西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

『新潮 日本語 漢字辞典』を買う

2008-01-12 | 言語・字・言語遊戯
昨日『広辞苑』を買ったと思ったら、今日は『新潮 日本語 漢字辞典』を大枚約1万円で買った。実は、今朝のNHKラジオで、この辞典を編纂した代表の小駒勝美さんの話を聞いてしまったからである。そういえば、新聞の書評欄にも載っていたな、と思いだした。高い『広辞苑』を買ったばかりだったが、用途・機能が違う、と思い、買う決心をした。今日は、土曜日だが月曜日の補講で高槻に行き、昼過ぎ、帰りにJR高槻駅前の「大垣書店」で1冊あったのを買った。横には『広辞苑』が横積みだった。一刻も早く見てみたくて、JR普通、近鉄特急の中でもパラパラめくってみた。

今までは、漢字の「解字」などは「漢和辞典」で見てきたのだが、「漢和辞典」のそれは基本的に中国で使われてきた漢文の漢字の成り立ちの解説であり、用例も漢文にとっている。ところが、漢字が日本に入ってきてから1500年ともそれ以上とも言われている。その間に漢字から日本独自の片仮名、平仮名を生み出してきた。国字と言われる元々の漢字にはない「漢字」も生み出してきた。峠などはそうである。日本独自の漢字熟語も出来てきている。

このように日本語としての漢字が発達してきて現在に至っている。だとすると、日本語としての漢字辞典が必要という発想が生まれてもおかしくはない。今までなかったのが不思議でもある。(こういう発想も「コロンブスの卵」と言うのかな。)

しかし、この辞典では「解字」をしっかりやろうと、中国古代の「金文」などを深く研究され、先ごろ亡くなられた白川 静先生の説を第一に採用し、他の説も合わせて載せている。私は、白川先生の三部作を持っているので対照できて良い。一方、漢字の用例は、主に日本の近代・現代の小説(新潮文庫)から採っている。

ドナルド・キーンさんは60年前にこういう辞典があれば苦労しなかったと言っているようだ。外国人が漢字仮名混じり日本語を学ぶのにも適しているだろう。

近世文学以前を研究している研究者達には不満かもしれないが、我々普通の日本人としては身近で良い。『広辞苑』の用例は、時代がもっと広いので比較も出来る。

とにかく引きやすい。最初に「音訓」、次に「総画」、引き続き偏や冠の「部首」画数順に漢字が並ぶ。ここが中心だ。その後に「常用漢字について」「人名用漢字について」「主要用例出典一覧」がある。最後に「熟語索引」がある。

「熟語索引」では、明治文学などに出てくる、倫敦(ロンドン)、巴里(パリ)、伯林(ベルリン)、羅馬(ローマ)、紐育(ニューヨーク)、桑港(サンフランシスコ)なども簡単に引ける。

『広辞苑』、『新潮 日本語 漢字辞典』を読む楽しみが増えた感じだ。

写真は、『新潮 日本語 漢字辞典』

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