糸崎駅、マボロシの天麩羅蕎麦

2011-02-12 18:15:31 | 食べる
子供のころ(昭和三十年頃)蕎麦や饂飩は御馳走でした。
お金持ちは知りませんが、庶民はそう。

関西では饂飩をオカズにご飯を食べた、
尾道の我が家でもそうでした。
経済的理由からそうなっていたのでしょう。
子供心に「饂飩だけで腹いっぱい食べたい」


尾道と三原の間に糸崎という駅があります。
本線と呉線の接続で停車時間が長いことが多かったようです。

ホームに駅弁とウドン蕎麦を売りにきていましたね。
良い匂いがするんですよ。

記憶には蕎麦の売り声が鮮明です。
節をつけて「♪てんぷらそば、てんぷらそ」
そう最後の「ば」がなくて何だか印象的なのです。

これを一度食べてみたくてねえ。
滅多に汽車に乗ることもないし、親に頼んでみるのですが
却下されます。

「尾道に帰ってから」
なに、帰っても喰わしてなどくれません、分かっていても
引き下がらざるを得ないところが長男ですねえ。


十代後半は天麩羅饂飩、または拉麺の時代が続きました。
今なら、どん兵衛天麩羅ソバを食べられるのですがね。

就職して東京に出、天麩羅蕎麦を食べるチャンスが来ました。
駅の立ち喰いソバです。

空腹時には良い匂いがして誘われます。

実際食べてみてガックリ。

天麩羅ウドンはもっといけない。

立ち喰いは、ただ空腹をごまかすために食べるものでした。
時間は早いし値段は安いし、これで美味ければ・・・

でもあのころ一杯いくらだったか記憶がないのです。
200円はしていなかったと思うのですが。


三十代、広島に戻って天麩羅饂飩、懐かしくて美味い。
西広島駅の立ち喰いが美味でした。220円?

結局、天麩羅蕎麦の美味しいのにぶつかりません。

糸埼駅の天麩羅蕎麦、食べておくべきでしたねえ。


追記
五日市にあった三平食堂
ここの天麩羅饂飩も美味でした。
昔懐かしい小海老の散ったテンプラです。
立ち喰いはどこでもオキアミですから。

本格的な蕎麦屋さんのは立派な海老天が乗っています。
でも「♪・・・てんぷらそ」はそれじゃあない。

第一、本格的な蕎麦屋で食べるのは、モリ!
ホットじゃいけませんやね。

きっと糸崎のは
丼は持てないくらいに熱く、イリコ系の出汁を多めにして
テンプラの衣がふわふわに溶けかけてたっぷりと。
蕎麦自体は関西ですから、黒くて細いだけですが
なぜか味がまとまる麺です。
違うかなあ?


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