお寺。

 京都で柿といえば、嵯峨野にある落柿舎が有名でしょう。

 美味しい柿が取れることで有名、というわけではありません。

 落柿舎は、江戸時代の俳人、向井去来の庵です。

 藁葺きの屋根を頂いた古びた庵が、田んぼを前にして、ぽつねんと建っています。

 その背景には、山や深い森、晴れていれば青い空が広がり、田園風景を作り出しています。

 それは他にたとえようもなく、まさに田園風景で、雅の町たる京都とは、また趣を異にしています。

 日本の原風景、といったものに近いようにも思います。

 農村などに行けば、こうした風景を見られるところはまだ多いでしょう。

 ですが、これが京都にあるというところが面白い、と思うのですが、いかがでしょうか。

 嵐山のにぎやかな土産物屋街から、そう離れてもいない場所です。

 それどころか、京都の市街地からも気軽に足を伸ばせる距離。

 辺りは紅葉の名所と呼ばれる寺院なども多く、これからの季節、訪れるのにちょうどよい場所でしょう。

 さて、冒頭の句は、その向井去来の句です。

 向井去来は松尾芭蕉のお弟子さんで、その中でも優秀だといわれている人です。

 この向井去来の庵にも訪れ、弟子と起居をともにしたといいます。

 もっとも、建物はその当時のものがそのまま残っているわけではありませんけれども。

 雰囲気だけは十分伝わる建物です。

 その去来の墓が、落柿舎のすぐ北にあります。

 墓地の片隅に、ちょこんとおかれているのですが、これがまた、まさしく、ちょこんと、という感じです。

 高浜虚子の句に、この去来の墓を詠んだものがあります。

  

   凡そ天下に去来程の小さき墓に詣りけり

 

 甚だしく字余りで、俳句といって良いのか、よくわからないのですが。

 しかし、実際に行ってみると、この句を実感することでしょう。

 烏帽子型の、本当に掌に乗りそうな位の小さな石がおいてあるだけです。

 これも墓だというのだから、また面白いですね。

 是非その目で確かめてみてはいかがでしょう。

”あいらんど”


秋麗

2009-10-22 | インポート
秋麗
今日は時代祭でした。それと知らず、舞妓遊宴でお寄り頂いたお客様は市役所前へ見物に行かれました。思わぬ予定変更ですが、こういった予定変更はいいかもしれません。 ところで、写真はお祭りの後の市役所前の様子ですが、桟敷の片付けの後ろの木々、いい色になってきています。この御池通の欅も、上の方から色付き始めました。川端通の桜の葉も紅くなってきてます。銀杏もかなり色が薄くなっています。 いよいよ、京都も秋本番を迎えようとしています。 〓K.Sasano〓


たべてみましたか・・・?

2009-10-14 | インポート

お餅のようなモチモチ感がスゴイ!
たいやき本舗 藤家さんは、「白いタイヤキ系」のお店で、生地にタピオカ粉を混ぜてモチモチとした食感を生み出しているたい焼きなのです。
黒あん・白あん・カスタード、食べてみると、とにかくモチモチ感がスゴイ!数日前に食べた「白いたいやき」もなかなかだと思っていましたが、大きく上回るモッチリ具合でした。「お餅」とまでは言いませんが、あんなどは甘さも適度で、とてもたい焼きを食べている食感ではありません。
全国展開しているので皆様ご存知かもしれませんが京都はここです、市内をこち方向で見て廻るときにはよってみて下さい。

Taiyaki たいやき本舗 藤家 烏丸今出川店
〒602-0941京都市上京区南兼康町337エクセレント御所西1F
TEL&FAX:075- 営業時間am10:00-pm19:00


建仁寺に行ってきました。

2009-10-08 | インポート

やっぱりもう一度見たかったのが「双龍図(そうりゅうず)」。
完成したときに見に行ってからそのままになっていたので、何故かもう一度・・・

Img_0815 感激です!!
龍の荒々しさとなんとなくやさしさが混ざったような気分で、悪いことをしたら食べちゃうぞ!って小さい頃に親から教わった記憶がいまさらのようによみがえります。
あのころは雷さまとこの龍さまともうひとつ親父さまが怖かったような記憶ですが、今となっては・・。

でもさすがにすごいの一言でしょうか、「・・・。」でその後がシーンとした空気に包まれていて何も出来ないまま立ち尽くしていましたが、皆様はどうでしょうかね・・・?!
日本あちこちにもありますが、この建仁寺の龍も一度は見て下さいね。
出てきたら何故か心が洗われたような・・・ 
なんていいたいのですが。
でも何かすっきりとしました。


七福神

2009-10-05 | インポート

Cimg8779 「七福神めぐり」と一口にいっても京都七福神・京の七福神・都七福神・泉涌寺七福神・天龍寺七福神などなどいろいろあります。
だったらどれを信じて廻ればいいのだろうか? という疑問がわいてきます。
日本全国にも色々な「七福神めぐり」がありますし、あちこち廻るとよくないようなこともききますし、色々廻っておかしくなってしまうと・・・恐ろしいのですが・・・

という事はありませんのでご安心を。
石長松菊園・お宿いしちょうにご宿泊の方は一番簡単に、そしてご利益があって、散歩がてらに出かけて、七福神様に合えるところがありますのでぜひどうぞ・・

石長から西に向かって歩いてゆくと突き当たります。
その南北にある道が寺町通りです。
この寺町通りは名前の通りにお寺の多い道筋で、昔から有名です。
この界隈は骨董品やさんや喫茶店・レストランがあり、結構有名ですが、この付きあたって寺町通りに出たらすぐに右に曲がってください。
しばらくすると、革堂(こうどう)行願寺というお寺があり境内に写真の七福様が折られます、途中民家のショーケースの中にも写真のようなかわいい七神様が皆さんをお迎えしていますので、探してもて下さいね。

京都は本当に飽きない場所です。



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去り行く・・・

2009-10-03 | インポート

Photo 今年もいっぱいのお客さまでにぎわった、鴨川の床の撤去が始まりました。
なんだか夏が終わって本格的に秋に近づいている感じが、この風景を見るとします。
どうやって床を作って、どうやって撤去するのと質問がありましたが、ご覧のようにクレーンを使うところもありますし、手作業で解体するところもあります。

どこにしまうのって質問も・・・
でもって、片付ける場所は色々あり、建物の床にきっちりと収められる昔しながらのつくりになっていたり、敷地内の納戸にしまわれていたり、預けてあったり、さまざまです。
私たちの洋服と同じで夏物と冬物の入れ替え見ないな感じでしょうか?!
扇風機とストーブの入れ替えみたいな感じかな?

とりあえずは、夏も終わり秋を向かえ、紅葉のシーズンを迎える京都の恒例の行事?でした。